言葉の宝箱0939【甘い言葉を弄しても、やがて来る将来は変えられない】
1ドルで70セントの高収益を得ると言われる世界最大のフィルム会社ソアラ社はまさにエクセレントカンパニー。パソコンがまだ高嶺の花の1992年、銀塩フィルム全盛期、働き盛りのソアラ・ジャパン社員、最上栄介は新事業のデジタル製品の販売戦略担当を命じられる。最上は半信半疑のままデジタル製品の売り込みを模索するが、その奮闘を凌駕する速さで、写真業界にデジタル化の波が押し寄せる。大企業ゆえのジレンマ、全く読めぬ消費者のニーズ、急速に一般化されるデジタル技術。次々と降りかかる難問に最上は立ち向かう。技術の進歩によって駆逐される産業と超優良企業の転落を描いたビジネス小説。
・いくら画期的技術だと、メーカーが力説しても、
ユーザーにとっては技術の革新性などどうでもいいことなのだ。
問題は、
そこに既存製品を凌ぐ利便性と必要性をユーザーが見いだすか否かだ(略)一目見てこれはいい! 欲しい!
つまり消費者に驚きを与え、購買意欲を掻き立てるような物でなければ
普及することなどあり得ないのだ P65
・心にもないことを口にするのは辛いものがある P71
・甘い言葉を弄しても、やがて来る将来は変えられない P324
・問題点を先に考え始めたら、話が前に進みませんよ P338
・大抵の人間は、前例のない仕事に直面した場合、
まず最初に否定的な要素を探し出し、如何に困難であるかを口にする。
しかし、有能な人間は違う。
否定的見解を口にするところまでは一緒だが、
必ず代替案を提示するものだ P349
・人をその気にさせるには、二つの方法がある。
一つは、新しい武器を提示し、それによって開かれる未来を見せること。
もう一つは、危機感を煽ることだ P372
・売れる商品に説明はいらない。
黙ってたって欲しくなるもんなんですから P391
・労働は
日々の生活の糧と、
憂い無き余生を送れるだけの基盤を得るためのもの P439
・人がいなくなれば代わりの人間が必ず出てくる。
それが組織というもの P441
・企業を船にたとえるならば、船は乗組員のものじゃない。
船主のものだ。企業でいう船主とは株主のことだ。
そして、株主の関心は、その船が幾らの利益をもたらすかにあって、
船の命運、ましてや乗組員の生命なんてどうでもいいことなのだ P444
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