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はらまさかず

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1972年、愛知県生まれ。 作家、編集者。https://note.com/hara_masakazu/ 日本児童文学者協会理事。同協会事務局長。 那須正幹著作権管理委員。雑誌「…
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記事一覧

「光るクラゲ」 はらまさかず

沼水さんのこと、覚えていますか? そうそう、あの人工クラゲの研究をしている。 沼水さんは、…

よむよんで
1か月前
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「ホワンさんの不思議な話(2)」  はらまさかず

ホワンさん、今日はレストランに来ました。 大好きなサラダを食べていると、 あれれ、 サラダ…

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「鏡餅ではありません」 はらまさかず

ねこの大福は、元旦から仕事です。 初詣に来てくれた人たちに、「大」の字を書いて配るのです…

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「メリークリスマス!」 はらまさかず

ねこの大福とうさぎのメイは、毎年、おばあちゃん家のイルミネーションを見に来ます。でも、今…

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「心配いらない」 はらまさかず

 うさぎが、そろそろ、ねようかとおもっていると、ころがるように、ハリネズミが入ってきまし…

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「夜の町を、星といっしょに」 はらまさかず

甘い香りにつつまれて、 ねこの大福は、つい眠ってしまいました。 目をさましたら、夜がひっそ…

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「サンキャッチャー」 はらまさかず

久しぶりの喫茶ギンガ。 「どうしたの? 元気だった」 と、マスター。 「うん。なんか、いろいろ忙しくて」 と、ぼく。 マスターのコーヒーを飲みながら、 ぼーっとして、ソファーに腰かけていると 目の前でガラスの玉がキラキラときらめいた。 「なにそれ?」  ぼくがきくと、 「サンキャッチャー。最近はまってるんだ」 「サンキャッチャー?」 「そう。太陽の光にあてると、まわりにいっぱい虹を映し出すの」  マスターが説明した。 「目には見えなくても、太陽がふりそそぐところには、必

「始発の会」 はらまさかず

 人工クラゲの研究をしている沼水さんとぼくは、始発の会という会のメンバーです。といっても…

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「帰ってきた おにぎり」 はらまさかず

ぼくの住んでいる町には、太った野良猫がいます。 どうやら、このあたりのボス猫らしく、ほか…

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「あなたを あたらしく」 はらまさかず

道路に、桜の花びらが落ちています。 なんとなく、踏まないように注意しながら、 喫茶ギンガへ…

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「いてくれる、だけでいい」 はらまさかず

荒涼とした大地。生きているものは何もいません。 そこに、ある日、小さな木が生えました。 …

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「今思えば、いつも楽しい」 はらまさかず

ひさしぶりの喫茶ギンガです。 「この時期、嫌なんだよなあ」と、ぼく。 「さむいから?」 「…

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「さむい日のプー」 はらまさかず

めっきりと寒くなってきました。 きょうは、ダウンジャケットを着て、ギンガへ。 だるまスト…

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「ギンガのハロウィン」 はらまさかず

今夜の喫茶ギンガは、いつもとちょっと違います。 お店のなかが、ハッピーハロウィン。 「どうしたの、マスター」 ぼくが、きくと 「ことしもなんだか、さみしいからさ」 と、かぼちゃの仮装をしたマスターがいった。 「都会のほうでは、さわいでるみたいだよ」 「ふーん。はい、かぼちゃプリン。サービス」 ぼくは、プリンを食べた。 うん、おいしい。 それにしてもマスター、仮装なんてしなくても かぼちゃにそっくりなのに。 「あ、そうだ。さっき、外に、おばけの仮装をした猫がいたよ」 ぼくは、