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言葉の宝箱 0434【拒んだり、否定したりすれば、相手は傷つく。傷ついた相手を見れば、今度は自分が傷つく。それがいやでイエスと答え続けてきた。弱いゆえの事なかれ主義だった。ノーと意志表示しないととんでもないことになる。自分の本当のイエスのために、傷だらけに前進する】

『ナツイロ』関口尚(集英社文庫 2012/6/30)


草食系男子の主人公が女性に振り回されていく中で成長して行く、
青春小説。関わりたくないと思える人が意外といい人だったりもする。


・怒るべきときに怒ったり、言うべきときに言ったりすることができない。頭の中では怒りの文句が次々と羅列されるのに、
すべて飲み込んで穏便に済ませてしまう。
そしてあとから猛烈に後悔するのだ(略)
でも、その一方でけんか腰になることを美しくないと
考えている自分がいる。争いはできるだけ避けたい。
争いは次の争いを生むだけだ。穏便がいい(略)
落ち着いてきたら、自分の取った態度が正しく思えてきた(略)
話の通じない人間に怒って抗議したところで、なにになるというのだ。
問題は心に残る不快感なんだろう(略)
不快感を覚えないほど強くなればいいのだろうか。
それとも、
言いたいことを最初から言って不快感など抱かなければいいのだろうか。
まだまだ心の修行がたりない P9

・拒んだり、否定したりすれば、相手は傷つく。
傷ついた相手を見れば、今度は自分が傷つく。
それがいやでイエスと答え続けてきた。
弱いゆえの事なかれ主義だった(略)
ノーと意志表示しないととんでもないことになる(略)
自分の本当のイエスのために、傷だらけに前進する P274

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