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ある1人の女の子

小さな頃から

どこか遠慮がちで内気な子供だった

小学4年生まで、髪はキノコみたいな髪型だった

よく女の子に間違われていた

サッカーが大好きで

1人でいることが好きな

子供だった

そんな自分が、いまなぜか踊っている。

高校の時に、進路を決める学校説明会があり

隣の学校の説明を聞いている女の子が

「将来ダンサーになりたいんです!」

と、言っている声が聴こえた。

僕は思った

「オマエバカじゃねーの?」

「ダンサーってなんだ?」

「そんな職業あるのか?」

「夢みたこと言ってんじゃねーよ」

「ここ北海道の田舎だぞバカやろう!!」

自分の人生のなかで

はじめてダンサーとゆう言葉を聴いた気がした


そして2年後

女の子を、心の中でバカにしまくった自分が

まさかの、ダンスをはじめることになる。


ダンスをはじめたときの感想は

「ダンス最悪。」

まさに大っ嫌いだ。

ズバ抜けた踊りの下手さ

振りの覚えられなさ

カウントを数えろと言われているのに

それすら、すぐ忘れる

あるのは空回りの情熱だけ

哀れなピエロのようだ

そのくせ

振付の時の、みんなのセンターの譲り合いが

大嫌いで。

生贄のように、ピエロはセンターへ。

狂気の舞を披露することになる。


そんな自分が

踊りはじめて20年

いまだに、踊っている。

顔も見なかったけど

あの「将来ダンサーになりたいんです!」

と言っていた女の子

バカにしてごめん。

僕はいま踊っています。


鈴木陽平(Dancer/Choreographer)

国内・海外問わず数多くの舞台に出演し、現在では映像作品・CMへの出演や振付・演出・舞台制作など活動は多岐に渡る

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