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自然和合エニアグラム 心を癒し、あなたを成長させる古代心理学 #1──性格タイプを知るための25の質問


世界の古代心理学と「秘伝」エニアグラム


心理学というと、近現代の学問であり、欧米が発祥だと考える人が多いかもしれない。
しかし、これは誤解だ。
人間は古代から「心」というものについて探究しており、そこに一定の理や法則があることを知っていた。一部の賢者や学術者は、現代人の常識を遥かに超えるような深い叡智を身につけていた。
 
東洋では紀元前に孔子が儒学を創始し、二千年以上前から仁義礼智信という言葉や概念、感覚が定着していた。
こうした古代の東洋思想は、現代においては「心理学」に分類されてこなかった。それは東洋の学術が、人間学や自然科学など様々なものを含む「総合的な学問」であったためだ。
しかし、例えば「仁」というのは、明らかに人の心や人格を表わした語である。
古代の東洋には、老子や荘子など、より自然な「無為の境地」を説いた賢人もいた。
 
同じように、非常に長い歴史をもつのが、イスラム圏で伝承されてきた「エニアグラム」という古代の学術だ。
エニアグラムは「9の図」を意味する。

現代では、エニアグラムは9つの性格タイプを示す心理学として知られている。
ただ、このエニアグラムも、もともとは多くの分野に活用される総合学であった。
 
『9つの性格』(PHP) 鈴木秀子著によると───。
 
エニアグラムの発祥についての詳細は定かではないが、およそ二千年前のアフガニスタン地方で、その体系が築かれたとされる。
紀元七世紀にイスラム教が生まれ、アラビア半島からアジアに教勢を拡大し、八世紀には北東インドにまで勢力を伸ばした。ここでイスラム教は、エニアグラムと遭遇することとなる。その後、エニアグラムは、イスラム教に受け容れられ、徐々にイスラム世界全域に浸透していった。(中略)
 
エニアグラムは、門外不出の”秘伝”とされ、霊的指導者から、二人の優れた弟子に代々口伝された。ただし実際にエニアグラムを使うことは、そのうちの一人である次代の指導者にしか許されず、もう一人は、指導者の不慮の死に備えるための存在で、実際にエニアグラムを活用することは許されなかった。
さらにその他のリーダーたちには、エニアグラムの全容が明かされることはなく、各人のタイプに関する知恵だけが授けられ、タイプごとの適切な能力開発が実践されたという。
 
                                                                                            ───引用は以上。
 
このように、エニアグラムは約二千年もの間、秘伝の学術として継承されてきた。
そんなエニアグラムを西欧社会に伝えたのは、神秘家のゲオルディ・イワノヴィッチ・グルジェフである。グルジェフはコーカサス地方の出身で、エニアグラムを学び修めたものの、その後、ロシア革命の混乱により故郷へは戻れず、フランスへ移住したという。
 
パリなどの西欧で密かに学ばれ始めたエニアグラム。この秘密の知恵を、現代になってアメリカが研究し、心理学として広めた。
そのインパクトは大きく、日本でも取り入れて学ぶ動きが盛んになった。
 
エニアグラムによると、すべての人間は、性格によって9つのタイプに分けられる。その性格の型は、生まれてからずっと変わらない。
この型を知れば、自分の行動や発想の癖が分かり、心の動きの傾向がつかめる。
 
エニアグラムは上記の通り、円形の図になっており、1~9の各数字は線で結ばれている。つまり、単純に人の性格を9つに分類するだけでなく、それらが深く関連し合っていることを示しているのだ。
すべてはこの図に表現されており、しかも、この図だけを見ても何も分からない。
これが恐るべき秘伝なのである。
 
ここで、エニアグラムの9つの性格の型を記しておこう。

自然和合エニアグラムの基本  9つの性格タイプ

1型~9型の名前を見ただけで、このタイプ分けが非常に興味深く、絶妙なことに気づくだろう。
似た性格というものは一つもなく、重複感がない。真逆の性格というものもない。
 
しかも、「ああ、言われてみれば、身近にこういう人がいるなぁ」と感じたり、「これはまさに、僕の私の性格だ!」と、思う人もいるだろう。
とてもリアルで、精緻な性格分類なのだ。
 
