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言葉の宝箱0273【東京と地方、どっちに住んでいる人間が豊かな生活を送っているか】

『デッド・オア・アライブ』楡周平(光文社2017/11/20)

日本を代表する総合電機の巨大メーカー・コクデンは巨額損失に端を発した不正会計の発覚から壊滅的な危機に追い詰められ、高性能の新型電池を使った市場開発のためにEV(電気自動車)の事業の可能性を探る。一方経営不振にあえぐ軽自動車メーカー・イナズミでも新たな市場を求め、EV開発へ動き出す。さらに世界的自動車メーカー・タカバの専務・野中は次世代車として、EVを打ち出すことで社内のイニシアティブをとるべく、そのイナズミに照準を合わせて動き出す。世界の状況が一斉にEVに向かって動きだしたいま先手を取らねば生き残れない。めまぐるしく変動する市場とテクノロジーの激流の中、企業の生死をかけて戦う男たち。
ビジネスの熾烈な世界を活写するビジネス・エンターテインメント。

・東京と地方、
どっちに住んでいる人間が豊かな生活を送っているかっていえば、
話は違うかもしれんね P172

・人はミスを恐れる。地位が上がれば上がるほど、ミスを恐れる(略)
あと一歩で頂点が掴めるとなれば、さらにそれに拍車がかかる。
となればだ、ミスを犯さず実績を上げる手段はひとつしかない。
得意なフィールドで勝負することだ P356

・次々と新しい技術が生まれる一方で、廃れゆく技術がある。
それが技術ってものの宿命だとは思います(略)
でもね、新旧交代を宿命づけられている技術って、
人の手によらないものが多いように思うんです。
伝統工芸品は人間によって生み出され、
人間の知恵、工夫によって磨き抜かれ、
人から人へ受け継がれ、今に至った技術を駆使したものなんです。
絶対に廃れてはならないものだし、
無くしてはならないものだと思うんです。
そうした意味でも、
新たな用途が生まれれば後継者も現れるかもしれないでしょうし、
技術もまた次の世代に受け継がれていくわけです P387

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