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2023年読書評27 招き猫と映画

「黒い招き猫」
都筑道夫
ショートショートと短編が混ざったもの。おおむね、ホラーといったジャンル。
どうも私は怪談とかホラーは好きではないので、この本のオチが怖いもの=不快なものになっているのが不快でした。
尊敬する作家ですが、晩年のホラーも好みではない。ただキラリとした短編もあるのも事実で、この作品集では「夜のオルフェウス」がずっと気になっている作品。オチは好きではないが、神話と過去に戻るという設定がよい。
オチを変えて、もっとノスタルジックな読み物にしたら代表作になったかも。

ただ、これはごく初期の作品集ですが、SFではなくホラー=怪談を書こうとしているので、読み手次第では合わないと思います。



「サタデーナイトムービー」
再読
都筑道夫
これは何回も読んでいる本ですが、主に80年代の映画の評です。
私は映画ファンですが、この時代の映画は良かったと思います。というと老人の思い出補正か、とお思いになると思いますが、確かにそれもあると思います。

しかし皆さん、スターウォーズがディズニーによって改悪されてしまったというのは万人の共通の意見であると思います。
007もそう。私見では12作目以降はダメ。12作からジョングレンという無能監督になってしまい、制作が前任のブロッコリの娘になってしまいシリーズは終わった感があります。(ダルトン、ブロスナンは好きですが)

現代の映画はシリアスで、くだらなさがない。どうやって撮ったのかと思うような~おそらくCGを使ってだろうが~すごい映像です。
でも、心がわくわくしない。
シリアスだけど、ユーモアがない。映画の神様ヒッチコックいわく、映画にユーモアは不可欠。私もそう思います。
映画も政治も世界も先の時代の戦後復興から、二世の時代になって壊された感があります。

そして現代人は
・漫画ばかり読んで本を読まない
・AVやネット、ポルノの反乱、出会い系の普及で性的に堕落している
・ゲームばかりしている

つまり、退廃して、自堕落、悦楽的
=まさに悪のアトランティス人の再来というわけです。

このような世界だからエンタメも荒涼とした殺伐としたものになってしまっているのです。
加えて、私が予言しているように、世界ではアメリカの時代は終わります。その序曲というわけなのです。
そういう意味では私は日本人が自国の音楽を聴き、自国の映画を見るようになったのは正しいと感じるのです。

でもこの本は、昔の良き映画を思い起こさせてくれるというわけなのです。

この本は週刊誌に連載されていたものを単行本化したものですが、連載期間は昭和52年から54年の間とのことです。
この時代は1977年から1979年までの間で、ある意味最も映画が面白かった時代と言えます。
今見ると古臭いかも知れませんが、見る側からするとワクワク感があったのです。そんな時代でした。
今はどんなに映像が優れていても、実際のところ映画にワクワク感がないように感じます。漫画もゲームも音楽もワクワク感がない。残酷なものも多く、殺伐としている。
実は昔の作り手との大きな違いは、昔の作り手には倫理感があったということなのです。
所詮映画は作りものであり、その中でいかに観客を心地よくできるかが意義であると私は思うのですが、現代の作り手の多くにはこれが欠如しているから荒涼としているのだと思うのです。


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