それでは、早速、あなたがどの型の性格か、ということを探っていこう。
タイプチェックのための質問を、以下に25個ずつご用意した。

あなたの性格タイプは? ───性格をチェックし、9つのタイプを知るための25の質問

以下の質問にYESかNOで答えて下さい。
はじめはあまり考え過ぎず、素直な気持ちや直感で決めることをお勧めします。
そして、YESの数を記録します。
紙に「正」の字を書くなどすると、数が数えやすくなると思います。

【1】勤勉・完璧志向型

1、いつも漠然と、正しさや完全さを追求している。
2、生真面目な優等生タイプである。
3、基本的には元気で、意欲があり、感情表現なども豊かなほうだと思う。
4、仕事などで細かいことに気づき、改善すべき点を見つけるのが得意だ。
5、いつも努力をしていて、時にはストイックなほど頑張るが、自分が完璧でないことを思い知らされて、落ち込むこともある。
6、服装や持ち物は、一般ウケするようなものか、小綺麗なもの、地味なものを身につけていることが多い。
7、与えられた仕事をこなしたり、面倒なことでも最後までやり遂げるのが得意である。
8、人とケンカはしたくないが、無意識のうちに張り合ってしまうことがある。
9、頑張る人や勤勉な人を見ていると気持ちがよくなり、逆に、手抜きをしている人や、間違ったことをしている人、いい加減な人などを見ると、腹が立つ。
10、いつも「正しくあろう」とするので、少し堅苦しく、面白みのない人間かもしれない。
11、自分のことも他の人のことも、よく心の中で裁いてしまい、時には他の人の悪い点を表立って指摘する。
12、自分では正しいことを主張しているつもりなのに、他の人からそれは偏見だ、と言われることがある。
13、「元気だね」とか「偉いね」と言われるのが好きだ。
14、何でもきちんとしていないと気が済まないところがあり、よくイライラする。
15、しばしば強い嫉妬心に悩まされる。
16、人から評価されたい、認められたいと強く願っているのに、いざ褒められたりすると、まだ自分は完璧ではないから、と思い、素直に喜べないときがある。
17、毎日、たくさんの仕事や趣味をこなしたほうが、充実感があっていい。
18、整理整頓や事務処理などがしっかりでき、家の中や職場環境がキレイだと、落ち着く。
19、怒りを抱えていても、みだりに表に出すのはよくないと思っているため、普通にふるまったりする。
20、時々、疲れて、すべきことを投げ出したり、急速に関心や意欲を失ったりする。
21、自分が正しいと信じたら、なかなか譲らず、言い争いになることがある。
22、良い習慣やルーティーンなどを大切にしている。
23、優越感を感じることが好きで、できれば自分が一番になりたいと思っている。
24、悪人は、許してはいけないという考えであり、自分は日々、正しいことを積み重ねながら、社会を良くしていきたいと思う。
25、なかなか完璧な人間にはなれないが、向上心をもって努力を続けていきたい。

