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言葉の宝箱0827【仕事っていうのは、つまるところ、人の気持ちを考えることではないか】


『海の見える理髪店』荻原浩(集英社2016/3/30)


伝えられなかった言葉。忘れられない後悔。もしも「あの時」に戻ることができたら。母と娘、夫と妻、父と息子。近くて遠く、永遠のようで儚い家族の日々を描く物語。誰の人生にも必ず訪れる、喪失の痛みとその先に灯る小さな光が胸に染みる家族小説。
『海の見える理髪店』『いつか来た道』『遠くから来た手紙』
『空は今日もスカイ』『時のない時計』『成人式』六話短篇集。
第155回直木賞受賞作。

・何かを決断したり、変えようとする時に、床屋へ行く、
そういう方、案外に多うございますもの(略)
転機に髪を切るのは女性の専売特許ではなくて、男も同じ P10

・人の視線というのは分け目のほうに向くものなんです。
利き目と視線が合えば、その方の表情もいきいきして見えます P10

・こうありたい自分と、
現実の自分というのは、往々にして別なものなのでしょうねぇ P12

・仕事っていうのは、つまるところ、
人の気持ちを考えることではないか(略)
お客さまの気持ちを考える。
一緒に仕事をしている人間の気持ちを考える(略)
どんな道でも、成功される方というのは、
人の気持ちを読む術に長けていらっしゃるんです。
人情家というわけではなく、
人の頭の中身を透かし見る能力とでもいいますか、
人たらしと申しましょうか。
言い方は悪うございますが、
みなさん、いい詐欺師になれる素質がある P14

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