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連載「ヨコビ の“かお”」 第一回 横浜市瀬谷区「岩﨑農園」の岩﨑良一さん

1)街のビール屋「横浜ビール」の伝えたい「人」。

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皆さま初めまして!「横浜ビール」と申します。私達は、昨年20周年を迎えた老舗の地ビール会社です。地域と人を大切に「街のビール屋」としてワクワクを届ける事を目指しています。この度「横浜ビール」としてnote での発信を開始いたします。

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これまで取り組んできた活動の軸に「人を伝える」という事があります。私達の中には、こだわりのビールを醸造するブルワーや、地産にこだわったお食事と新鮮なビールをお届けする直営レストランのスタッフ、乾杯をより楽しんで頂く為に演奏を奏でる「ムービングプロジェクト」など多くの人が携わっています。

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そして「横浜ビール」を語る上で欠かせないのが、私達の地元 横浜市に暮らす農業生産者の方々の存在です。桃や、ドラゴンフルーツ、苺等の果物から水、小麦、ホップまで。「街のビール」の全ては、農業生産者の皆さんとの関わりを持って初めて誕生します。そして、生産者の皆さんの魅力を「横浜ビール」を通して多くの人へ伝えたい!という想いから「ヨコビ (横浜ビール)の“かお”」という連載を始める運びとなりました。

2)横浜市瀬谷区「岩農園」の岩良一さん

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と言う事で「横浜ビール」のこだわりから誕生した「大切な一杯」の先にある方々を紹介していきたいと思います。今回、ご紹介するのは横浜市瀬谷区で唯一小麦を栽培されている「岩﨑農園」の 岩﨑良一さんです。

「岩﨑農園」がある瀬谷区は横浜市最西部に位置する町です。岩﨑さんは、瀬谷の魅力を「瀬谷は横浜のはずれなので物価が安い。あと、おおらかでのんびりしている人が多いです。でも団結力はあるので困ったら皆で集まって解決しようとするし、異業種で集まって瀬谷を盛り上げようと頑張っています。先輩後輩も皆、大人になったら同じって感じで対等な立場で話せるし仲良いですね。」とお話頂きました。

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瀬谷は多くの自然を残し、横浜市内でも有数の規模を誇る農業地域です。「岩﨑農園」は三・四世代と瀬谷に根をはり家業で営まれています。農家という仕事は、一度仕事に就くと転職という選択が難しく、家業故の困難が生じたり、多くの壁が立ちはだかり辞めてゆく人も少なくはないようです。岩﨑さん自身、父親の英一さんと経営の方針で意見が食い違う場面もあったようですが、話し合いを重ねて解決していったんだとか。「家族経営だから家族で会議して行かないと仕事が回らないですね。」と話す岩﨑さんはそれでも「楽しいですよ。」と語ってくれました。

3)「瀬谷の小麦ビール」が誕生するきっかけ

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この街は元々、小麦を生産される方が多い地域でした。しかし、物価の安い輸入小麦に押されて生産量は減少してしまいました。「畑の肥料」として麦を育てる農家の方々はいましたが、商品として生産される農家は少なかったようです。そこで野菜の他に麦を育てていた岩﨑さんは、瀬谷の畑が荒れないように休耕地(機能していない畑)を借り入れ麦畑を少しずつ広げていました。

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岩﨑さんと「横浜ビール」との出会いはその頃。ビールの原料として大麦「あまぎ二条」の生産を依頼したのが始まりで、2014年から小麦生産を委託し「あやひかり」と言う小麦を生産して頂いています。そして岩﨑さんの「横浜でも小麦を作っているという事を皆さんに知ってほしい」という想いを受けて「瀬谷の小麦ビール」が誕生しました。

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収穫された小麦は他に、直営レストラン「驛の食卓(うまやのしょくたく)」のパスタやピザ、パンとしてもご提供させて頂いています。また「横浜ビール」スタッフは毎年、半年以上に渡る種まき~収穫までの小麦栽培の工程に携わらせて頂いています。この経過を見ていく事も楽しみの一つで、この畑から「瀬谷の小麦ビール」が生まれるということを実感する事が出来ます。
岩﨑さんは「横浜ビール」に対して「小麦を作ることもそうだし、原料として出荷してビールになって帰ってくるのも面白い。長くやってきたいなと思っています。」とお話し頂きました。

瀬谷の小麦ビールsns

瀬谷の小麦ビール」は「横浜ビール」のレギュラー商品で、ウィート(小麦)を原材料に使用することで、小麦由来のやわらかな口当たりとすっきりとした飲み口が特長です。ビールをグラスに注いで鼻を近づけると、ふんわりとやさしい小麦の香りが漂います。瀬谷の地域内でも「瀬谷の小麦ビール」を飲まれる方が増えているそうで、岩﨑さんが登場するビールラベルをきっかけに「あ、ビールの人ね!」と言われることもあるんだとか。街の方々にこのビールを手に取って頂ける事は「横浜ビール」としても嬉しい事です。「人を伝えたい」という想いが形になったビールのラベルは「生産者の顔が見える野菜のラベル」にどこか近しいかも知れません。

3)休みをとる為に「小麦」が大切

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岩﨑農園では元々、小麦の他に野菜を年間20〜30種類程作っていましたが、ここ数年で野菜の品目数を絞り、一度の生産量を増やす方法に変えたそうです。その理由は、常に何十種類も野菜を生産し続けると「畑が休ませられない」問題が生じるそう。そもそも「畑が休む」とはどう言う事でしょうか?畑は、人と同じく働きすぎると疲れてしまいます。なので野菜生産、収穫が続くと"休めず”疲れてしまうのです。そこで回復する為、畑に栄養を与えて休んでもらう事が必要となります。その効果をもたらすのが小麦でした。

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「横浜ビール」が「小麦の生産量を増やせないか?」と相談したタイミングがその頃で「小麦を生産しながら畑を休ませるローテーションを組む事が出来た。」とお話頂きました。

4)農家としての心意気

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野菜の品目数を絞ると、集中して生産する時期に天候の影響を受けた場合のリスク等が懸念されそうですが「農家は年一回しか野菜作れないから出たとこ勝負なんで、だめだったらだめで次の野菜を作れば良い。天候によっては野菜がだめになることもある。落ち込んでしまう人もいるけれど、失敗したらしょうがないって前向きに考えないと農家は務まらない。」と、岩﨑さんの「農家としての心構え」を教えて頂きました。

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また、契約で事前に買い取る目安を決める事、出荷できない野菜はカット野菜等の加工商品にする等のリスクを抑える方法もあるそうです。そして「出荷の番号で自分の野菜ってわかるから、お客さんの反響が返ってくる。美味しかったとか、ここはこうしてとか。反響があった方が作っている方も楽しい。良くも悪くも直せるし目標ができるんです。」と農家として、挑戦していく姿勢を楽しまれている姿が印象的でした。横浜に根ざして畑から始まる「岩﨑農園」と共に「瀬谷の小麦ビール」が今年も誕生します。今シーズン予定している小麦の収穫量は昨年と比べても順調なようです。お楽しみにどうぞ!

ヨコビ noteサムネイル2

農園

▷住所:神奈川県横浜市瀬谷区竹村町

横浜ビール

▷住所:神奈川県横浜市中区住吉町6-68-1 横浜関内地所ビル

▷ホームページ:http://www.yokohamabeer.com

▷通販サイト:https://yokohamabeer.shop

企画・記事執筆・写真撮影: 工藤 葵

↑Instagramにて取材の様子をご覧いただけます!

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