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言葉の宝箱 0437【女の人にモテるのって見た目じゃないよ。どれだけまっすぐな言葉をかけてあげられるか、どれだけまっすぐなことをしてやれるかだよ。言い換えれば、頼りがいがあるかどうかかな】

『はとの神様』関口尚(集英社2011/4/10)


転入したての5年生みなと。父の仕事の都合で各地を転々、病的に潔癖な継母との毎日に何かを待ち続けていた。同級生悟は物知り博士。父が鳩レースにのめり込み母と離婚していた。そんな二人が鳩を拾う。持ち主のオランダ人に届けに行き、同い年の娘ユリカと出会う。居場所のない者同士、響き合った三人は自分達だけで鳩を飛ばしに遠く稚内を目指す。
少年達の冒険と成長を描く長編。


・たとえ正しいことでも押しつけられると逃げ出したくなる。
目をそらしたくなる。耳もふさぎたくなる(略)
いったいこれから
ぼくはどれくらいの嫌いなものにつき合わなきゃならないんだろう P6

・いったいなにを待っているのか、
それさえわからずに、今日もただただ待っている。
始まりを待っているような気もするし、
終わりを待っているような気もする P12

・人は逃げてもいいんだ。
すごくいやな状況や環境からだったら、逃げ出してもいいのだ P81

・意地悪な人って呪文を使うんだよ P89

・いくら物知りでも駄目なんだ。経験がなくちゃなんもできないんだ P109

・女の人にモテるのって見た目じゃないよ。
どれだけまっすぐな言葉をかけてあげられるか、
どれだけまっすぐなことをしてやれるかだよ。
言い換えれば、頼りがいがあるかどうかかな P157

・本当の仲間って
自分にとって都合のいい人のことを言うもんじゃないのよ P161

・やられたらやり返す。それだけだよ。大切なのは勝ち負けじゃない。
いまここで体を張れるかどうかだ。
男には
負けるとわかっていても立ち向かわなくちゃならねえときがある P165

・人間もなにかの本能にしたがって生きているんだろうか P184

・「大切なのはほかの人がやってるとか、そういうことじゃねえんだよ。
周りは関係ない。他人と自分を比べる必要なんてねえんだよ」
迷惑をかけないかぎり、他人と足並みがそろわなくたっていい。
そもそもそろえる必要があるのは学校に通ううちくらいだ。
いずれみんな散り散りになって、
自分と向き合って生きていかなくちゃならなくなる P223

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