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Vol.7 | おばあちゃんの大好きな、よく泣くおじいちゃんの話

このnoteの記事を書くのは私にとっては勇気のいる事でしたので、

私の人生の応援団、強い味方の、おばあちゃんに相談してみました。

「あなたがやりたいと思った事、気になった事は、すべて気にせずやってみなさい。応援してますよ。」

と背中を押してくれたので、書いてみる事にしました。

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私のおじいちゃんは、孫たちをとっても可愛がってくれる優しいおじいちゃん。

いつもニコニコで迎えてくれて、怒られた記憶が、一切ない。

幼い頃はよく家に遊びに行くと

「このお菓子あるよ~。あのお菓子もあるよ~。いっぱい食べや~。」

と、孫たちにお菓子を次々と進めてくれました。

「美味しいか?」と聞かれるので、

私たちが
「うん!めっちゃ美味しい!!!^^」

と答える。

すると、おじいちゃんは決まって

言葉が出なくなる。

そして幼い私たちを眺めながら、目尻を下げ、

嬉し涙をポロポロと、こぼす。

おじいちゃんは、孫たちが美味しそうに食べるのを見るだけで、

感動して、嬉しすぎて、幸せで、

泣いてしまう。

子供の当時は、

「おじいちゃんまた泣いてる!なんで美味しいって言っただけで、すぐなくんやろ???」

と、さっぱり、わけがわかりませんでした。


* * *


私が物心ついた頃から、おじいちゃんは病で体が不自由になり、

一人では歩けず、日々の生活でおばあちゃんの介護が必要でした。

なので、一緒におじいちゃんと外で遊び回った記憶はありません。

おじいちゃんは、いつも机の決まった定位置に座り、

子供の私には難しいクロスパワードに一緒に励んだり、

パソコンで私がやるソリティアを見てもらったり、

おじいちゃんが急に出してくるなぞなぞ問題やダジャレに私が悪戦苦闘したり。

そして差し出されるお菓子を私が美味しそうに食べる度に、

おじいちゃんは、また、

言葉を詰まらせ、嬉し泣き。

「またおいでや~^^」と、帰りしなに

可愛い笑顔と優しく手を振ってくれるおじいちゃんが、

と~っても大好きです。


* * *


そしておばあちゃんは、自分の仕事もしながら、

おじいちゃんの身の周りのお世話を何十年してきました。

おばあちゃんは、旅行にも行かず、おじいちゃんと毎日を、共に過ごしました。

介護ってしんどいの?

と、おばあちゃんに、聞いた事があります。

おばあちゃんは、

「私よりも、おじいちゃん本人の方が悔しい思いを沢山してると思うからなあ。

本人は、辛いとかそういう気持ちを表には出さないけどな。

私が勝手に、あの人も難儀やろうなあ~と思って、

自分ができるせめてこれぐらいはやってあげたいな

と思ってるからね。

しんどいとかは思ったことないなあ。」

と言っていました。


おばあちゃんとのお出かけは長時間の外出が難しくて、よく

「おじいちゃんが家で待ってるからこの辺で~」

と早々に家に帰っていきました。


* * *

そして月日がたち、大人になった私。

友人だの飲み会だの習い事だのと、

自分の事に必死な私は、おじいちゃん家に遊びに行かなくなりました。

おじいちゃんとのなぞなぞダジャレ合戦や、

ソリティアも、

クロスワードも、

一緒にお菓子を食べる時間も、2人からなくなっていきました。

お正月に会う度に「またおいでや~^^」と温かく声をかけてくれていたのに。



* * *


そして社会に出て数年目、おじいちゃんが、寝たきりになりました。

はじめて様子を見に、お家にいった際に
「おじいちゃん、りなが遊びに来たよ~!」といつも通り明るく、声をかけました。

おじいちゃんは、もう、

いつもの机の定位置には座っていなくて、

ベッドから、

手を振りながら

「お~!お菓子あるからね^^いっぱい食べていきや!^^」と優しく言ってくれました。

少し痩せたおじいちゃんを見るのが辛かった。

その後も、頻繁にはおじいちゃんの家に行けませんでした。

今度は、自分の事で必死だからではなく、

現実を、受け止めたくなかったから。

弱い私は、いつまでも元気なおじいちゃんのままだと、思いたかった。

なので現実を見ることから逃げていました。

* * *

暫く月日が経ち、

おじいちゃんが病院に運ばれたと連絡が入りました。

病院につくと、看護師さんからは

「意識はないので、多分、今はもう喋りかけても、何も認識できないと思います。」

と言われました。

それでも私はおじいちゃんの手を握り、

「りなが来たよ~!」と話しかけました。

そしたら、わずかに、表情が変わった気がしました。

いつもの嬉し泣きの時の、あの表情へ。

おじいちゃんは、きっと私が来たのがわかり、いつものように心の中では嬉し泣きをし、心底喜んでくれていたと思います。。


* * * 

次の日の朝、おじいちゃんは安らかに眠りにつきました。

そこからは私の涙が止まらなかった。。

悲しい。悔しい。苦しい。寂しい。

あんなに大切にしてくれて、いつも応援してくれて、

何をするにも喜んでくれて

ずっと味方でいてくれた、大好きなおじいちゃん。

もっと、会いに行けばよかった。



* * *


おばあちゃんと私と二人で、今でもたまに、

おじいちゃんの話をすることがあります。

その時に、おばあちゃんが、私の心にとっても響いた言葉を話してくれました。

「この歳になるまで、数えきれないくらい本当に沢山の人達に出会ってきた。

けどな、私にとってはあの人が、やっぱり一番やったわ。」

と、穏やかに話してくれました。

おばあちゃんは、おじいちゃんの事が大好きなんだなあ。

そして、おじいちゃんも、こんなに愛されて、とてもとても幸せ者だなあ。

おじいちゃんのお世話をしながら支えて来たおばあちゃんは、

実はいつも前向きなおじいちゃんに、逆に、支えられていたのかな。なんて思いました。

2人とも、とても幸せな人生だったんだなあ。

素敵な、夫婦だなあ。

私もいつかおばあちゃんになった時に、後世たちにこんな風に話せる人生を過ごしたいなと思いました。

せめて自分の周りの人たちだけでも幸せにできるように力になれるように働いたり生きていきたいな、と。

* * *

ある身近な人が亡くなったとしても、

その故人の事を懐かしみ想ってくれる人がこの世にいる限り、

その人は亡くなったのではなく、

周りのその大切な人々の、心の中、胸の中で、今もずっと生き続けている、

と、私は信じています✿

なので、これからも私はおじいちゃんのことを
沢山沢山思い出そうと想います。

おじいちゃん、
いつも見守ってくれてありがとう🌼

長くなりましたが、最後まで読んで下さりありがとうございました🙏🌼

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前回の記事はこちらです。

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