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手切りを始めて感じたこと

皆産、こんにちは。
ひょんな事をきっかけに今年から「手切り麺」に挑戦しているヨコクラです(笑)
今回は挑戦を始めて約1ヶ月半が経過した現時点で、私が感じたり、気づいたことを残しておこうと思います。

§「手切り」をやろうと思った理由

そもそも何故今更、「手切り」に挑戦しようと思ったのか?
答えは非常にシンプルです。
今年の12月に行われる手打ちうどんのパフォーマンス大会「TEUCHI」に出場するためです(笑)
この大会の面白い所はうどんの大会なんですが、採点基準できるの評価ポイントは「味」ではなく、「パフォーマンス」であると言う事です。

特段、参加資格として「手切り製麺ができる」とされている訳ではないのですが

如何に観ている人を楽しませながら麺作りができているか?

審査のポイントがここにある以上、やはり「手切り」を習得しておくことで、審査に有利になることは間違い無いだろうと思ったからです。

かと言って、この「TEUCHI」において優勝を狙っています!!!とそこまで意気込んでいる訳でもありません。あくまでも「TEUCHI」は手切りを習得しようとするためのきっかけだったんです。

§期限を設ける

皆さんも心の中に「いつかやってみたいなあ・・・。」と考えてることの一つや二つありませんか?
そして、もしかしたらその「やりたいこと」は実は何年も前から心の中に思い描いたまま放置されていて、一向に実現には向かってないのでは無いでしょうか?

わかる・・・!!
わかります!!!

やりたいことややってみたいことは山のようにあるのに、日々のルーティーンワークをこなすだけで時間はいっぱいいっぱい。新しく何かに挑戦するような時間なんてとてもじゃ無いけど捻出できない。その結果、本当に自分のやりたいことは常に後回しにされて・・・。結果、いつまで経っても「やりたいこと」に手はつけられない。

自分の思う理想的な「いつか」は永遠にやってこないんですよね(笑)
自分の意思の力で「いつか」を作り出すことができないなら、強制的にそうせざるを得ないようにするのが一番です(笑)そのために有効な方法は

①やりたい事を公言する
②期限を設定する

この二つです。

「ギターが弾けるようになりたいなー」

そう思ったら、最初にやるべきことはライブの日程を決めることです。
ライブの出演が決まってしまえば、もう練習するしかありません。「ライブまで1ヶ月しかない!」となればどんな隙間時間であっても練習しようとします。

それまでは「自分に楽器を練習する時間なんてない!」と思っていたにも関わらず、無理矢理にでも時間を作って練習している自分に気がつくと思います。
「取り組むための時間がない」のは単に優先順位が低い、だけの事。それならば優先順位を上げてやらざるを得ない環境にしてしまえば、自らその時間を確保するように動き出します。

私の場合は2024年12月6日に開催される「TEUCHI」に「出場する!」と宣言することで「手切り」を習得せざるを得ない状況に設定しました(笑)

§実際に「手切り」練習を始めたことによる変化と影響

こうして実際に「手切り」の練習を始めることで所管レベルですがいくつかの発見と感じたことがあります。

①うどんの出来栄え

これが1番の驚きだったのですが、機械で切った麺と手切りで切った麺では茹で上がりの仕上がりが全く変わりました。

なんとなくのイメージだと、「練り」や「延し」「茹で」の工程はうどんの仕上がりを大きく左右しそうな気がしますけど、「切る」工程は「機械」と「手切り」による違いは生まれにくいような気がしてました。

ところが、実際に手切りしてみると茹で上がった麺が機械切りの麺よりも、しなやかで伸びのある麺になります。加えて茹で時間も1〜2分ほど早くなりました。その理由はよくわからないのですが、この違いにはとにかく驚きました。

②製麺作業の精度

手切りを行うことによってそれまでの製麺が如何に大雑把であったかと言う事を思い知らされました(笑)

機械切りだと、麺の切断の直前に小さなプレスローラーが設置されており、そのプレスによって多少、延しの段階で麺の厚みに不均等な部分があっても修正されて麺は切られるのですが、手切りだとそう言うわけにはいきません。
延しが不均等だと、切るときに非常に切りにくいですし、実際に自分の手でうどんの生地に触れながら切っていくので、製麺状態の良し悪しがダイレクトに伝わってきます。

結果として、今まで以上に「延し」の工程を丁寧に仕上げるようになりました。と言うよりも丁寧にせざるを得なくなりました(笑)
因みに手切りだとどうしても今までよりも麺線状態にするのに時間がかかってしまいます。その為に今までよりも仕込みや日々のルーティーン業務の段取りを見直したりと生活リズムにも変化が生まれました。

③付加価値としての活用

現在の讃岐うどん業界において「手切り」の職人はごく少数です。ですので今後益々、「手切り」スキルはブランド戦略としても大きな価値を持つことになります。このことに関しては「純手打ちうどん よしや」の山下さんも予てよりおっしゃってます。

そう考えると、その「価値」を最大限に有効活用しようとするならば、「手切り」作業が間近で見られるように厨房や客席のレイアウトもそれに則った仕様に変更する必要があるとも考えられます。

単純に今では少なくなってしまった「手切り」を見ることができるというだけでもお客さんにしてみれば、レアな体験として付加価値は向上します。
それに加えて当店に関して言えば老舗のうどん屋ということもあり、「手切り」という元々の製法を取り入れることは既存のブランドイメージの強化にもなります。

今後の生き残りの戦略を考える上においてやはり大きな武器になることは間違いのないスキルだなという事を今まで以上に感じています。

§まとめとして

ほんの小さなきっかけと興味本位で取り掛かった「手切り」の練習ですが、自分の中で起こった変化は想像以上に大きかったです。まだまだ手切りのスキルも習得できておらず、今後の実際の変化についてはただの想定でしかないのですが、製麺における「切る」工程を変化させるだけで、予想以上にその影響は大きなものになります。

「バタフライエフェクト」の言葉が示すように、取るに足らない小さな行動が未来に与える影響は本人の想像を遥かに超える大きなものになったりします。だからこそ人生は面白い!!とも言えます。
小さな変化のいく先を楽しみにいろんな事にチャレンジをしていく、そんな考え方で物事に取り組んでいくのがいいのかもしれません。

本日もありがとうございました。



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