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#JJインド神話 9〜ベッドシーン、後半戦

風のない熱帯夜。
ぬるい空気をかきまわすだけの天井のファン

ここ数日アーユルヴェーダの施術で連日のフンドシ姿をさらしてた私、ブラとパンツなんて水着的な正装とさえおもえる

変わらずツッコミ役不在のまま、淡々とした時間が流れてる。

いつのまに間接照明と停電用のキャンドルが焚かれ、要らぬムーディとローズオイルの香り

指示されたヨガのダウンドッグをする私の腹を、彼が下から寝そべりお腹のマッサージをしてるとか意味不明すぎ。

(前回のあらすじ)

今おもえば、よくシラフであの境地で真面目にセッションしてたと思うから、やはりあの夜は彼が謎のエネルギーをあやつってたとしても不思議じゃない

ボクの目を見て!しっかり!!

息づかいが荒いぞ

うーんちょっとよくわからなすぎて飽きてきた
これ私が流れ変えないと終わらないやつだ

ちょっと水を差してみようと、きになってた質問を投げた

「ところであなた男の子と女の子どっち好きなの?」

ボク?男の子が好きだよ?

やっぱり!という類の安堵感と直感の正解がうれしくて、わたしなりに張ってた気がゆるんだ

そこからガールズのパジャマパーティーばりにベッドに横になった私たち
(実際パジャマどころかパンツパーティーだけど)

宗教上の理由とジェンダー問題の葛藤、センシティブな話題がつづく。
衝撃的&プライバシーもあるのでここでは割愛

でもあなた女の子からモテるでしょ、

モテないよ!全然モテないよ!
好きな人からじゃなきゃモテるとはいわないよ!

それまでケラケラ笑いの響いてた空間に、一瞬しんけんな空気がながれる

アンタいい人ね
ごめんね取り乱して。ハグしてもらっていい?

とつぶやく彼を私は黙って抱きしめた
ら、彼のもつ華ゆえのの寂しさが私に流れてきた気がして。それを愛に変換できる力を私がもってると祈るような気持ちでギュっとしてた

どちらの汗かわからないペタペタをはがすように彼は離れてその澄んだ目でこう言った

『君、もしかして男、でしょ?』

は?

内心私はどきっとした
なぜか、その瞬間すごい、見抜かれた!と思った自分がいたからだ (!)

ボクにはわかる。君のスピリットは男だよ
だってボク、ムラムラしてきたもん

おーいラマダン!
変な気おこしたら退場だよ

『大丈夫、ボク女は抱けないから』

冗談のその向こうで、言った本人が絶望するような響きが部屋にのこった

帰るね、そろそろパパから呼び出しがあるよ、もうすぐお祈りの時間だから。厳しいんだ。と、分刻みのストーカーばりパパ着信のケイタイ画面をこちらにみせて、彼は服を身につけはじめた。

くるりと振り返り、

『ねぇボクが帰りたくないてゆったらどうする??ボクが帰ったら君さみしい?

ね? お願い、さみしいでしょ?』

も〜なんなんだよ  笑   

よしよし、気をつけて帰るんだよ
お別れのハグをしに引き寄せた私の男前もまんざらでなく

笑いの後、ドアのまえで彼は振り返り、まっすぐ目を離さないまま

『 ねぇ、キスしていい? ‥‥!! ( ドーン!)
 今からボク、君に近づいていくよ 』

一歩、一歩とこっちへくる !

 『 ねぇ、ボクとキスしたい? 』

その質問の答え、この瞬間、私にみつけられない。

無言のYESになってしまうのか。

彼のつぎの行動より、自分の気持ちの行き先を見守るような、真剣な、間。

数十センチ先まで彼が近づいて来た時

やはり抵抗ある、停止してたマインドに答えらしき感情が湧きもどる、と同時に、私はそう答えた

うん、今ボクも近づいてみたら同じこと思った!♡

笑い合う

『いいかい覚えておいて。いまのもボクが伝える最後のセラピーだったんだ。心の些細な変化にいつも忠実でいて。

ハッピーか、ハッピーじゃないか。』

といった瞬間、ばつん!と停電がおきあたりは闇になる

の次の瞬間、彼はキスをした (どひゃー)

停電はすぐにおさまり、部屋に明かりが戻る。 

しかし”試行”の結果、お互いナイわ〜、という確信を得たら早かった、感傷の流れから一転

じつにあっさりと解散。バーイ!と去ってった。

やれやれ、ホントなんだったんだ・・・

部屋の内側から鍵をかけながら
この摩訶不思議な夜を振り返る

その晩、インドに来て初めて夢をみていたことにきづいた。久々まともに寝れたらしい、てことでセラピーは成功してたってこと?

晩ごはんのお礼にと、翌日アーユルヴェーダのクリニックのある街まで、彼は私を送ってくと言っていた。

彼はその約束を覚えているだろうか

それ以前に、彼は明日も実在してるのだろうか

それ以前に、私は彼にまた会いたいのだろうか

ハッピーか、ハッピーじゃないのか

つづく 




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