【2】愛情・奉仕型

1、愛想がよいほうで、親しみやすいとか、優しいとか、話しやすいと、よく言われる。
2、独りでいるより、誰かといて温かみを感じたい。
3、人から頼りにされるとパワーが出るが、いつも人助けに忙しく、気づいたら疲れている、という時もある。
4、よく人を褒め、人が喜ぶようなことを言ったり、したりする。
5、自己犠牲の精神があり、「私は大丈夫」「私のことはいい」などと、よく言う。
6、服装や持ち物は、親しみやすいもの、優しい色合いのもの、可愛いものなどを好む。
7、人に認められたり、役に立ったと言われたい。
8、空気が読め、他の人のニーズや気持ちがよく分かるほうだ。
9、人の必要を満たすのは得意だが、自分自身のことは、「何を欲しているのか」「どんな人間なのか」「何をしたいのか」などがよく分からないので、あまり深く考えず、他の人のことばかり思っている。
10、寂しいときや誰かに構って欲しいとき、「何か私にできることはありませんか?」というように声をかけることが多い。
11、人に嫌われたり、「必要のない人」と思われるのが怖い。
12、誰かが、自分の力や影響で成長すると、喜びや生きがいを感じる。
13、接する人によって態度を変える、カメレオンのような性質があり、誰とでもだいたい合わせられる。一方、どんな状況でも揺るがない、統一された自己像というものは描きづらい。
14、人をよく褒めるが、周りはそこまで自分を褒めてはくれないし、評価もしてくれないと感じる。
15、自分のことばかり考えている人や、冷たい態度の人などを見ると、悲しくなり、理解できないと思う。
16、人によく贈り物をするし、自分がプレゼントなどをもらうのも好きだ。
17、地位や名誉を与えられるより、心から感謝されるほうが嬉しい。
18、常に大事な人のそばにいるが、それは、相手を操縦し、自分から離れていかないように支配しているのかもしれない。
19、世話好きで、おせっかいと言われることがある。
20、自分は人に尽くしたいだけで、特に何も望んでいないと思っているが、感謝されたり、恩返しをされたりしないと、怒りが湧いてきて、どうしてよいか分からなくなる。
21、人の気分を害するような言動や、迷惑行為などを目にすると、とても腹が立つ。
22、自分から人に甘えたり、素直に欲求を伝えるのが得意なわけではない。が、いつも相手に尽くしていれば、きっと愛され、大事にされるだろう。
23、人間は結局、感情の生き物だから、心をつかむことが第一であり、人を思い通りに動かしたいと考えるなら、偉そうに上から命令するより、優しく手助けをして、まずは相手に好かれることが肝心だと思う。
24、愛を感じ、情愛豊かな人生を歩みたい。
25、身近な誰かにとって、かけがえのない人間でありたいと願っている。そのために、心をこめて努力していくつもりだ。

【3】能率・成功志向型

1、成功体験や達成感、競争に勝ったという満足感などを常に求めている。
2、目標を定めて人を引っ張っていくことが得意であり、人や組織をうまく動かしたいと思っている。
3、積極的で、人の前に出たり、敵と戦ったりする勇気がある。
4、自分は頭がよく有能であると考えており、実行力も伴っているので、それにふさわしい社会的な地位や収入などを得たいと思う。
5、あなたは有能だ、裕福だ、幸せそうだ、などといって、羨望の眼差しで見られたい。
6、仕事でもプライベートでも成功者でありたいと思っている。服装や持ち物などすべてにおいて高級感を演出し、自分の力や価値を示すことにしている。
7、数字など目に見える形で結果を表し、評価されたい。過去を振り返るときも、実績や自慢できる点を見たほうがいいと思う。
8、仕事も家事も、何事も効率が第一で、無駄な時間が続くのは嫌いだ。
9、仕事が好きで、いつも熱心に勉強や情報収集を行ない、人間関係やコネなども重視している。
10、世の中には無能な人が多くて腹が立つ。そもそも、何かを成し遂げようという強い気持ちもなく、努力を怠る人が多くて困る。
11、よく勉強をし、いつも頭を使って働いているが、思うほど人からリスペクトはされず、考えが浅い、などと言われることがある。
12、自分では気づかないうちにストレスがたまっていて、急にブチキレてしまうことがある。
13、義理を重んじたり、筋を通すことより、目的のためにその場その場でベストと思う言動を選ぶ。
14、よく働き、結果も出して、上の人には基本的に気に入られるタイプだと思う。
15、だいたいメリット、デメリットでものを考える。利益を求めるのは当然で、他人を利用するのも、利用されるのも好きだ。
16、失敗して責められたり、能力がないと思われることには耐えられない。だから、成功するよう必死で頑張り、万一、悪い結果が出たときには自分に災いが及ばないよう、うまく立ち回る。
17、活動的で、バイタリティーがあると言われる。
18、仕事に邁進し過ぎて、よく生活が乱れたり、プライベートを犠牲にしてしまったりして、不健康、不健全な状態に陥るが、それでも、成功していればあまり気にならない。
19、ライバルや対立する相手などに対し、競争心をむき出しにしてしまい、スタンドプレーに走ったり、攻撃したりして足を引っ張ることがある。
20、時には、嫌な相手と取り引きをしたり、妥協したりすることも必要だ。
21、結婚相手などパートナーには経済力や学歴等、水準の高さを求める。美的な面でも明確な魅力を求めることが多く、自分もそうした相手の願いに応えようとする。
22、時々疲れ果て、目標も見失って、何もできなくなり、ぼんやりと過ごしてしまう。
23、モチベーションを大事にしており、人の意欲を引き出す方法を常に考え、自ら組織などのエンジン役を務めている。
24、プラス思考が大事だと思う。失敗やあやまちを気にして、いつも反省ばかりしていると、前へ進めないし、パワーも湧いてこない。
25、細く長くというよりは、太く短くという生き方が好きだ。世にインパクトを与えたり、「できる人」と認められたりして、誰かの記憶に残る人間になりたい。

