手塚治虫 1989年2月9日(60歳没)
2024年は、とうとう自分も還暦だなあと思っていて、そう言えばと気づいて手塚先生の没年齢を調べたら果たして60歳でした。中高生の頃から私にとって創作の神様だった手塚治虫が亡くなった同じ歳になります。もちろん私は今も何の努力も成果も出していませんが、手塚治虫「マンガの描き方」は、少年時代から45年経った今もバイブルです。
手塚先生はこの本の中で「マンガは映画だ」とおっしゃっています。当時はなるほどなあと思うくらいでしたが、大人になって映画好きを自称し始めたら、本当にその意味を良く理解できました。
曰く、マンガには「シノプシス(あらすじ)」「シナリオ(脚本)」「絵コンテ」「カメラワーク」「演技」「演出」などが必要である。漫画家は脚本家であり、俳優であり、カメラマンであり、監督でもあるということです。これを読んで理解したのは14~15歳の頃。
本書にはあらゆる創作活動へのヒントが隠されています。この中に足りないものは、創作活動をする本人のヤル気と才能、センスだけです。クリエイティブなことを本気でやりたいと思っている人は一度読んでください。これを読んでも何もできない人は、ヤル気と才能、センスがないのです。あるいはまだ刻が満ちていないか…
私はこの本で「起承転結」、「演繹法」と「帰納法」というアイデアとストーリーの考え方を知りました。
私は何者にもなれなかったけれど、未だに何かをやりたいと想い続けています。でもセンスと才能が無い事はとっくに分かっていて、さらに性格は努力家じゃないから、ほとんど無理なんですけどねえ(笑)。
マンガを描く道具に関しての部分は古いかも知れません。今現在は逆に揃えにくい気がします。最初からデジタルで描く人も多いだろうと思うので、そこは読まずに飛ばしても問題ないでしょう。
描く道具なんて、極端なことを言えば紙と鉛筆があれば良いのです。あるいは自分が最も描きやすいマーカーやサインペン、ボールペンだって構わないし、ノートの端やチラシの裏、ダンボールに描いたって問題はありません。大事なことは道具や材料ではなく、描く内容と描きたいと欲する心です。この本で語られているのはそういうことです。
<(ↀωↀ)> May the Force be with you.