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「ドイツ暮らし」を叶えた「つながり」のつくり方。

31歳で脱サラし、4年近くドイツ暮らしを経験した僕。留学先としてのドイツは英語圏ほどメジャーではないので、いろんな人から「留学したいんです」「情報が見つからない」「家や働き先、どうやって探しましたか?」と聞かれることも増えてきました。そこで自分の経験談をまとめてみたところ…、長くなってしまったので結論からお伝えします。

「ドイツに行きたい!」と声に出して、いろんな場面でいろんな人に言い続ける。

「え!? そんなこと?」と言われそうですが、はい。これに尽きます。

これからドイツ留学を目指す人がこのnoteにたどり着いてくれたなら、それも何かのご縁。参考になればさいわいです。

僕の経験談ですが、やってきたことをお伝えします。どうぞ。


1)会社の海外研修を活用する。

当時働いていた花屋の研修にドイツ研修がありました。当時からドイツに行きたい気持ちがあったので様子を見る絶好の機会だと思い、応募し続けていました。ただ年間10名程度の選ばれしメンバーだけが参加できる研修のため、そう簡単には合格できません。一定の社内の技術試験をパスすることや、「研修で学んだことを研修後の業務にどう活かせるのか」をまとめたエントリーシートなども求められます。そこで社内外問わずコンテストに応募したり、講習を受けたり、研鑽を重ねました。少しづつ結果も出始め、今年こそはという5年目。なんと、海外研修が会社の制度から無くなってしまいました…。

2)インターネットでリサーチする。

「ドイツ」「留学」「花」「マイスター」など、思いつくフレーズを片っ端から検索し続けました。現在は情報もだいぶ増えましたが、当時はまだあまりヒットせず。

調べながら当時気づいたのは、ドイツ在住の日本人フロリストで情報を発信している方が、フランス在住の方等に比べて圧倒的に少ないということ。(なので、僕の情報発信が誰かのお役に立てたら、本当にうれしいです)

当時は、noteもInstagramもTwitterもまだありませんでした。Mixiから徐々に移ってきたFacebookは、ほぼ知人とのコミュニケーションを保つためのSNS。かろうじてドイツにゆかりのあるフロリストのブログを見つけても、数年間更新されていない古い情報ということも。その中でようやく見つけた方や、留学斡旋団体にコンタクトを取りました。

こうして、こつこつ集めてきた情報たちですが、ドイツへ行く方法として分かったのは、このぐらい↓ でした。

斡旋団体があります。しかし、マイスター学校に通うためのものではなく、その前段となる職業訓練(Ausbildung)のためのもの。これでは、マイスター取得までにかなりの年月がかかるし、斡旋団体に支払うコストも割と高額。
■ 短期留学:学んでみたい!という方向けに、1週間や1カ月の短期留学のカリキュラムもあるようです。会社で行くことができなかった海外研修の代わりとしては良いかもしれませんが、コストはそれなりに高額。また、ちょっぴりお稽古事としてのイメージが強く、マイスターを目指す僕には目的・内容・コストが合わず。
インターンシッププログラム:働いてみたい!という方は、斡旋団体を通してインターンシップも可能。ただし、ほぼ「無給」。
長期でドイツライフを送ろうと思うと無給なのは気になる部分だけど、現地でコネクション作るためには、きっと「現地に行く」ことが大切なので、やってもいいかもしれません。
■ ワーキングホリデーや語学留学のビザを取得し、まずはドイツで生活をスタート。そして、現地で自分の足で働ける店を探すという方法もあります。(ドイツで出会った日本人の方は、結構これにチャレンジしている人もたくさんいました)

※ 当時と今とではSNS環境も異なるので、もっと情報を集めやすいと思います。粘り強く探してみることをおすすめします。

3)会える人には直接会いに行き、想いを伝える。

インターネットで、ドイツ経験のある日本人フロリストの方を見つけてはメールで連絡を取り、その中の二人へ直接会いにも行きました。当時僕は福岡に住んでいましたが、そのために関東へ足を運び、数回レッスンも受けました。