【4】個性・芸術型

1、非凡だとか、ユニークな存在だと言われると、嬉しい。
2、音楽や絵画、詩、物語などの美しい芸術は必要不可欠なものだ。できれば、自らが素晴らしい傑作を生み出す芸術家でありたい。
3、趣味でも服装でも言葉選びでも、洗練された、品の良いものにこだわる。
4、感受性が鋭く、ささいなことでも感動したり、傷ついたりする。自意識過剰と言われることもある。
5、物事や人間の本質に迫りたいと思っている。何事も深く掘り下げるタイプで、悪くいえば暗い性格だ。
6、ドラマや映画、物語などの登場人物に同化し過ぎることがある。
7、うまく説明できないが、感性やセンスといったものは、とても大事だと思う。
8、他の人は自分にないものを持っていると感じ、しばしば嫉妬してしまう。
9、何か特別なことをしないと、自分は他人より劣っているし、認められることはない、というような漠然とした自己否定感が、心の奥にある。
10、楽しむことは必ずしも得意ではないが、人から面白いといわれることがある。
11、浅い思考や表面的な人づき合いだけでは物足りず、虚しくなるが、他の人は自分ほど、そういうことには頓着しないようだ。
12、過去の記憶は感情的なものが多く、悲しいことや、嫌だったことをよく思い出す。
13、自分の内面を本当に理解してくれる人など、いないと思う。
14、自分なりのアイディアや創造力には自信があり、クリエイティブなことには時間を忘れて集中できる。一方、感動のない日々や、事務的な作業、機械的な仕事などの連続は耐え難い。
15、自分のことを悲劇の主人公のように感じることがあり、同情を求めてしまったり、逆に心を閉ざして、独りでひきこもってしまうことがある。
16、勇気や自信に満ち溢れた人間とは思わないが、人に美や感動を届けるためならば、目立つことを恐れない。
17、死や悲しい出来事について考えることがけっこうあり、心が深く沈む。
18、傷ついた人や、弱っている人の気持ちはよく分かるので、我がことのように悲しみ、心が癒えるまで共に歩もうとする。
19、素直に自分の感情を表現すると、大げさだとか、芝居がかっていると言われ、深く傷つく。
20、表面的には成功していても、鬱々とすることがある。
21、基本的に人間は皆、平等、対等だと思っているので、年齢や社会的な地位などに関係なく、つき合いを深めることができる。目下の人とも友達のように親しくなれる一方、上の人からは「生意気」などと言われることもある。
22、感情の浮き沈みが激しいほうで、落ち込むと辛いが、心が動かない無感覚な状態が続くのも苦手だ。
23、現実から離れて、夢みるようなところがある。
24、自分には常に何かが足りないと思っており、満足ができず、本当の自分の人生はこれから始まる、というような感覚がある。
25、自分の感性や繊細さ、有り余る感情などを、何か特別な方法で表現したい。

