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直すという選択を通じて、一着でも長く着る。「fitu」の納期オプションに隠れた物語。

こんにちは、「fitu」プロダクトオーナーの神谷です。
今回は「fitu」の納期オプションが誕生した背景をお伝えできればと思っています。

前職で把握していた縫製工場の経営実態

私の知っている縫製工場は自転車操業が多く、できるだけ受注をプールしながら動かす事で経営が回っていた。
前職がオーダースーツを商材として扱っていた為、お客様のオーダーがないと工場に受注を流すことができずに、縫製工場としては経営が苦しくなることを工場長から実際に話をしてもらった。
その為、縫製工場としては、既製品の受注を受けながら、オーダーの対応も行うハイブリッドでオペレーションを回してもらっていた。
その時に、よく工場長からは
「納期を長く設定してもらえる受注は経営的にありがたい」
「早くを求めているお客様のニーズはわかるが、そこに合わせすぎると経営が難しい」
という発言を聞いていた。
工場長としては、お客様のニーズは痛いほどわかっている。でも、経営的な観点でやりきれないジレンマがあるの事実。
なぜなら、工場に勤める方たちの生活を背負っているから。

納期に対するユーザーニーズ

納期は早いに越したことがない。
それはまぎれもない事実だと思う。
ただ、納期を遅くすることで、価格が下がる、おまけが付くなどする場合、納期が早い事が正しいというロジックは変わってくる。
何かプラスの要素を加える事で、多少考慮できるというコトを過去のtoC向けサービスの企画、運営で理解していた。
しかし、今までのサービスではその等価交換をサービスやオプションとして実装できなかった。
それは、本当にニーズがあるか?ほかに優先すべきことがあるのでは?という社内調整で疲弊した為だ。
ただ、今回は自身がプロダクトオーナーとして裁量を持ち動かす事を決めた為、私が正しいと思う方向でサービスやオプションを構築している。

誕生した納期オプション

納期オプションはを立ち上げた背景をおさらいすると、下記②点になる。

  1. 閉鎖が相次ぐ国内の縫製工場やお直し工場に貢献する

  2. 納期を長くすることで価格をメリットを出し、お直し率を上げる

繊維業は非常に落ち込み始めている。
国内の稀有な技術を持つ職人さんの高齢化、そして縫製工場の閉鎖。
このままでは貴重な資産がなくなる恐れすらある。私たちにできることがあるのであれば、行動をしていきたいと切に思っている。
※データ準備中※

大量生産、大量消費の中で、新しいをモノを安く買い替えるという手段の前に、お直しという選択肢も同列で扱ってほしい。
その為には、お直し価格を工夫して安くしていく必要性もある。
納期を調整してお直し価格を下げる事で、一着でも多く、直すという手段が選択される社会になってほしいと切に思っている。

直すという選択を通じて、一着でも長く着る

直すという行為を行うことは、繊維業への貢献、環境への貢献、そして自分の服とのつながりを強くすることができる。
新しく作られる服も素晴らしい。その事実は揺るがない。
ただ、直すという選択も同じ優先順位に持ってほしい。
その為には、直す、リペアする業界に携わる私たちの努力や工夫が必要。
納期オプションに限らず、もっと知恵を絞り取り組む必要性がある。
(ここは自分への戒めとして記載。。。。。)

最後に

納期オプションには、たくさんの人の想いや考えが反映されています。「fitu」を通じてアパレルの実態、起きている事を知ってもらえたら幸いです。
また、新しく服を買おうとしている人は、一度クローゼットを見てください。直せば着れる服、何か変化を加えれば着れる服があれば、「fitu」にご相談くださいませ!

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