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変化の捉え方 - あなたは犬派?猫派?-

皆さま、ワクワクする新年度スタートしましたか?
私はありがたいことに年度跨ぎでのお仕事も多くバタバタ過ごしながらもワクワク過ごしておりました(擬態語多めですいません)。

新しい業界とのお仕事というのは、自分が知らなかった世界を知ることができるという意味で刺激が多いのもその理由の1つです。これまでの「常識」だったという業界あるある話を聴きながらも、そこから感じる変化を捉える作業ということは、人口動態の変化と疎外感"アノミー"にあるのではないかと私は捉えます。だから故に、周辺イベントに参加したり、こんな動きがあるのだと知る、だから私にとっては新しい出会いとは興味深い時間なのです。

ペットイベント視察

先週末3日まで開催されていた「インターペット」というイベントに参加してきました。今(令和)のペット産業を捉えている会社とそうではなく従来型でお客さまにプレゼンテーションしているのではと思う会社。なんだかそういう視点で回らせていただきながら各ブースでお話を聞いていて、これは業界だけの問題ではないな、と再実感しました。

ペット産業は、今まで"購買データの左脳の分析"でペットの行動分析を主体とし人間との関係性(犬チャンと猫チャンと飼育しているオーナーの関係)からのアプローチや社会変化などの動向分析をあまり注力してこなかったと感じます。素晴らしい研究機関とか行動学などの知見は多分にあっても、そこにオーナーとの心理的な要素は感じられない。そりゃ、言葉を発しない相手ですからね、わかります。とはいえ、共に暮らす相手。そこには何かしらの心理的な行き交いがあるのではないかと私は考えました。

私はもしかして猫好きなのか?

かくいう私の家には、飼い猫ではないものの毎朝訪問してくる猫ちゃんがいて、数日顔を出さないと心配でたまらない経験があります。野良猫ちゃんではない(とても毛並みも美しいので)ですが、いつもやってくる。そして私もついつい来ると思って期待していてフードを用意してしまう。私が出したフードが気に入らないと「今日もありがとよ」って顔をしながら帰っていく後ろ姿を見ながら、次の日のことを考えてしまう。

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幼少時代(実家)では犬を飼っていました(外犬でしたけど)。こちらにきてからは、犬を飼ったことはないのですが、友人の犬と一緒に公園にピクニック(単に遊びにいく)するくらい近い存在で触れ合っていたこともあります。だからずっと自分は「犬派」だとも思っていたんですよね。だからこんなにも猫ちゃんが訪れないことに振り回されるとは....苦笑。

ペット市場

自分の経験も相まって、ペット市場は変化が激しく従来までのペットという概念とは大きく変わってきたと感じています。特に、一人暮らしの猫市場の変化は大きい。そして、これがマーケットを動かしていると、思います。
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日本市場2030年。40代以上の未婚・死別・離別は、2444万人の一人暮らしのマーケットとなります。
・結婚しないミレニアル世代(上記数値に入らず)
・40から50代の未婚者
・60以上の高齢者
で、ペットと過ごされている方々の中には、家族やパートナーの存在価値を超えて、まるで恋人のような生活をしている方さえ見られます。
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ご縁をいただきコロナ期にリモートながらエスノグラフィーで追跡し、家庭内を覗きながら、その実態を企業の皆様と観察してきました。

まず驚いたのは「食事」は人間とペットが同じ時間に食べているだけでなく、「同じ食材を食べたい」ニーズが意外に高いのです。同じ鍋をつつきたいとか。しかもかなり野菜が、重要か役割で考えている方がいることにも驚きました。

また、ペットとの生活のために、よりよい住居環境に引っ越すことで、ペットを迎えるという意識が高い方もいます。しかも10年以上の計画で考察しています。パナソニック住宅など、猫専用や犬専用の住居開発、インテリア対策はこれからさらに進むでしょう。

つまり、単なるペット市場ではなく「ペット+人間」の共存一体マーケット、いわば徳川綱吉以来のペット様々市場になっているようです。

やっぱり猫が好き?

特に猫ちゃんです。これは、ロボット開発で有名な中国深圳のPuduとお話ししたときに独り住まいの方が、好んで猫を飼っているというリサーチ結果があるという話も伺っていました。

深圳のように、独身者多く平均28歳の都市では、猫だらけであることは、人間の疎外感を避けることとの関係性がかなりあるとかと思います。
ペットとIT関連、金融などでの職業のオーナーとが、親和性が高いことも、彼らとのやりとしの際に強く感じたことです。

ペットテック

関連して、昨日の日経に掲載の記事です。
【今やペットフードだけでなく、ペット病気予防市場のデータ活用が、膨大なマーケット(日経新聞 朝刊/4月6日)】

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①世界のペットテック市場は約2兆5000億市場(2028年推定)。2021年の4倍に拡大。(グローバルマーケットインサイツ)
cf)日本の猫飼育頭数は、約900万匹。注目すべきアメリカは,その10倍。※ペットテックは、日本企発からアメリカなど,海外展開への事業戦略へ。
②今や日本企業から,アメリカ市場への参入企業がスタートアップで増えています。
③主な企業動向:
   - RABO やシャープ、猫の病気予防に役立つ排泄情報機器
   - RABOは、Catlog Board 飼い猫用のトイレの下に置くことで、排泄量や回数などを記録,飼い主のアプリ通知して,体調変化に気づきやすくする。
   - ユニチャームとV Cから約13億円を資金調達へ
   - トレッタキャッツ
  重量計とカメラを組み合わせたトイレ開発、動物病院の獣医と電子メールでの自動共有

結論

今回はペット産業から見てきましたが、こういうちょっとした変化の兆し、そしてそれをどう捉えるのかは日々の生活にあるちょっとした見方への訓練でもあると思います。私自身はいろんなことが気になってたまらない質でもあるのでああだのこうだの話していますが、何が気になるのはあなた次第でいいのだと思います。別に何も見えなくてもいいのです。

ということで、シンプルすぎる本日の結論。
市場の変化が激しいのは「一人暮らしのやはり猫」だな。
え、それだけの結論か?笑

(完)