【5】観察・頭脳型

1、いつも何かを考えており、知的な能力や観察眼、分析力などには自信がある。
2、人の輪に積極的に参加するより、少し離れて見ているタイプだ。
3、研究者や学者のようなキャラクターで、「先生」とか「〇〇博士」などというあだ名で呼ばれたことがある。
4、消極的だと思われたり、声が小さいと言われることがある。
5、何でも自分で実行せず、やる気のありそうな人に任せることが多い。
6、自分は人のことをよく観察しているが、自分が人からどう見られているかについては、無頓着かもしれない。
7、欲がないとも言われるし、ケチだとも言われる。
8、予め総合的に情報を得て、他人の行動などもよく観察してから、動く。
9、失敗したり、判断を誤ったりすると、自分のことをバカだな、と思って後悔する。
10、自分では、そのようなつもりはないが、冷淡だとか、横柄だと言われることがある。
11、人に頼みごとをしたり、苦情を言ったりすることは、控えることが多い。
12、日頃から知識を集め、頭の中にはたくさんの思考があるのに、考えがまとまらず、とっさに意見が言えない時がある。
13、深く興味があるものや、人にだけ、時間とお金を使いたい。
14、自制心や理性は大切だ。感情にのまれても、事がややこしくなるだけで、何も解決しないと思う。
15、独りでじっくりものを考えたり、興味のあることを調べたりする時間が必要だ。
16、自分は皮肉屋の面があると思う。
17、孤独は恐れないほうだ。しかし、愚かな人と思われたり、バカと言われることは怖い。
18、ストレスが強過ぎて、ひどい状況に陥ると、逆に笑ってしまうことがある。
19、豊富な知恵や知識をもっていても、ひけらかしたくはないので、自分からはあまり発表しない。ただ、人にきかれれば、知っていることは親切に教える。
20、鋭い眼を養い、美しい芸術、芸能などを深く味わいたい。
21、自分の「考え」を述べるのは得意だが、何気ない会話をしたり、自分の感情や感覚的な部分を表現したりするのは苦手だ。
22、客観的過ぎて、傍観者と言われることがある。たまに、ぼそりと発言する内容が鋭過ぎて怖い、などと言われることもある。
23、人と仲良くしたくないわけではないが、自分からわざわざ人を誘ったりすることは、あまりない。
24、人の心理には深い興味があり、それなりの感受性もあると思う。
25、自分の知識や考えが人の役に立ったり、社会を良くするために活かされると嬉しい。

【6】律義・安全志向型

1、「石橋を叩いて渡る」性格で、安定した組織や安心感のある家庭などに属しているのが心地よい。
2、上司や指導者、保護者などには、基本的に従順である。
3、「中庸」という言葉が好きで、あまり極端な方向へは走らない。
4、周囲からどう思われているかが気になり、変わった人と見られたり、仲間はずれにされるのが怖い。
5、天気予報が気になるほうで、防災意識なども高い。
6、自信があるのに、必要以上に謙遜してしまうことがある。
7、危険を察知したり、疑わしい話を見抜いたりするのが得意で、常に最悪の事態を想定し、楽観的になり過ぎないよう注意している。
8、信じた人や、誇りのもてるチームのためなら、利害は関係なく忠実に尽くす。
9、優柔不断だと言われるが、それは慎重に物事を見て、熟慮しているからだ。
10、ルールをよく守り、真面目で律義と言われる。
11、何も考えずにすぐ行動する人がいるが、自分はそんな向こう見ずな性格ではなく、いつも慎重だ。
12、自分が頭で考えているほど恐ろしい災いや危ないことは、意外と起きない。
13、道徳心は強いほうだと思うが、怖い人から命令されると、悪いことでもなかなか断れない。
14、自由奔放に生きるより、着実に義務や責任を果たすのが性に合っている。
15、軽はずみなことや無責任なことは、言わないほうだ。
16、礼儀作法や上下関係などは大切だと思っており、お堅い、とか、硬派などと言われる。
17、同情心が強く、仲間と共感し合ったり、困った時には支え合ったりしている。
18、高い地位やトップの座に昇ることを想像はするが、現実的には、ボスの忠実な右腕か、部下の一人くらいが、自分の役回りのような気がする。
19、怪しい権力に対しては、疑いの気持ちや反発心などがある。
20、一時的に人気や注目を集めている人には懐疑的で、長い年月、続いてきた揺るぎない伝統や信用などを重んじる。
21、不安な要素、感覚などがあれば、きちんと確かめて安全をはかる。
22、自分の役割、義務、責任の範囲などがはっきりしていると、落ち着く。人生設計などについても、先が見えるほうがいい。
23、時々、思わぬ大胆なことをして周囲を驚かせる。
24、歴史が好きで、皆ももっと学ぶべきだと考えている。
25、安定した日々を送りながら、家族や仲間と助け合い、危ないことや間違ったことがあれば教えてあげられるような人間でありたい。

