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神影鎧装レツオウガ

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2018年12月の記事一覧

神影鎧装レツオウガ 第十六話

神影鎧装レツオウガ 第十六話

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Chapter03 魔狼 07 圧倒的。
 それ以外に、この状況を表す言葉はなかった。
「ツ、ア、アッ!」
 裂帛の気合いとともに、辰巳はあらゆる攻撃を繰り出す、繰り出す、繰り出す。
 左腕コネクタからの操作に従い、ボロボロのオウガが間接を軋ませながらも、オーディン・シャドーへ攻撃を仕掛ける。
 クナイの連続投擲。ガトリングガンとミサイルランチャーの同時掃射。リバウンダーによる高

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神影鎧装レツオウガ 第十五話

神影鎧装レツオウガ 第十五話

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Chapter03 魔狼 06 所変わって天来号、酒月利英の研究室。
「ふほ、ほ」
 部屋の主である利英は、ぐったりと机に突っ伏していた。まぁ特注品である冥《メイ》の転移術式を、この短時間でRフィールド用に調整したのだ。無理はない。
「実際大したもんだよ、酒月」
「なぁーに、こんなこともあろうかと、ってヤツでござる」
 震えながらサムズアップする利英。何のかんのでまだ余裕はあるよ

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神影鎧装レツオウガ 第十四話

神影鎧装レツオウガ 第十四話

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Chapter03 魔狼 05 巨大な、強大なワイヤーフレームが組み上がる。
 基点となるは死霊術師ギノアと、蜘蛛の巣にも似た巨大術式――神影鎧装の術式陣だ。
 上へ、下へ。何かの骨組みを形作りながら、拡張し続けるワイヤーフレーム。恐らくオウガのコクピット周りを保護する霊力装甲と同じたぐいなのだろう。使われている霊力量は段違いだが。
 編み目のように、血管のように。光

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神影鎧装レツオウガ 第十三話

神影鎧装レツオウガ 第十三話

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Chapter03 魔狼 04 同時刻。
 日本上空、衛星軌道の少し上。天来号内部通路のとある一角。
「どうしよ」
 十字路の真ん中で、風葉《かざは》は立ち尽くしていた。
 道に迷ってしまったのだ。
「ううーん……」
 右を見る。左を見る。誰も居ない。まっすぐ続く正面通路も、人影は見当たらない。
 途方に暮れながら、風葉は今までの経緯を思い出す。
 辰巳《たつみ》に気

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