【気象感度】セロトニンは瞑想でも増やせる。メラトニンとは何が違うんだ?
『気象感度』と言う言葉をご存知ですか? 例えば大型の台風が到来することで偏頭痛を発症する方がいますが、これはご自身の身体が気象状況に敏感であると言え、これを気象感度と表現します。
私たちは常に自然の中で生活しているため、何かしらお天気の影響を受けています。例えば、雨の日にどんよりした気分になるとか、密室の中で過ごすと気持ち悪くなり、やがて体調不良を来すことがある。
僕自身、とあるメーカーで外光の入らない開発室にこもりっぱなしで作業していた時は、長時間そこにいると吐き気のようなものをもよおし、気分が悪くなった。そのため定期的に外出して光を浴びるようにしていた。
在宅仕事が一般化しつつある昨今、外出するのはせいぜい食事のための外出のみとなり、日光に当たる時間が短くなっているのは想像にたやすく、徐々にメンタルへの影響が出てきた経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
では具体的に、なぜ日光の有無で私たちの気分や体調は変わってしまうのか? それは日光を浴びることで、私たちの体内からセロトニンと言う物質が発生するためだ。
セロトニンは脳を活発にさせる働きがあるほか、感情のコントロールを上手にしてくれる作用がある。前頭前野副外側部が感情抑制の役割を果たしているが、この人が弱まると衝動的な行動を取りやすくなってしまう。
キレやすい人はこの機能が弱っている可能性があると言える。カルシウム不足はキレやすいなんて言葉を耳にされた方もいるでしょうが、セロトニン不足が原因なわけだ。
このセロトニンを意図的に増やすこともできる。それが瞑想だ。『仏教と脳科学』の本によれば、ヴィパッサナー瞑想を推奨している。
ヴィパッサナー瞑想とは、今この瞬間に身体が感じていることへ意識を向ける瞑想だ。呼吸することで空気がどこを伝わっているのか、足のどの部分に体重がかかっているのか、どんな風を身体が感じているのか、などなど。
ある研究によれば、一度に15〜20分の瞑想を毎日続ければ2〜3週間後あたりから効果が出始める、なんて効く。
瞑想はうつ病の予防・対策に使われる手段としても知られているほか、集中力を平衡化するなどの効果も知られている。
Googleの社内には瞑想部屋を設けるなど、いま世界的に瞑想が注目されているのはこんな背景があってのことだ。
ちなみにセロトニンとともによく聞くのがメラトニンだ。こちらも太陽光に影響して体内で分泌されるホルモンだが、こっちは寝ている間に分泌される。
要は体内時計を整えてくれるホルモンで、他には細胞の新陳代謝を促し、疲労回復にも務めてくれる頼もしいやつだ。
日光の入らない部屋での作業や、夜勤中心の生活となれば、そりゃ身体がSOSを発信するのもうなづける。
人間が人間らしく生きるためには、日光を浴びて、身体を動かし、しっかり寝ること。早寝早起きは理にかなったことわざに思える。自分の身体の声、もしかしたら天気が原因かもしれませんね。
参考:https://www.tainaidokei.jp/mechanism/3_3.html
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