4Fsって知ってますか?
4階ってことじゃないんですよ。一昔前に流行ったイケメン&お金持ちが出てくるマンガのF4でもありません(ちょっと古いか)w
犬の「恐怖」を示すボディランゲージのことを指します。①Fight ②Flight ③Freeze ④Fiddle aboutの頭文字を取って、「4つのF」として4Fsと呼ぶんです。
1.Fight:闘争
恐怖をかんじたとき、特に身体の危険を感じたとき、生存本能として敵に対して立ち向かっていくことがあります。いわゆる窮鼠猫を噛むというものですね。耳は後ろに向き、口角は後ろのほうまで下がり、さらにしっぽが丸まった様子ですので、恐怖を感じているというのがよくわかるかと思います。
出典:Roger Abrantes(Dog Language” by Roger Abrantes, illustration by Alice Rasmussen)
体全体で恐怖を表していますが、歯をむき出して、敵を撃退しようと攻撃態勢に入っています。こうなってしまうと非常に危険です。追い詰められていますので、落ち着くまで距離を保ち、犬が恐怖を感じる刺激を遠ざけてください。
人間が体罰を使った場合、犬が恐怖のあまり追い詰められて、このように極端な攻撃行動に出ることがあります。その場合捨て身の攻撃になり、人間も大けがを負う可能性がありますので、犬に恐怖を与えるのはやめましょう(もちろん、犬のウェルフェアの観点からも!)
2.Flight:逃避
恐怖の姿勢は変わりません、耳を後ろに倒して、しっぽを丸め、そのまま逃げていきますね。これも非常に強い恐怖を感じている状態を示します。特にパニックになって逃げまわってしまうと、障害物にぶつかって怪我をしたり、また家から脱走してしまうこともあります。
3.Freeze:硬直
人間もそうですが、ショック状態になるとフリーズしちゃいます。きょとんとした表情で、まったく動かなくなります。あるいは少し下を出したりするくらいです。この状態が数分続くこともあります。飼い主さんは、このきょとんとした表情を「何も感じていないんだな」「特に何もないんだな」と感じていることがありますが、硬直している可能性があります。
ショック状態ということは非常に強い恐怖を感じていますので、「問題なさそうだ」と思っても、後からトラウマとして発症することがあります。例えば、ドッグランで他の犬に噛まれるという事件があり、飼い主はすぐに犬のもとに駆け寄ったそうです。でもその時全然犬は気にしていなかったようだったけれども、その後他の犬が近づくと吠える、唸る、咬むということをし始めたそうです。実はその「問題なさそう」という状態はこの「硬直」だったと考えられます。
Tip
本当に犬が何も感じていないのか、硬直なのかを確認したい場合は、犬の好きなおもちゃやおやつを少し鼻元に持って行ってみましょう。すぐにそちらに気がとられるようであれば、大きなショックではなさそうですね。まったく興味を示さなかったり、避ける、逃げるような仕草があるときは、恐怖を感じている可能性があります。
4.Fiddle about:カーミングシグナル
疲れていない時にあくびをしたり、歩き回ったり、食べ物がないにもかかわらず唇を舐めたりします。これらの行動は、不安や緊張をしている人間が、うろうろ歩き回ったり、顔を触ったりする仕草と同じようなものです。詳しいカーミングシグナルについては、こちらでも紹介しています。
まとめ
犬と良い関係を築くには、何よりも犬の気持ちを観察できるようにすることが大事です。特に恐怖や不安の種はできるだけ取り除いてあげたいですよね。4Fsを意識して、犬が怖がっている様子がないか、ということをよく見てあげてください。特にカーミングシグナルなど、さりげない仕草は、一緒にいる時間が長い今がチャンスです!同時にいくつものサインに気づくようになるのは結構大変です。一つずつの仕草に注目して、「あ!今ペロッとした」など気づけるようにしていく、というやり方が習得しやすいですよ!
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