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『おもてなし幻想』を読んで学んだことhttps://note.mu/sogitani/n/nf8373e305463

上記sogitaniさんのレビューがとてもわかりやすかったので、こちらを先に読まれると良いかと思います。

なるほど、と思ったのは、顧客満足度を高めるためのカスタマーサポートに力を割くのではなく、自分たちで解決できるように導くデザインを導入することで、顧客からの問い合わせ対応を極力少なくすることが重要だ、という主張。

「例えば、やたら丁寧なコミュニケーションも、分厚く作り込んだ資料も、ロイヤリティには影響をしない可能性があります。私たちがやるべきは、顧客の手間、顧客が面倒と思うことを徹底的に排除することです。また、顧客からメールや電話で質問が来ることは、ロイヤリティ低下の原因かもしれません。私たちが目指すべきは、顧客が自己解決できて、一切質問をしてこない状況を作り出すことです。」

顧客満足度を高めるおもてなしと、そのサービスのロイヤリティとの間に相関性はないことと、カスタマーサービスへの連絡とロイヤリティの低下に相関性がある、というデータを基に、端的に表しているのが上の文章です。

これを踏まえた上で、
本日たまたま訪れたIKEAのサービスについて。

IKEAの価値は何と言っても
それなりの質のお洒落な家具や小物を
低価格で、一箇所で揃えることができること

< IKEAの特徴>・港近くの立地による、流通コストの削減・購入者自らが組み立てることによる製造コスト、あるいは配送時の体積を減らすことによる流通コストの削減・店舗設備を最小限にまで抑えた、建設コストの削減・限られた面積内での効率的な動線ルートのデザイン・セルフサービスを主としたサービス提供による、人員削減・アクセスの悪い立地を解決するためのシャトルバスに掛かるコストは、車体デザインによる広告媒体として活用・利益が見込めると思えない低価格での飲食物の提供をするフードコートを設置し、施設完結の滞在を可能にすることで、集客を強化

↑ざっと思いつくだけでもかなり効果的なコスト削減と集客に取り組んでいるIKEAですが、消費者として店舗を訪れて感じた特筆すべき点は、消費者が能動的に動く(動かざるを得ない)デザインになっていたこと。そして必ずしも心地いい空間設計ではなかったこと。

セルフレジやセルフサービスのフードコート、大型家具のセルフ運搬(?)コーナーなど、訪れる消費者に対して「自己解決」のカルチャーを徹底的に受け入れさせるデザインが施されており、おもてなし要素を極力抑えた上でロイヤリティを担保している、良いサービス例だと思いました。

周知の通り、IKEAのネームバリューは高く維持されており、アクセスの悪い立地にかかわらず集客に問題はありません。人で溢れかえる店内は居心地が良いとは言えませんが、新参のお客さんも、周りの人たちの動きを参考にしながら店内を歩き回ることができ、なんとも無駄のないサービス設計だなと改めて感じたので、シェア。

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#ikea #集客 #ロイヤリティ #広告 #デザイン #消費者 #思想 #ビジネス #ビジネスモデル


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多くの人の個性や表現が埋もれてしまわないように、クリエイターとして、価値を掘り出し、届ける活動を行ってまいります。ブランドづくりに軸足を置いていますが、メディアでの発信や書籍展開など、活動の場の創出ができるようにも努めてまいりますので、どうぞご支援のほどよろしくお願いいたします。