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東京の名もなき欠片

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世界中でもまったく異質で稀有な都市、東京の空気、色、乾いた感傷をつづります。~An unnamed piece of Tokyo~
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記事一覧

母と暮らす

 新年度が怒涛。というよりも年度末が怒涛でその通り過ぎた風力がまだあおっているというのが…

秘すれば花
1か月前
8

香彷徨遍歴仮名手本

 「ああやっぱりそうなのか」と、ある試みにおける見込み違いの結論を得た。自分は香水を、多…

秘すれば花
2か月前
4

ただ刹那に通り過ぎていくもの

 どんな人間になりたいですか?私はすこーんと突き抜けからっとした人間になりたいのです。と…

秘すれば花
2か月前
11

美しくビターなファンタジー

 今週も最高に仕事しまくってもぎとった週末、土曜日にとことん惰眠を貪ると決めていたのに燦…

秘すれば花
3か月前
23

凡庸さに受け入れられる

 1年半ほどが経って、いま私の髪は肩下を超す長さにまで伸びた。22年の年明け、耳を出す短さ…

秘すれば花
3か月前
4

カウントダウン4日

 28日、仕事納め。年末恒例の広告代理店時代の先輩とランチ忘年会を終えてから出社。先輩は昨…

秘すれば花
4か月前
3

くるみ割りのファンタジー

 念願が叶って、中2と小6の姪っ子(引率の姉も)をバレエ鑑賞で東京に招待することができた。もちろん、姉家族の住んでいる地域でもバレエを鑑賞する機会は充分にあると思うが、こうしたことに支出をする選択についてはまた別問題である。なにしろ、それ以外に子どもを育てあげるお金が膨大なんだから、舞台鑑賞が優先されることは難しい。そこで独身の自分が気まぐれのようにして招待してみる、というイベント事に映れば、これはなんとかなるのではないか、と思った。単純に若い感性がみずみずしいうちに、本物の

暮れ行く日々

 先日美容院に行った。ここだけは年末らしい書き入れ時の様相を見せるなか、その日最高気温が…

秘すれば花
4か月前
8

くるみ割りと元上司

 1年のうちいくつか私的に恒例行事としていることがある。1つには、あえて意識して恒例化す…

秘すれば花
5か月前
7

英国ブランドづくめでフィニッシュ

 「今日は、その、やっぱり気温ですか?」と、いかにも熟練のミラノマダムのような販売員のご…

秘すれば花
7か月前
11

フィッツジェラルド探訪

 きまって入浴時、とりわけ頭にシャンプーの泡をもこもことたっぷり乗せて頭髪内に指を深く差…

秘すれば花
7か月前
5

I'm a legal alien.

 先週の土日、とても久しぶりに都心のホテルにこもって集中して仕事に取り組んだ。…と書くと…

秘すれば花
8か月前
8

丸の内で甲斐荘に出逢う

 去年も今年もだいぶ美術館に足を運べていないままに時が過ぎていく…。 けれどこれだけは。…

秘すれば花
9か月前
8

終わり方・終わらせ方

 どうしてそういうことになったのだろう。他人事ながらなんだかとても胸が傷んで、考えても仕方ないことに思いをめぐらせてしまう。  結局、本当の意味での他人事って存在しないのかもしれないな。みんなどっかおんなじ地球の上に生きているから、どっか小さい分子レベルで分け合って共存してるのかもしれない。わからないけど。 ◇◇◇  住んでる街のあるジャンルの飲食店が今月クローズするそうで、それ自体は昨今残念ながら増えているニュースではあるんだけど、口コミ掲示板を見たら店主の辞める理由を