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東京の名もなき欠片

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世界中でもまったく異質で稀有な都市、東京の空気、色、乾いた感傷をつづります。~An unnamed piece of Tokyo~
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#東京

ゆっくりとした変身

来客を知らせる受付からの連絡で迎えに急ぐと、事前に約束をしていたかつての同僚の姿を認めて…

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わたしが魔女だった頃の話

今夜は寝物語に、わたしが魔女だった頃のことを話してあげましょうか。いやなにもね、当世風の…

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BARに行くなら圧倒的に冬が合う

初めてBAR、バーに行ったのって、いったいいつだっただろうか。多分、と想像になるが、バーと…

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ダイアモンドの顔したけやきの木の涙

物足りないのだ。こんな晩秋では。 過ぎる季節を惜しむことすら叶わない。惜しむほどに、深い…

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「虚構」にある温度

地下鉄銀座線、A12の出口から松屋銀座へとつづく回廊はひとときのアートを楽しむことができる…

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「場所」の感傷

数えきれないほど四季を過ごして、そこここに記憶が生まれるけれど、もはやそんなものたちは日…

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紅茶が知らせる感傷

一年でいちばん愛着を感じる季節がちょうど今頃で、秋がとても好きなのだけれど、いつの頃からか気落ちすることが多くなっていると気がついた。 どうやら日照時間が減ってくることで「季節性うつ」というものが増えてくるというのだけど、そういう現象なんだろうとたいして気にしないでいる。 愛する季節の到来を実感するのは、喫茶店で紅茶をオーダーするようになるからだ。不思議なことに、子どもの時分から「秋は紅茶」と決めてしまっている。あの、こっくりと深い色合いがまさしくオータムカラーそのもので