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トリシャリーラ/三つの身体

カラダってなんだろう?

鏡が目の前にない今、わたしに見える身体は手、足、そして胴体の前側。
そう、それしか見えません。
鏡の前に立つと、顔や髪の前か横、首元、そしてツイストすれば少しは見えてくる背面の一部。

では、目をとじて感じる身体は?
息づかい、鼓動、体温、そして身体と思っている枠。まぶたの奥の光、鼻の奥に通り抜ける海の香り、爽やかな風の冷たさを感じる頬、鳥の声に鼓膜を感じ、まだ残るお茶の味に舌を思い出す…といった外の世界とつながろうとする五感の存在。血液の色や内臓の音までは見えないし、神経を感じるとることも難しい。

ヨーガをはじめるとこの身体の世界が果てしなくひろがっていきます。
最初は「なんとなく」の感覚が「なんでだろう」に変わり、この広がりを共有できる機会もたくさん経験することができました。
しかしながら、どうしても感じることは今までの経験や印象でみえることが多くを占めてしまいます。
皆さんの感じる世界と私の感じる世界が異なったとしても、きっとひとつに美しさがありそこにたどり着くひと時をヨーガが与えてくれているように思います。

この探求の手引きとして「トリ・シャリーラ」という教えがあります。


「トリ・シャリーラ」
ヴェーダンタ哲学によると、私たちの身体は以下の3つに捉えられます。

① ストゥーラ・シャリーラ(粗大身)
物理的な肉体としての身体。魂の経験のための道具である。

② スークシュマ・シャリーラ(微細身)
心と生命エネルギーの身体であり、肉体を生かしている。
5つの感覚器官(鼻、舌、目、皮膚、耳)、5つの行動器官(排泄器、生殖器、脚、手、口)、4つの機能(アンタカラナ)、5つの生命力(循環、排出、消化、呼吸、くしゃみなど口機能と関連する流れ)を含む。

③ カーラナ・シャリーラ(原因身)
粗大身と微細身の原因であり、これは過去の経験の結果である印象を含み、無知や行動、癖、さらには輪廻転生の原因がある。
そしてこれは至福からできている。深い眠りのあと目覚めたときや、瞑想の対象と一体となったときに体験できる身体。



肉体という身体に丁寧に向き合うことで感じはじめる体内に巡るもの。その巡りは目に見えなくても確かにあるということを思い出させてくれます。その感覚に出会えた時に皆さまと共有する喜びはただシンプルに美しい瞬間。
きっと日々の瞬間瞬間がそうであるはず。

まずは目に見える身体から。愛おしく思い向き合っていけるように。


今回はウォーミングアップに取り入れる内容の一つとして「ストゥーラ・ヴィヤヤーマ(全身エクササイズ)」の一部、全身強化エクササイズをご紹介します。
目に見える身体でさえ、いつも全てが見えているわけではないこと。練習をすることにより、見ているはずのものでさえほんの少ししか見えていなかったということに気づきます。その気付きにより無意識を超えていく力に出会えるはずです。

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サルヴァンガ・プシュティ〜全身強化エクササイズ

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2022年度はインド政府Ayush省公認ヨーガプロトコルインストラクターとして正式にお伝えできるCommon Yoga Protocolをご案内しています。これはインドの国立ヨガ研究所が提示している共通手順です。
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Chisato Iwamoto

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