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【勉強】オンプレかクラウドか

■ オンプレじゃダメなんですか?

 昨日の記事に続き、AWSの勉強メモです。

 「クラウドを導入しよう!」と言って意気揚々と推進しようとしたものの、「オンプレ(自社サーバ)じゃダメなんですか?」という質問をもらい、「オンプレは既に時代遅れです!」とか「GAFAはクラウド使ってます!」などのそれっぽい雰囲気の熱意で押してみたものも、「じゃあ定量的にコスト削減効果で示して。」「セキリュティは大丈夫なの?」「こないだ買ったサーバーの減価償却分はどうすんの?」「それオンプレでもできるやん」など様々な消火活動を受けてライフが無くなった経験があるそこのあなた。私も同じです。

 ここではそんなあなたがオンプレ派を打ちのめすための強力な武器を提供・・・と思いきやそんなことはしません。結果的にオンプレとクラウドは用途に応じてMIXするのが最善だと思うので、何が違うのかを客観的に比べたいと思います。

■ 比較表

 AWSの公式ページに比較表がありました。ただAWSのページなのでクラウドに寄っているかもしれません笑。

オンプレクラウド比較表

・初期コストがかからない
・立ち上げが早い
・需要に合わせたリソースの拡張/縮小が可能
・使った分だけの従量課金制
・IT資産の固定費から変動費への変換

などのメリットがあるようです。図にすると以下のような感じだと思います。バズるかどうかが分からないWebサービスなどを作る場合、最大のアクセスを想定してサーバーを多めに買ってセットしておくのがオンプレで、クラウドはアクセス数に応じてサーバの増減ができるため、使われない分の無駄な出費が無いですよ、と言えると思います。ただその代わりに月の支出が変わるので管理費の想定がしにくいかもしれません。

アクセス

■所有するか借りるかのマインドの違い

 他にも特徴はあるようですが、マインドの違いとして一番大きいのが、「持つか借りるか」の違いだと思います。これはサーバーに限らず色んな分野で言えますね。所有すると、「買ったのだから自分の思い通りにして良い」という安心感が得られますが、いったん買うとその後の変更が効きにくいので、買う時に大きな決断をする必要があります。一方でレンタルは気に入らなければ返せばいい、という事で気軽に交換できますが、「いつまでも人様のもの」という感覚が付きまとうのと、レンタルサービスを受けることになるので長く使うと高額になるというデメリットがあります。

持つか借りるか

 持ち家 vs 賃貸論争の決着がつかないように、こればっかりは考え方の違いなので、どちらがいいとは一概には言えません。ただ、契約・派遣社員の比率が増えている現代の雇用の状況を見ると分かるように、この先が不確定な状況では、より柔軟に変えられる方を選んでリスクを下げる、というのが常套手段になるようです。

■ リアルかバーチャルか

 もう一点、実物があるかどうか(リアルかバーチャルか)、という違いも大きいと思います。これはお金の例が分かりやすいですが、家の金庫に全財産がある状態と、普段は数万円を持ち歩いて後は銀行に預けている状態で、どちらが安心か、という話です。本当に大事なものは目の届く範囲や肌身離さず置いておきたいという感覚と、空き巣に入られたり水害にあったりすると全財産を失う可能性がある、というリスクを天秤にかけることになると思います。銀行に預ければ全国どこの窓口からでも引き出せますが、リアルだとドラマで良く目にするスーツケースなどに入れてお金を持ち歩く必要がある、という移動や変更・拡張の問題もあります。

リアルかバーチャルか

 ただ一概にバーチャルが良いわけではなく、コインチェックの仮想通貨流出事件では、インターネット上(バーチャル世界)に顧客情報の大事な鍵を保存していたため、インターネット経由で盗まれたことが原因で起きています。一般の企業でも本当に大事な顧客情報はオフラインで管理するなどの対応を取っているところも多く、オフラインにはオフラインの価値があると言えます。実際に会って話す友達とSNS上のみの関係の友達のどちらが親密か、などもリアルとバーチャルの違いとして挙げられるため、「狭く深くのリアルと、広く浅くのバーチャル」と捉えられそうです。

■ 広いインターネット世界に乗り出すための武器

 インターネットの登場により、情報の移動が光の速度でできるようになりました。iモードの登場によりメッセージが送れるようになり、3Gの登場により電子メールが送れるようになり、4Gの登場により動画が送れるようになり、5Gの登場により3次元空間が送れるようになると言われています。今後はリアルの世界のモノすべてがインターネットに繋がる(IoT)と言われており、リアルの世界で頑張ってきた産業もインターネットの影響を受けるようになってきています。(価格.com、食べログ、Amazon、Twitter、インスタグラム、Googlemap、Youtube、メルカリ、等)

 今後さらにその動きが加速し、より早く、より大きなスケールで世の中が変化していくことが想定されます。どんなサービスがいつバズるかもわからない状況の中で、今後の10年を見据えて大規模な投資をすることは至難の業になってきています。また、雇用形態も終身雇用が崩れて流動的になってきて、毎年のようにどこかで自然災害が起き、スマホの登場により人々の多様性が増していく中で、今後社会がどうなるかの予測はますます難しくなっています。

 サービスの流れもあらゆる産業で「所有する(販売)⇒借りる(サブスク)⇒共有する(シェア)」という流れで進化しているような気がして、その大きな流れは止められないと思うので、それに逆らうのはとてもリスクがあるような気がしています。もちろん本当に大切な情報は手元にオフラインで持っておくことは前提として、少なくともインターネットを経由したサービスについては、柔軟さと拡張性を備えてミニマムスタートが可能なクラウドの方が時代に合っているよなぁ、と個人的には思います。

【参考資料】


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