「説明できないこと」って本質じゃない?

『ダンス・ダンス・ダンス』
村上春樹

上下巻一気に読みました!村上春樹の作品の中でも特に好きな「羊を巡る冒険」の続編ということで、ずっと読もう!とは思っていたの。ついに読み終えてすっきり。

物語を通して、たくさんのバンドや、お酒や、料理が出てきた。
上巻はまさに90年台のカルチャーにかんする教科書みたいになってる。
コメディ要素もとても強くて、のちの作品を先に読んでしまっている私は「すごい若い頃に書いたんだろうな、この本」って思った。
なんだろう、コメディ要素というか、ちょけてんな!という感じ?

下巻に入ってからは、驚くべき速度で人が死んでいくのが面白いところ。
ストーリーの発展が、それまでの2倍速3倍速みたいに感じた。

そして、同じ言葉の繰り返しも多かった!
「カッコウ」「文化的雪かき」「ピニャコラーダ」「調教されたレタス」
などなど。

今作で一番好きなシーンは、主人公が、別次元のいるかホテルに行った時。
すごく恐ろしい状況に置かれているにもかかわらず、羊男(かもまだわからなかった存在)を受けいれ、彼が出てくるのをそっと待っている場面。
ここは、読んでるうちになぜか泣きたくなった。
羊を巡る冒険でも、ネズミが死ぬシーンと羊男が出てくるシーンは大泣きしたな〜とか思い出した。

こんな風に、理由もわからず出てくる涙ほど本質的なものってないよね。
やっぱり村上春樹は私にとって必要なものだ。

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