女性を描くということ
ちょっと気になった記事があったので、それを題材に一本書かせていただく。
「ちはやふる」という漫画がある。テレビアニメにもなったし、広瀬すず主演で映画化もされたのでご存知の方も多いと思う。その作者である末次由紀のインタビューがネット記事として掲載されていたので読んでみたのだが、大変興味深いことを語っていた。
話としては「ちはやふる」が生理用品の広告に採用されて、そのことをインタビュワーから問われたことへの返答である。
女性って生理によってかなり左右されますよね。競技かるたは男女ともに同じ試合をしますが、きっと生理痛がひどい人は「コンディションが合わなくて悔しい」と思うこともあったと思うんです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/53844bf1d646d1d53e227c1f52095ef82695f100
私は男性である。だから生理がどのようにメンタルを左右するかは理解出来ないところがある。もちろん個人差もかなり激しいと思うが、どちらにせよはっきりしたことは言えない。いや、それよりも「男性が女性の生理現象について何か意見を述べる」のがそもそも無理なのではないかと思うのだ。
たとえばフィクションの中でこんな会話があったとしよう。
「何で別れちゃったの!?あんなに仲良かったのに」
「何でって・・・別にたいした理由はないんだけど」
「喧嘩して?」
「その喧嘩の理由もおぼえてないくらいたいしたことなくて・・・。とにかくブチ切れちゃってさ」
「何がそんなにブチ切れることがあるのよ」
「たぶん・・・生理中だったからかな」
「ああ、それはしょうがないね」
もしかしたら女性にとっては「あるある」なのかもしれない。これとて想像の域を越えないわけだが、私の過去を振り返っても似たようなことは何度かあったから、そう間違いではない気はする。
もし、こんなフィクションを「女性作者が」描いたら、さすが女性は女性のことがよくわかってると絶賛されるかもしれない。しかしこれを描いたのが男性作者だとするなら、どうだろう。
これからさらにコワいことを書く。
どうも、私から見るに、女性の方が「理屈を超えた感情」が大きいような気がする。と書くと「女性=理性的ではない」というふうに捉えられるかもしれないのだが、そもそも私の考えとして、時に理性や理屈よりも感情の方が大切な場面があると思っている。
それにしても、である。さすがに男性からすれば「これはいくらなんでも理屈に合わなさすぎる」みたいな行動を女性は取るな、と思うことが多いのだが、これもすべて、生理現象のせい、だとすれば、わりと納得できるのである。
「お前、今日は何か、怒りっぽいよな。生理中だろ?」
職場で男性上司が女性部下にこんなことをいえば、もう一発アウトである。いや一発アウトのご時世というべきか。
しかし、よくよく考えれば、男性上司側からすれば「理不尽にイライラしてるのが生理現象ならばしかたがない」と存外に言っているのだ。つまりこの発言を拒絶したり、セクハラだと騒ぐならば、生理中であろうがイライラしたり怒りっぽくなるのを止めなきゃいけなくなる。
これはどう考えても損をするのは女性側ではないか。
逆にここで開き直って
「そうです。だから我慢してください」
と言われたら男性上司は何も言えなくなる。つまり女性側は生理現象を無理に抑え込まなくてもよくなり、もっと楽になれるのではないかと。
あくまで私個人の見解だが、権利や立場を主張するのは結構だが、最終的に得をするか損をするかをもっと考えた方がいいと思う。ま、そこが「理屈よりも感情」だと言われたら、私も何も言えなくなる。
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