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#余白 #ひと休み

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深呼吸。
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#日記

「あけましておめでとう」も言えなくて、春。

「あけましておめでとう」のたった一言さえ綴ることなく、気づけば桜は早々に散っていて、いつの間にか春の輪郭もぼんやりしてきている。 相変わらず、暖かい日もあれば肌寒い日もあって、春と冬の終わりを行き来しているような日々だけれど、自分自身も例に漏れず、自宅と職場を行き来しているだけの日々。 毎年、桜を見ると、初めてそれを目にしたかのような感覚に陥る。 だからなのか分からないけれど、桜の存在が無条件に嬉しい。 面倒くさいこともそうでないことも、知りたくなかったこともそうでな

最近、小説を読む気になれない

「趣味はなんですか?」と聞かれれば、たいてい「小説を読むこと」と答えていたけれど、どうもそれが難しくなってきた。 かれこれ半年くらい全く小説を読んでいない。 どれだけ日々忙しなく過ごしていても、小説を読んでいる時間は特別で、心身ともにリラックスできる数少ないひと時だった。 ただ、最近は小説を読む時間が「もったいない」と感じている自分がいる。 自分は、読み始めたらそのまま最後まで読んでしまいたい人だから、一冊読もうと思ったら、少なくとも2時間程度は必要になる。 その2

気づけば木曜日だし、気づけば夏が終わっていた

毎週、ふと「何曜日だっけ?」と思うとだいたい木曜日だし、毎年「今年の夏ももう終わりか」と、決まって夏の終わりに今年の終わりを感じている。 「ああ、こうやって年取って、人生終わっていくんだな」 時の流れの速さを何となく「人生」で表したくなってしまう、今年ももうそんな季節。 年末の誓い、年始の決意、新生活への期待、夏の始まりに寄せた希望、それらはもうどこかへ置いてきてしまった。 年末年始に一生懸命立てた目標や計画、それらが何だったかすら憶えていない。 すっかり慣れた新生

「よはく」の難しさ

何の心配ごとも気がかりなこともなく、まっさらな気持ちで過ごせた休日。 最後にそんな休日を過ごしたのはいつだろうか。 仕事のこと、家族のこと、人間関係のこと、そんなあれこれが常に頭の片隅にあると、体は休めていても心が休まらない。 そうと分かっていても、「心を休め、余白をつくること」は難しくて、脳内では過去の後悔や未来への不安ばかりが目立ってしまう。たとえそれがほんの少しの割合でも。 片付いていない仕事、返さなきゃいけないメール、追いつかない数字、進展のない二人の関係、そ

眠れない週末

眠れない。 いたずらに時間が過ぎていくのを、布団の冷たいところを足で探しながらただただ感じている。 眠れないのはどうしてだろう。 さっきまでブルーライトを浴びていたからなのか、今日はあまり疲れていないからなのか、それとも、何かやり残したことがあるからなのか。 眠れない時に限って、頭の中は忙しい。 日中頭を悩ませていた問題の解決策が思い付いたり、新しいアイデアが思い浮かんだりする。目を背けている何かに憂うこともある。 そうして冴え渡って、ますます眠れなくなる。 大

眠れない夜が好きだった

眠れない夜、眠る前のあの余白の時間が好きだった。 まだ幼かった時、真っ暗な部屋の中で僕は宇宙にいた。 人に話してもあまり共感されなかったけれど、眠れない時はたいてい、宇宙や死、「眠る」という行為について考えを巡らせていた。 真っ暗な部屋がそうさせていたのか、眠る前独特の心理がそうさせていたのか、はたまたただの好奇心か、どうだったのかは分からない。 「宇宙ってどこまで続いているんだろう?」 「死ぬってどういうことなんだろう?」 「眠る瞬間ってどんな感じなんだろう?」

週末の小さな決意

やりたいことが無いなら、何でもまずやってみれば良い。 「千里の道も一歩から」 古の教えを、そう解釈してみた金曜日。 良い週末の命運は金曜日にかかっているかもしれないと思うと、何だかそわそわする。 さて、「何でも」と言っても何をしよう。 せっかくなら、今までやったことのないことをやってみるのはどうだろうか。 例えば、食べたことのないものを食べてみるとか、降りたことのない駅で降りてみるとか、ほしい物リストの一番下にある商品を買ってみるとか、何でも良い。 「そういえば

目まぐるしい日々に1冊の小説を

目まぐるしい日々を送っていると、ゆったりとした時間が恋しくなるし、ゆったりとした日々を送っていると、目まぐるしく過ごす時間が恋しくなる。 ないものねだりな僕らは、そうやって人生のバランスを取っている。 週5日以上働いて、週2日以下休む。 1週間はあっという間で、平日忙しなく働くと、休日はゆったりと過ごしたくなる。 けれど、家で何もせずぼっーとしていても、ネットサーフィンや動画鑑賞をしていても、物理的にはゆったりしているはずなのに、不思議と残るのは虚無感だけだ。 一応