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You've Lost That Lovin' Feelin'.

わたしのなかで数年に一度、The Righteous Brothersの「You've Lost That Lovin' Feelin'」のブームが訪れる。一気に涼風が立ち始めたこのところなど、毎朝の目覚めに欠かせないほど。

この曲との出会いは映画「Top Gun」だ。1986年に公開され、トム・クルーズを一躍大スターへと押し上げた青春映画の名作だ。あ、もしネタバレを嫌う方はこの先、ややご注意ください。

映画の冒頭で、アメリカ海軍艦上戦闘機のパイロットであるトム・クルーズ演じるマーヴェリックがエリート訓練校(トップガン)での訓練開始を前に行われたパーティーで教官とは知らずに一目ぼれした女性を口説くシーンがある。言葉は不要、ぜひこの動画をご覧いただきたい。

若々しさが爆発しそうなトムが「You've Lost That Lovin' Feelin'」を、仲間でありライバルでもある訓練生らの協力を得て歌い、見事最後にチャーリーから「Sit down」と隣に座る栄誉を勝ち取るシーンだ。この映画を初めて観たのはテレビだったのだけど、なんてアメリカらしいのだろう…ととてもドキドキした。そしてそれは、何年経っても変わらないときめきになった。

この曲は物語の終盤でも重要な存在感を見せる。

この映画自体が「青春」そのものだな~と感じるのだが、高い目標に向かって精鋭たちとしのぎを削る訓練の日々で、友情や恋愛、挫折と栄光を味わいつくし、エンディングはそうした嵐の過ぎ去った秋風を思わせるなかでもう一度この曲が流れる。

わたしはたぶん、青春映画でどれが一番好きか?と聞かれたらたぶん「TopGun」と答えると思うくらいに好きだ。トムのすがすがしい健康な肉体、笑うと光る真っ白な歯、まだどこにもしわのない顔で仲間たちとビーチバレーに汗を流すシーンなどは、昔は感じなかったが「これが若さってことか…」と感動するほどだ。

ちなみにもうひとつ、当時もよく比較された「愛と青春の旅立ち」というベタな和名に騙されずに見てほしいのがこちら。

このエンディングに有名な、訓練を経て見事海軍士官になったリチャード・ギアが貧しい女工であるデブラ・ウィンガーを迎えに来るシーン。お姫様抱っこでさらっていくのだが、これもまた映画史に残る名シーンだと思う。

わたしは夢想する。TopGunの訓練生たちは今でも、The Righteous Brothersの「You've Lost That Lovin' Feelin'」で女性を口説き、厳しい訓練で士官を目指すパイロット予備生が合格と共に愛する女性を工場へ迎えにいっているんだ、と。今もずっと、それが続いているのだと。

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