見出し画像

【料理×理科】乳酸菌たっぷりの健康食「白菜のぬか漬け」

夫

ぼくの出身では、毎年冬になると白菜のぬか漬けを作ります。単純な浅漬けよりひとくせあっておいしく、日持ちもよくなります。

「ぬか漬け」も理科です。

最近、発酵食品を自宅で作ることが流行っています。(僕の周りだけ?)お漬物だけでなく、味噌や醤油までも自宅で作る友達が増えてきています。
ぬか漬けもその代表的な発酵食品なのですが、ぬか漬けは単なる乳酸発酵食品というわけではありません。乳酸菌だけではなく、酵母、細菌類が共生発酵して熟成するとても複雑で面白い食品です。


■ ぬか漬けに関して

ぬか漬けなどの乳酸発酵食品は良いことづくしです。

・ 長期保存が可能

なぜ腐らないのか?

乳酸発酵食品は乳酸菌が増えることによって、pH値が下がり酸っぱくなっていきます。このことによって、乳酸菌が住みやすく、その他の腐敗や食中毒の原因になる雑菌が住みにくい環境となっていきます。乳酸菌はそういう戦略で乳酸菌王国を作り上げ増えていきます。ぬか床1gに最大で10億個もの乳酸菌が含まれるともいわれています。この乳酸菌王国のおかげで、長期保存が可能となります。
お漬物だけでなくヨーグルトやチーズなども同じ原理の乳酸発酵食品です。

・ おいしい
ぬか漬けは乳酸菌の他にぬか漬け特有の酵母菌細菌類も増えてきます。単に酸っぱいだけではなく、かぐわしく、複雑なぬか漬けらしい味わいになります。ぬかに含まれるたんぱく質や糖分がこれらの菌類の働きでアミノ酸に変化しうまみも増します。とても奥深い食品です。

・ 栄養満点
アミノ酸が増えることで、うまみが増すだけでなく栄養価も上がります。しかも野菜を加熱しないのでビタミンCが残存しやすく、さらに菌がいろいろなビタミン類も生合成しますので、美容効果も満点です。また乳酸発酵した漬物を食べると、一部の乳酸菌が腸内に棲みついて善玉菌となって増殖し、腸内環境をよくしてくれます。ウチの妻はぬか漬けを食べるようになってからお通じが改善された!と喜んでいます。


それでは、冬になるとぼくの実家で作られている白菜のぬか漬けのレシピをまとめます。通常のぬか漬けは、ぬか床を作り、ぬか床に直接野菜を漬けます。しかし白菜は水分量が多いので、一度塩漬けをし、水分を抜いてからぬかに浸けます。また、白菜に糠がまとわりつくと洗いにくいので、ぬかをさらしにまいて挟み込むようにして漬けます。

■ 材料

・ 白菜 2玉(今回は6㎏)
・ 塩 白菜の3~4%(今回は200g)
・ 昆布 少々
・ 鷹の爪 数本
・ ぬか 500g~1kgくらい

画像1


1.白菜の準備

白菜を4等分に切り、1~2日、日陰で干し水分を飛ばします。
今回の白菜は大玉で6kg(2玉)もありました。

画像2


2.塩漬け

きれいに洗って消毒をした漬物樽に、漬物用の袋をセットします。
塩を白菜の葉と葉の間にすり込みながら、白菜を漬物袋の中に入れます。中ブタをし、漬物石をのせ、一週間ほど漬けます。今回は5.5㎏の漬物石をしました。


3.糠漬け

1週間ほど塩漬けをした白菜をボウルに取り出します。この時、表面に白いふわふわしたものが出ていた場合は、混ざらないように、事前にお玉等で取り除きます。暖かくなってくると、よく現れます。
※この白い物体は「産膜酵母」です。食べても無害ですが、アルコール臭を発生させるため、極力いないほうが良いです。空気と接するところに増えるため、表面に浮かび上がってきたものを取り除けば大丈夫です。

容器を一旦きれいに洗い、再度、漬物袋を漬物樽にセットします。
さらしに500gくらいの糠を包み、漬物袋の一番下に敷きます。
※糠をさらしに包むことで、白菜を取り出すときに楽になります。

画像4

その上に、塩漬けした白菜を絞らずに入れていきます。この時に、細かく刻んだ昆布、鷹の爪も入れていきます。
昆布はうまみが増し、鷹の爪は腐敗を防止します。

画像4

全部入れきったら、残りの糠をさらしに包んで載せ、蓋をします。

画像5

中ブタをし、漬物石を入れて、漬物袋のふたをします。
欲張って蓋が閉じなくなりましたが、1日~2日すると水分がさらに出て、かさが減り、蓋ができるようになります。

画像6

10日くらい漬けたら完成です。流水でしっかり洗い、硬く絞ります。一口サイズに切ってお皿に盛ります。この時、良く絞らないと味がしょっぱくなりますのでご注意ください。

私の実家では、七味唐辛子をたっぷりかけ、お醤油を少したらして食べます。我が家の冬の名物詞です。


■ 最後に

今回使用したものは下記の通りです。ご参考までに






フッター

「おかんパパとばりきゃりよめ」のプロフィール




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?