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最近思うこと #9 イチニサンとニーニッサン

NCT NATIONに行ってきた。実は単独となると人生で初めてのKPOPのグループのライブ。招待してくれたお友達に本当にスーパーウルトラサンクスである。まさか自分が行けるだなんて思ってもなかったので、ずっと楽しみで仕方なかった。会場の味の素スタジアムに着くまでの間、周りのNCTファンのシズニの人たちの空気感に圧倒されて小さく丸くなりながら向かった。
会場に着くと目視では女性が9.5、男性が0.5くらいの割合に見えた。その0.5というのも彼女や奥さんの付き添いのような空気感の人たちだった。いつも行くライブとは当たり前に違う空気感を楽しみつつ、郷にいれば郷に従えという気持ちでその文化に飛び込む。リスペクト。

ライブが始まると、終わるまでとにかくずっと熱狂。終始熱狂。手を上げれば、声を出せば、眉を上げれば、叫び声でスタジアムは溢れかえる。ジッとこっちを見ているだけでもギャアアアアという叫び声が上がる。景気がいい。あまりに景気が良くてもはや羨ましい。俺だってキャーキャー言われたい。キャーキャー人生。生まれてきてからきっとくたばるまでキャーキャーなんて言われることはきっとない。でもそれでいい。
とても楽しかった。3時間に及ぶそれぞれのグループのパフォーマンスも、楽曲の強度も、花火や演出も、普通のライブでは味わえないお祭り感を楽しませていただきました。自分がその場所でアウェイであると感じても、自分に似合わないと思っても、自分が行きたいと思ったら今すぐ飛び込む勇気を持つことって大切だよね。もしもダメだったらその後で判断したらいい。そうやって自分の経験と知識を重ねていく旅を続ける。

ヘチャンの歌声本当に最高だったな…。



「お前いつ仕事辞めんの?」

会社の先輩から言われた。正直ずっと辞めたいと思ってるし、いつもネガティブな話ばかりするからだ。思えば昔からそうだ。「いつ部活辞めるの?」、「いつスイミング辞めるの?」、「いつ塾辞めるの?」、「いつバイト辞めんの?」。散々言われ続けた。辞めたがりな言動。辞めたがりな顔。辞めてばかりの人生だ。いや、実際には辞めてないのがミソなのだけど。辞めたい、辞めると言いながら残り続けるカスのような生き物とは僕のことだ。何事も中途半端にしかできない。辞めたい、どうせ辞めるし、と自分と周りに保険をかけて努力を怠って、中途半端な成績しか残せないままくたばっていくのだ。何も最後までやり遂げられない。消しゴムだってすぐ失くす。ゲームも小説も最後まで辿り着けない。ラスボスのダンジョン、ラスト15ページが自分にとっては重たいのだ。

別に開き直るつもりもなく、こんな自分を愛せないと思う。でもそうやって保険をかけて自分の逃げ場所とか隠れ家がないと心がもたないこともあるよね。そうやって逃げ場所を作って、上手くいかなかった時にはそこで膝を抱えてイジイジするのだ。でもしばらくしたらまた立ち上がって向き合ったりしてきた。だから昔から「なんだかんだ言いながら頑張ってるやつ」という評価に落ち着く。最初からやれよと言われることもあるけど。人には人のタイミングとやり方があるのだなと、自分を見ながら他の人のことも同時に思う。ダメなやつなので、ダメなやつなりの生き方がわかる。一緒に言い訳をひとり飲み込んで今日もやっていきましょう。


便利な世の中になったもんだよ。物心ついた時から便利な世の中は生まれていたのだけど、今では世界中の人が手元の端末を見れば同じものを同じ時に見ることができるのだ。これってすごくない? 北極の氷もオーロラも、極彩色の鳥の色も、ロックバンドのライブも、愛を綴ったラブレターも、みんながどこにいても同時に見ることができる。それは肌の色も言語も生まれ育ちの環境も関係なく手段さえあれば見ることができる。昔はその場所に行かないと見ることはできなかったわけだ。それが絵になり本になり写真になり、今では音まで聞こえる。昔の人はきっとその場所をさぞ想像力豊かに思い馳せていたのだろう。その想像が正しくても間違っていても、一度色濃く自分の中で想像してみるということは大切だ。

でもそんな時代の変遷を辿ったとしても月はすごいよね。そんな便利なものがなくても誰でも同じものを見ることができる。遠くの街に住んでいても、空を見上げた時に見える月はみんな同じものだ。間違いなく同じ月を見ている。それは何も場所だけでなく、時間をだって超えるのだ。自分が幼い頃に見上げた月とも同じ。自分がこの世界に生まれる前に誰かが見上げた月とも同じ。あのロックスターも、あの歴史上の偉人も、あのアイドルも、みんな同じ月を見ているのだ。


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