【7】楽観・万能型

1、楽しいこと、面白いことなどをいつも探し、そのための計画を考えている。
2、「何とかなる」とか「悩んでもしかたがない」などと、よく言う。
3、人に対して深読みせず、たいていは好意的に接することができる。
4、気さくで若々しく、陽気な人でありたい。
5、たまに落ち込んだり、ひどく心配したりするが、立ち直りは早いほうだ。
6、ノリが軽いとか、子供っぽいと言われることがある。
7、独りで黙々と何かをするより、恋人や友人、仕事仲間などと過ごすほうが好きだ。
8、よく笑ったり、怒ったりするが、頭の中では意外とよくものを考えており、感情的な人間というわけではない。
9、緊張して自分の実力が発揮できない、というようなことはめったにない。
10、視野が広く、行動範囲や趣味の領域も広い万能型の人間だ。ただ、興味にまかせて計画を立て過ぎ、実行されないものも多い。
11、パーティーやイベントなどが好きで、全体を仕切ったり、盛り上げ役になったりする。
12、明るい話題やユーモアが好きだ。無愛想な人や、つまらない人は嫌いである。
13、時々、妙にストイックになって自分を追い込み、他人の間違いやルーズさも許せなくなることがある。
14、スポーツなどで仲間たちとチームを組み、戦うとなると、燃える。
15、恋愛と仕事の両立などで悩むことはない。たくさんのことを同時にこなしたほうが、楽しいし、かえって能率が上がる。
16、暗い出来事、辛いこと、悲しいことなどは、できる限りすぐに忘れる。
17、ボランティア精神があるとか、頑張り屋だとか言われるが、楽しくてやっているだけだ。
18、細かいことや他人の目などはあまり気にならない。
19、過去は幸せな思い出でいっぱいだし、未来も基本的には明るいと思う。
20、苦手なことはあまりなく、あっても特に意識はしない。負の感情や思考をくよくよと引きずるより、新しい計画を立て、人生を楽しむことのほうが大切だ。
21、その場を明るくいい雰囲気にして、人が喜ぶのを見るのが嬉しい。
22、ひとつのことに集中し、長年、コツコツと地道にやり続けて道を極める、といった生き方は、自分にはできないと思う。
23、服装や自分の雰囲気などは、明るく、綺麗に、上等に保ちたいと考えており、いつも素敵な自分でいたい。
24、視野が狭い人や、必要以上に緊張したり身構えたりする人がいるが、もっと明るく、目や心を開き、自信をもって生きるべきだと思う。
25、世間や他の人が何と言おうが、私は自分が幸せだと思っている。

【8】強力・親分型

1、パワーを重視しており、あれこれ考えるより、本能的に行動し、自己主張するタイプだ。
2、体力や気力がみなぎっていて、存在感があるとか、タフだ、などと言われる。
3、戦うべき敵や、あばくべき悪事などがあると、力が湧く。
4、強く、貫禄のある人物として一目置かれたい。
5、チームや組織などで活動するのは好きだが、人の輪の中に大人しく溶け込むのは苦手だ。
6、プライドが高く、他人に弱みは見せたくない。
7、怒ると乱暴なことを言ったり、したりするから、よくケンカになる。
8、自分の中にある優しさや、柔らかさ、繊細さなどを表現することは苦手だ。
9、同情されたり、他人から要らぬ世話をやかれたりするのはごめんだと思う。
10、正義感が強く、悪い人間は自分が懲らしめてやる、と思っている。
11、大事な人は全力で守ったり、助けたりする。が、意にそわない者は敵と見なし、冷たく扱ったり、自分の縄張りから追い出したりする。
12、飾らない性格で、ある意味、人に親しまれる。
13、何も考えずに行動しているようで、意外と頭がいいんだね、と言われることがある。「知は力なり」だから、もちろん、日頃からよく戦略は練っている。
14、人からおごられるより、おごるほうが好きだ。
15、声が大きいとか、怖い、などとよく言われる。
16、人を教育するのが好きで、向いているとも感じる。一方、他人から指摘されて自分の欠点や間違いを直すのは苦痛だ。
17、正直な性格で、偽善や綺麗事は嫌いである。
18、組織やグルーブなどで、実質、誰が親分なのか、上下の力関係がどうなのか、といったことを鋭く見て取る力がある。
19、不満なことや問題などがあれば、放置したり、当たり障りのない対応はせず、はっきりと指摘する。
20、内向的な性格ではないと思う。自己反省をしたり、自己分析をしたりすることは、あまりない。
21、傲慢だと言われることがある。
22、他人の弱点はすぐに見抜く。自分と敵対するようなら、そこを狙って容赦なく攻撃する。
23、厳しいルールで皆を管理したり、支配するのが得意だが、自分はあまりルールに従いたくはない。
24、元気は充分にあるが、自分のパワーの暴走を止めるのに苦労する。
25、敵が現れた時や有事の際には、自分が力を発揮し、家族や仲間、特に子どもや部下や弟子などを守りたい。

