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はらまさかず

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1972年、愛知県生まれ。 作家、編集者。 日本児童文学者協会理事。同協会子どもと平和の委員会委員長。 那須正幹著作権管理委員。雑誌「日本児童文学」編集委員。 「お父さんとお話… もっと読む
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記事一覧

「ホワンさんの不思議な話(2)」  はらまさかず

ホワンさん、今日はレストランに来ました。 大好きなサラダを食べていると、 あれれ、 サラダ…

よむよんで
9か月前
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「鏡餅ではありません」 はらまさかず

ねこの大福は、元旦から仕事です。 初詣に来てくれた人たちに、「大」の字を書いて配るのです…

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「メリークリスマス!」 はらまさかず

ねこの大福とうさぎのメイは、毎年、おばあちゃん家のイルミネーションを見に来ます。でも、今…

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「心配いらない」 はらまさかず

 うさぎが、そろそろ、ねようかとおもっていると、ころがるように、ハリネズミが入ってきまし…

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「夜の町を、星といっしょに」 はらまさかず

甘い香りにつつまれて、 ねこの大福は、つい眠ってしまいました。 目をさましたら、夜がひっそ…

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「サンキャッチャー」 はらまさかず

久しぶりの喫茶ギンガ。 「どうしたの? 元気だった」 と、マスター。 「うん。なんか、いろ…

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「始発の会」 はらまさかず

 人工クラゲの研究をしている沼水さんとぼくは、始発の会という会のメンバーです。といっても、会員は沼水さんとぼくだけ。  「そろそろ、やろうか」 と、どちらともなく誘い合い、始発電車に乗ります。  日曜日の朝、4時53分。  ぼくは下り方面の電車に乗ります。がらんとした車内。ぼくは、電車にのること自体を楽しみます。  五つほど、駅を過ぎて、  「やあ」  沼水さんが乗ってきました。  人のいない各駅停車に向かい合わせに座って、おたがい後ろの窓の向こうを眺めている。ただ、それだけ

「帰ってきた おにぎり」 はらまさかず

ぼくの住んでいる町には、太った野良猫がいます。 どうやら、このあたりのボス猫らしく、ほか…

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「あなたを あたらしく」 はらまさかず

道路に、桜の花びらが落ちています。 なんとなく、踏まないように注意しながら、 喫茶ギンガへ…

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「いてくれる、だけでいい」 はらまさかず

荒涼とした大地。生きているものは何もいません。 そこに、ある日、小さな木が生えました。 …

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「今思えば、いつも楽しい」 はらまさかず

ひさしぶりの喫茶ギンガです。 「この時期、嫌なんだよなあ」と、ぼく。 「さむいから?」 「…

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「さむい日のプー」 はらまさかず

めっきりと寒くなってきました。 きょうは、ダウンジャケットを着て、ギンガへ。 だるまスト…

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「ギンガのハロウィン」 はらまさかず

今夜の喫茶ギンガは、いつもとちょっと違います。 お店のなかが、ハッピーハロウィン。 「どう…

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「エリザベスの話(4)」 はらまさかず

ある日、大福はエリザベスに最後のお別れをしました。 エリザベスがまだきれいなうち、 だまって行ってしまうのがいいと分かっていたのです。 大福が何も言わなくても、 エリザベスにも、その日が分かりました。 大福が去っていくとき、 「けっきょく、いっしょに外にいけなかった」 と、エリザベスがいいました。 すると、大福はしばらく考えてから 「いけるさ」 といいました。 「ほんとう?」 「ああ」 「たのしみ」 「おれもさ」 (エリザベスの話 おわり) このお話の続きが「たいせつな