勇気を出してお願いしたら、想像以上のものが返ってきた話
人に頼みごとやお願いをすることが苦手です。
「迷惑かな」「どう思われるだろうか」
頭の中で思いつく可能性をぐるぐると考えているうちに、やっぱりやめとこうとなるのです。
でも、勇気を出してお願いしてみたら、一生忘れることのない、これからの自分の軸になるようなことが起こったので、今日はそのことについて書こうと思います。
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7年前に祖母を亡くしてから、「おばあちゃんのことをもっと知りたい」と思うようになりました。どんな経験をしてきて、どんな思いをもって過ごしてきたのか。
なのでおばあちゃんの友だちであるTさんに会って話を聞きたいと思っていました。
でもお会いしたのは祖母のお葬式のときだけ。お互い顔も知らない、話したこともない。知っているのはTさんの住所だけ。会ってお話をしたいと手紙を書くことが唯一の手段。
悩みました。いくら友人の孫とはいえ、面識もない人から急に手紙がきて信用してもらえるのだろうか。話をしたいといったところで時間をとってもらえるのだろうか。
手紙を書こうと思っては、「いや、でも…」の繰り返しで1年は経ったと思います。
でもやっぱりおばあちゃんのことが知りたい。
意を決して手紙を書いたら4枚の便箋になりました。私の住所や電話番号、メールアドレス、思いつく限りのものを書いて、郵便局の窓口で切手を買って投函。
それから数日後。
スマホの鳴る音で目が覚めました。アラームかなと思ったら、電話。でも知らない番号です。誰だろうと不審に思いながらでると、「もしもし」と言ったのは女性の声。なんとTさんでした。
「お手紙ありがとうございました」
布団から飛び起き、こちらこそと電話をくれたことへの感謝を伝えます。
「あなたのおばあちゃんのことだけどね」
入社試験で出会ったこと、祖母の結婚式のこと、お互い結婚して疎遠になったけど偶然再会したこと、それからまた会うようになったこと(引っ込み思案の祖母のために、いくどとなく遊びにきてくれた)…
本当にいろいろな思い出を話してくれました。
スマホを見ると通話時間はすでに1時間半。
もう感謝という言葉では言い表せない思いでした。
突然送られてきた私の手紙を読んで、え?と思った部分もあったでしょう。にも関わらずわざわざ電話をかけてくれた(知らない電話番号に!)。Tさんにとってのメリットなんてないのに、嫌な顔もせず、時間をかけて覚えている一つひとつの思い出を話してくれた。こんなにありがたいことってあるんだろうか。
しかもそれだけじゃない。Tさんは最後にこう言ったのです。
「誰かのなにかの役に立ちたいと思って生きてきたけど、友人の孫から手紙をもらうなんて。こういうときに思い出してもらえる。こんなにありがたいことはないです」
これを聞いたとき、ぐわっと込み上げるものがありました。そして許されたような気持ちにもなりました。
手紙を書くのに悩んだことは冒頭に書いたとおりです。「迷惑をかけたくない」という思いには、実は「本当に自分がやりたいこと・そのためにお願いしたいこと」を否定されるのではないか、という臆病な気持ちもあるんですよね。傷つかないように自分を守る本能みたいなもの。
でもTさんはまるっと受け止めて力を貸してくれたうえに、ありがたい機会だと伝えてくださった。
ともすれば、「1時間半も電話してもらって、やっぱり迷惑だったかも」とネガティブをひきずってしまう可能性だってあったところ、Tさんの言葉はそんな気持ちさえ救ってくれて、「手紙を書いて、話を聞きたいと伝えて、本当によかった」と思わせてくれたのです。
と同時に、私もTさんのような人になりたいと思いました。人と関わるときに、迷惑をかける・かけられるという次元ではなく、ありがたい機会だと受け止められるかどうか。自分にできることで力になりたいと行動できるかどうか。
そんなことを考えました。
祖母のおかげで、Tさんと出会うことができました。おばあちゃんと会うことはもうできないけど、つながりや経験は残るんだと思います。そして言葉も。
Tさんから聞いたことを言葉にして、母や叔母にもシェアしたいと思います。
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