【9】安穏・調和型

1、基本的に穏やかで、のんびり、おっとりとした平和主義者だ。
2、ゴロゴロしたり、ぼんやりと何もしていないときが最も幸せである。
3、心がいつも平静で、イライラすることはめったにない。
4、自分の持ち味は、いつも安定していて公平なことであり、人や世の中に対して妙な偏見をもったり、悪巧みをしたりしないことだ。
5、賛成、反対などに分かれて激しく争っている人達もいるが、自分から見れば、どちらもそれほど間違っているという感覚はない。
6、ぼんやりとしていて、人に置いていかれたり、仲間に入りそこねることがある。
7、自分を大した人間だとは思わないし、他の人も特に抜群だとか偉大だとは思わない。
8、誰かからの働きかけや、外からの刺激がないと、なかなか動き出さない。
9、様々な抵抗や反対を押し切ってまで、主張すべきことや、実行すべきことがあるとは思えない。
10、深く悩んだり、葛藤を抱えるのが苦手だ。
11、早くしろ、などと言われ、よく人から怒られる。
12、面倒なことを頼まれたり、せかされたりするのが嫌いで、無駄な動きをなくす「省エネ」に関心がある。
13、いろいろと活動的で成果をあげている人や、社会から賞賛されている人に対しては、劣等感を感じる面もある。
14、感情的にならず、あまり動揺することもなく、対立する人達を仲裁することができる。
15、失敗をしても、本当に取り返しのつかないことなど、まずないだろう。
16、眠れない夜などほとんどない。
17、大ごとでもないのに、必死になったり興奮したりして、人を巻き込み、煩わせるのはやめて欲しい。
18、怠け者とか、ぼーっとし過ぎていると言われることがある。
19、自分で自分のことを駄目だなあ、と思って、自らを卑下する傾向がある。
20、争い事は本能的に避けているようで、もめごとが起きないよう、たいていは周りに合わせ、穏便に済ませている。
21、白か黒かと決断を迫られると、迷って落ち着かなくなる。
22、ゆっくりと、温かいお風呂に入っている時などは幸せだ。それで充分ではないかと思う。
23、特段、人に逆らおうとは思わないが、常に従順に命令をきくかと言えば、そうとも限らない。嫌なときは、非暴力・不服従の精神で動かない。
24、誰も傷つかず、平和なのが一番だ。
25、このままずっと穏やかに暮らせればいい、と思う。

                                                                                   ───質問は以上です。
                                                                                        お疲れさまでした。

チェックし終えたら、9つタイプの中で、自分に当てはまるものが最も多かった型に注目していただきたい。
それが、あなたの性格タイプである可能性が高い。
ただ、迷う人も少なくないだろう。上位、2つか3つのタイプは、あなたの型であるかもしれず、熟慮しなければ、自分のタイプを決定できない人もいる。

型の確定については、慌てずじっくり取り組むことをお勧めする。

例えば、自分が3型か7型かで迷ったとしよう。
二つのタイプは、どちらもプラス思考である。が、違いもかなりある。
3の能率・成功志向型は競争心が強く結果を求める。一方、7の楽観・万能型はどちらかというと協調性を重んじる性格で、仲間と一緒に楽しく仕事をしたり、遊んだりしたいと考えている。

