さよならを言う時には
扉を閉じる時、ふと寂しくなる。
何かと自分を隔てる時、もしかしたらもう2度と開かないのではないかと心の隅っこで思う時がある。
さよならを言う時にはそっと愛を込めて。
こうして扉を閉じながら、さよならをして人は次の扉を開いていくのだ。
昔遊んだおもちゃを箱に片付けてお別れをする時、大切にしていた手紙を捨てる時、長年愛用していた服を手放す時、もう会えない人と別れる時。
別れ際には必ずちゃんと言葉にして別れを言う癖がある。それは物でも人でも変わらない。
「今までありがとう」「あの時は楽しかったね」。もう思い出さないかもしれない、思い出せないかもしれないから、このひと時だけでも思い出してあげるのだ。
積み重ねた時間と思いを無碍にすることなく、ちゃんと別れることは大切なことだ。次の出会いを大切にするために、これまでの自分、これからの自分を大切にするためにも、さよならを言うときには愛を込めていたいのだ。
そんなことの繰り返しだ。