冒頭でお伝えした、「ドイツに行きたい!」と声に出して、いろんな場面でいろんな人に言い続ける とは、結局この行動が大きかったのだろうなと思います。

その中で、偶然とても身近なところにマイスターの方がいることが判明しました。なんとマイスターである日本人女性の方が、僕が働いていた会社の、しかも配属された勤務地と全く同じ場所で、僕が入社する5年ほど前働いていたというのです。この方にももちろんコンタクトを取りました。そして、僕の場合は、この出会いが後にドイツ行きの大きなキーパーソンとなります。


行動で手繰り寄せた「ご縁」と、少しの「運」

さて。
僕の場合、会社のドイツ研修がなくなり、インターネットで探した情報があまりパッとせず、やや八方塞がりだったところで、30歳を迎えてしまいました。ワーキングホリデービザが使える年齢ギリギリです。
ドイツで少しだけインターンをさせてくれるお店が見つかりかけていたけれど、急に白紙になり…。とにかくワーホリのビザ片手にドイツに行くしかない!見切り発車だけど、現地に行ってみて働ける場所を探すしかない!と思った矢先、声をかけてくれたのが、先述のキーパーソンさんでした。

彼女は、ドイツでマイスターを取得した後、一時期日本に戻り僕と同じ会社で働いていたのだそう。その後再び渡独し、ドイツ・ケルンのお店で働いていました。そのケルンのお店が、偶然人手不足になり、お花の実務経験があるスタッフを募集したい、日本人でも問題ないという状況になったというのです。

そこで、ドイツに行きたいと言い続けていた僕のことを思い出し、声をかけてくれたのです。ありがたいご縁。

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声がかかるのがあと1カ月遅ければ、僕は本当に行く宛もないままとりあえずドイツへ出発せざるを得ない状況でした。このタイミングは、本当に奇跡

結果、渡独後すぐにドイツの花屋で僕も働くことができた(住み込みなので、家も確保!)のです。しかも、最初は「一年だけ」という期限付きの条件だったはずなのに、働いてみたらお店のオーナーが僕のことを認めてくれて「このお店に居たいだけ居ていい」「ぜひマイスター学校にも行きなさい」と言ってもらえるように。

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さらに、僕とケルンのお店を繋いでくれたキーパーソンさんと、お世話になったこのお店のオーナー。なんと、二人とも僕が通いたいと夢見ていたマイスター学校「Staatliche Fachschule für Blumenkunst Weihenstephan」の卒業生だったのです。(ドイツ国内には、複数のマイスター学校があるにもかかわらず‼︎)

このお店と出会えたことで、マイスターへの道が一気に現実味帯びました。

情報が集まらなかった8年間は何だったのか!と感じるほど、最後カチカチッとパズルのピースが揃ったような感覚で、が良かったと感じています。


後から言われたことは「運も実力のうち」。そしてその運を勝ち取るために行動し続け、「ドイツに行きたい」と言い続けた結果だと。

そうなのかもしれません。
8年間「ドイツに行きたい」と言い続けなければ、このお店との出会いは巡ってこなかったかもしれない。そしたら、僕はまだマイスターになれていないかもしれない。

これからドイツ留学を目指す方、フロリストマイスターを目指す方、皆さん欲しい情報が見つからなくて困ることがあるかもしれません。特にドイツの場合、職場探しだけでなく家探しも大変だと思います。でも、本当に叶えたい夢なのであれば、どうかあきらめずに行動してみてください。そうすれば、どっかで縁がつながるし、運も味方してくれるはず!相談はいつでも受け付けますので遠慮なくご連絡ください。

また今は新型コロナウイルスの影響を受けて、行きたかったタイミングがどんどん先になってしまっている方もいると思います。その分しっかりと日本で情報を集めるチャンス。日本で準備するチャンスと捉え、ぜひ前向きに動いてください。後に振返って、「あの時は無駄じゃなかった」と思える日が来ますように。
応援しています。


▼ なぜ僕が希望した留学先がドイツだったかという話は、以前の記事をご覧ください。


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