迷った場合は、両方のタイプの質問を、もう一度よく見直し、違いに注目して、どちらが自分にしっくりくるか、違和感がないか、といったことを見ていって欲しい。

上記の質問は、数が多く、内容もやや複雑だが、これは意図的にそうしている。
質問を多く、詳しくしたほうが、各型の性格がよく分かり、自分のタイプも特定しやすくなる。

この質問群は、各タイプの人物像や内面を表わしたものなのだ。
各型についてできるだけ詳しく言語化し、性格のエキスを詰め込んである。

これらをじっくりと読み、人物をイメージしていただければ、1~9の性格の、細かい違いや特徴などがかなり理解できるだろう。

リアルな人間に学ぶ

それでも、なかなか机上の言葉だけで、この古代心理学を知ることはできない。
エニアグラムを本気で学びたいという場合は、家族や友人など、周りの人達にできるだけ多くタイプチェックを行なってもらうことだ。
あるいは、すでにエニアグラムの性格診断を終えた、という人と交流する。

もし、あなたが1型か8型かで迷っている場合は、実際にタイプ1と確定している人と会ってみるのが非常に有効だ。
じっくりと話をしたり、よく観察してみて、自分との共通点がどれくらいあるかを考える。同じくタイプ8だとはっきりしている人とも会って、直に接してみよう。

8の強力・親分型の人と会って、「自分はそれほど強さを重視していない」と感じ、タイプ1と決まる場合もある。
1の勤勉・完璧志向型の人と話してみて、「自分はそこまで細かいことを気にしないな」と思い、タイプ8と確定できることもあるだろう。

こうした方法をはじめ、様々な人間観察、自己分析などにより、最終的には一つのタイプに決まる、というのがエニアグラムだ。

最初は、自分のタイプがよく分からなくても問題はない。
型を探っていく過程は、自分の性格や内面をよりよく知るための大事な時間、道となるからだ。

エニアグラムを学ぶ道程で、各タイプの人間と会えば会うほど、話せば話すほど、その型の性格が理解できる。
特に自分の家族や友人、同僚などの型が分かると、学びが深まる。そのタイプの人が日頃、どのような言動をしているのか、どんな時に怒ったり、悲しんだりするのか、などをよく観ることができるからだ。
もともと相手についてよく知っている場合は、「ああ、こういう人がタイプ1なのだな、タイプ2なのだな」と、エニアグラムのことがよく分かる。

ただ少し会って話すだけでなく、長期間、行動をともにしている、ということが重要だ。
そのタイプのいろいろな面が見え、様々な場面でのリアクションや考え方、感情の動きなどが分かる。
机上で見ていた1~9というタイプが、実感をもって、生き物として立体的にとらえられるようになるのだ。

9つのタイプは均等にいて、性格の良い悪いや優劣はない

エニアグラムを知ると、人間は皆、同じ性格や性質をもっているのではなく、かなり違った性格の人々が、この社会で同居していることが分かる。
人類皆同じ、ではなく、かなりの差があるということだ。

そうでありながら、基本的に、どのタイプが高い価値をもち、どのタイプが劣っている、などということはない。
エニアグラムによると、この9つの性格タイプの人間が、数の上でもほぼ同数、均等に存在する。
つまり、「このタイプがメジャーで普通」などというものもないのだ。

9つのタイプの中に「良い性格」や「悪い性格」というものもない。
誰にでも長所があり、短所もある。どのタイプの人も、機嫌が良かったり、調子が良い時には「良い面」が表れ、最高の状態では素晴らしい人間となる。
一方、不機嫌なときや不快、不調なとき、心が乱されたときなどは「悪い面」が出やすい。
 
こうした点を踏まえて、自分自身のことも、他の人のこともみていくのがエニアグラムである。

エニアグラムは、人間の性格の違いを明らかにしてくれる。と、同時に、深い共感を得られる心理学でもある。
自分と同じ型の人を、一人でも二人でも見つけることができれば、日頃の悩みや思考パターンなどが驚くほど共通していると感じられ、孤独から解放されるだろう。
互いに良き友人となることも少なくない。
そうした友人、知人などとの付き合いを通じ、自分の性格の特徴も、より深く認識できるようになるのだ。

「自然和合エニアグラム」は、このエニアグラムに、日本人ならではの自然観や和の心を加えたものだ。
自然派の禅、老荘などの感覚も取り入れる。
自然の理を重んじ、大自然の恵みを受けながら、人の心を癒し、成長させるための心理学である。

この古代心理学については、いろいろと述べていきたいが、今回は質問も多かったため、このあたりで一区切りとしておく。
次回を楽しみにしていただければと思う。

第2回はこちら▼


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