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オスワリを教えたいのにオスワリしてくれない!!

オスワリをもともとよくするワンちゃんと、しないワンちゃん、それぞれのタイプがいますよね。トレーニング時に、無理やりおしりを押さえつけたりすると、トレーニングが嫌になってしまう犬もいます。

今日は犬の行動をどうやって形づけるか、誘導するかということをご説明します。いくつかのパターンがありますが、よく使われているものはプロンプティング、キャプチャリング、シェイピングです。


1.プロンプティング

ルアーを使って犬の自然の行動を導き出していきます。例えば、おいしいものが頭上に向かって持ち上がると犬は自然とおしりがついていきます。フセを教えるときは、逆に床面までルアーを下げていきます。最初のうちは頭を下げるだけですが、少し待っていると、徐々におしりもお腹もぺたっとついていきます。そしてフセの姿勢になった瞬間においしいものを与えて、その行動がいいんだよ!と教えてあげましょう。

こうやっておいしいものを使って徐々に行動を誘導していきます。すると犬に触ることなく行動を作っていくことができます。


2.キャプチャリング

プロンプティングでなかなか行動を誘導できないときに、使う方法です。言葉の通り「たまたまその行動をしたとき」を切り取って、教えてあげます。

トレーニング中にオスワリをしなくても、たまたまお散歩しているとき、遊んでいるときに急にフセやオスワリの姿勢を取ることがあります。その時に、おいしいものを与えて、その行動がいいよ!と教えてあげます。そうすると、トレーニングのときに、犬は「飼い主さんのご希望はこれですか?」「あれですか?」と覚えた行動を繰り出してくるようになります。

Tip
この方法にトライするときは、クリッカーを使うと、良い行動が起きたタイミングを秒単位で切り取れますので、お勧めです。


3.シェイピング

ルアーを使ってもなかなかフセをしてくれない、キャプチャリングしようにも、フセを全くしない、こんなときに使うのが、シェイピングです。目的とする行動の完成形までの一連の動きをプロセスごとに小さな基準に分けて、その基準を達成するたびに報酬を与えます。

例えば、オスワリをなかなかしてくれない場合、「おしりを地面につける」のが行動の完成形となりますが、基準を易しくして「少しでもおしりを下げる」でもおやつをあげていきます。そうするとおしりを下げるという行動が強化され、徐々に地面に近くなっていきます。これをスモールステップの原理、逐次接近法などと言います。

人間もいきなり「富士山に登頂をめざすぞ!」といわれるより、近所の山から始めて徐々に体を慣らしていきますよね。あまり高い目標は掲げすぎず、犬ができることから少しずつレベルを上げていきましょう!


まとめ

この3つの手法、一つ共通点があるんです。これらには、「手の合図」「声の合図」両方ともありません!合図は行動が十分にできるようになってから、学習させますので、まずはその行動の起きる頻度を上げていきましょう。「トレーニングにおやつをあげちゃいけないんじゃないか」「トレーニング中にその行動を取っていないのであれば、ご褒美をあげてはいけないんじゃないか」「ちゃんとできなきゃ褒めてはいけないんじゃないか」と思って悩んでいる飼い主さんからのご相談を受けるのですが、確かにその縛りがあると、なかなかトレーニングが進まないんじゃないかと思います。

また、これらの行動を誘導、作り出していくには、犬の行動を観察し、適切なタイミングで「その行動いいよ!」と伝えてあげる必要があります。犬のペースに合わせて忍耐強くトレーニングを進めていくと、犬も楽しんでトレーニングをやってくれるようにもなります。

トレーニングが進まないなーと思っている方は、ぜひこれらの手法をトライしてみてください。



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