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標高3000Mからseason2~Vol.8【S】

2年目の北岳に感謝を込めて。
今シーズンの北岳山荘の営業は11月4日をもちまして終了致しました。
尚、現在は冬季小屋を開放しております。

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2019の目的

大型の台風が去ってから冷え込んだな、といった感じはありますが夏、秋、冬が今年もイマイチ分からなかった気がしますね。

そして、自分自身の最終下山からもうすぐ3ヶ月が経とうとしています。

予定が決まってからうきうきして、当日の学校なんて授業どころじゃなくて。
でもいざとなるとすぐおいとまの時間。
友達の家で遊ぶのが大好きだった小学生の頃を思い出す、そんな時間の流れる速さです。
(みんな遠方から通っていたので、1回1回がとても貴重だったんです。)


さて、標高3000Mからseason2~Vol.1でも少し書いていますが、今シーズンも山小屋で働いた目的を今一度振り返ってみようと思います。

『起業し創りたいものがヤマゴヤに近い(雰囲気が)』
『昨年の勤務による様々な経験が自分の考えや生き方に影響を与えてくれた』
『昨年は初めての経験だらけで見えてこなかったものが2年目を迎えることで見ることが出来るかもしれない』

といったことから、2年目を迎えました。

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2年目

二年目とは言えど全く同じ日など存在することはもちろん無く、初めての経験も多くありました。
昨年は事故や救助が少なかった分標高3000Mからseason2~Vol.6【僕のこと、知ってる?①】にも書いているような大きな死亡事故から、さまざまな救助案件は自分の人生において大きな新たな価値観と考え方を齎しました。
山小屋スタッフらしさといった観点で話すとするならば「小屋開け作業」は人生で初めてでしたし、その分「凍結、雪渓が多くあるなかでのアイゼン・ピッケルを装備着用使用した登山」といったものも初めてでした。

個人的には「人生で初めてヘリコプターに乗れたこと(小屋開け時のヘリ入山)」は欣喜雀躍するものでした。


通常の山小屋運営業務に関しては1年目の経験があったので余裕をもって取り組めたと思います。

しかし慣れすぎるとお客様にとっては一生で一度に近いかけがえのない「初めての体験」であるということが忘れがちになってしまう自分がいます。

そこは、前々から自分の課題であるとは薄々気づいてはいましたが、人との関わりを大切に生きていきたいと考えているものとしては徹底してやっていかなければいけないものだと思いました。


お客様だけでなく、日常生活で出会った方に対しても同様なことが言えると思います。

自分の強みは、誰に対してもフレンドリーに積極的にいけるところではありますが、礼儀を忘れがちになって馴れ馴れしくなること、与えられている現状が当然のように考えてしまうことは別の話。

Instagram(23日に誤って消してしまったために該当投稿はなく、今は違うアカウントになっています)に「しつこさが足りない」について書きましたが、「しつこさ」と「無礼」もまた別の話。

そこを意識しながら、周りの方の支えに感謝し積極的にもっと活動できるよう頑張ろうと思います。


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3年目に向けて

結論から言うと、「山で働きたい」そう思っています。
(※何故、どういった経緯で山と携わっているかは、標高3000Mからseason2~Vol.7【僕のこと、知ってる?②】を見てください。)


2020年の目的は、「君に会いに来たよ」と言われること。


これは、自分の今後のために必ず必要なこと。
そして何より、今年出会った山小屋スタッフに毎月のように友達が来ていて「凄いな」「悔しいな」と思ったから。

初心者の友達を安易に誘ったりは絶対にできませんし、しません。
ただし、関わった人に「あいつがそんなに行くところってどんな魅力があるんだろう」と引き付けられる人間になりたい。

僕が、一番最初に大学に行くのも辞めて、突然標高3000Mに飛んだきっかけになったように。
誰かの、きっかけになれたらいいな。




話しかけてくれた方、一緒にごはん食べた方、去年黒板に書いた絵を写真とってくれた方、バッジを買っていってくれた方、100円玉の協力をしてくれた方、自炊場を協力して使ってくれた方、下山してからSNSで褒めてくれた方、お食事の際のご案内時に拍手してくれた方、リアクションしてくれた方、写真とってくれた方、目を見て話を聞いてくれる方、寒い中着いたにも関わらず受け付け用紙を記入してくれた方、混雑で案内を待たせてしまってもお疲れにも関わらずこちらに笑顔を分けてくれた方、そして「髪の毛枯れ草みたいだな」と言ってくれた周平さん。小屋、テン場、通過で利用された多くの方々。一緒に働けたスタッフの方。お会いできたあなた。

出会ってくださった沢山の方々、本当に本当にありがとうございました。

またお会いしましょう。

是非、景色に小屋に会いにまた来てください。

そしてちょこっとだけ「僕」にもまた会いに来てください笑

では。

カンボジアに学校を建てたり、愛で地球を救ったりはしませんが、貴方を見たことのない世界にちょっとだけ連れていけます。