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はらまさかず

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1972年、愛知県生まれ。 作家、編集者。 日本児童文学者協会理事。同協会子どもと平和の委員会委員長。 那須正幹著作権管理委員。雑誌「日本児童文学」編集委員。 「お父さんとお話… もっと読む
運営しているクリエイター

#ふしぎの町つうしん

「始発の会」 はらまさかず

 人工クラゲの研究をしている沼水さんとぼくは、始発の会という会のメンバーです。といっても…

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「帰ってきた おにぎり」 はらまさかず

ぼくの住んでいる町には、太った野良猫がいます。 どうやら、このあたりのボス猫らしく、ほか…

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「未来のせかい」 はらまさかず

真夜中。 ぼくは寝る前に窓を開け、外を見た。 見なれた街の灯り。 「あれっ?」 線路の向こう…

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「夢のうちに楽しんで」 はらまさかず

少し前までは、スキューバダイビングをしてみたかった。 でも、今は興味がない。 自分でカフェ…

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「たのしい未来」 はらまさかず

 その夜、結子(ゆうこ)さんは、なんとなく、これから先の自分の未来が分かるような気がしま…

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「とおるさんの本屋」 はらまさかず

とおるさんは、月に何度か、透き通ります。 そんな時は決まって、何かお話をつくりたくなるの…

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「雨の日の喫茶店」 はらまさかず

 毎日、雨ばかり。  いやですね。  いやですか?  せっかくなんで、雨を楽しみましょう。    久しぶりの喫茶ギンガ。  「いやー、よくふるねー」 と、ぼく。  「よくふるねー。 コーヒー?」    「うん。 あれっ。マスター、なにこれ?」  ぼくが、きくと、  「なんだか、はまっちゃってさ」 と、マスター。  お店のテーブルには、水の入った鉢がならんでいます。  鉢のなかには、種のようなものが。  種からはニョキニョキと芽が出ているものや、葉が茂っているものもあります。

「雨くらげ」 はらまさかず

沼水さんのこと、覚えていますか? そうそう、あの人工クラゲの研究をしている。 沼水さんは、…

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「クリスマスまでを楽しくするには」  はらまさかず

 寒くなってきました。  もう、冬です。  喫茶ギンガには、この時期、昔ながらの丸い石油ス…

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「それは そのときの そのひと」 はらまさかず

 喫茶ギンガに来るのは、ねむれないから、だけじゃない。  マスターと話をしたいから。  …

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「星のような喫茶店」 はらまさかず

 ねむれない夜、いつ行っても、喫茶ギンガは開いています。  「いらっしゃい」  お店に入る…

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「扉」 はらまさかず

「ゆめおさんの家が見つかったけどね、一足おそかった」 ある日、沼水さんから電話がありまし…

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「夜、目をとじると」 はらまさかず

喫茶ギンガは、夜、いつ行っても開いています。まるで、夢のなかの、本当にはないお店のよう。…

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「ゆめおさんの家」 はらまさかず

「ゆめおさんの家が、また見つかったよ」 ある日、沼水さんから電話がありました。 『ゆめおさん』と、ぼくらが呼んでいるのは、建築家の夢尾五郎のことです。 といっても彼のことを知っている人はほとんどいません。 趣味で建築家をしていたのですが、彼の家はどれも普通だったので、誰も気にとめなかったのです。長く住んでみないと、彼の家の良さはわからないのでした。 「すぐいく」 ぼくらは、早速待ち合わせて、その家に行ってみました。 それはやはり、普通の家。 家主さんは、 「わたしも、この家