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Kindle対応って難しいですか

あなたの買った電子書籍
検索できるでしょうか

今回はその問いかけを中心に、IT・コンピュータをもう少し学びなさい 売上至上主義がもたらす教育の質の低下について述べます

序章:新聞とかビジネススクールの「紙の出版事業の終わり」という話題

私は、ビジネススクールでケーススタディとして必ず習うものがあってそれはamazonとリアル書店という話。
もう一つ、ITの世界に身を置く方が必ずITの成功事例として把握しているのがamazonというWebサイトであって、そのことを念頭にどのIT事業者もビジネス設計している節がある。
Microsoftもそういう存在ではあるが、ちょっと違うのだ。虚業と言われることもあるITの世界を実業に重ね合わせた好事例。

でも、その話題や語り口を改めて見てみたが、紙の出版事業はやめろだの、オワコンだの、自費出版せよだの、まあ、同じトーンでリアルの紙の書籍売りと、電子書籍業界の浮き沈みばかりである。

それはそれとしてダイナミックな話題で学びは多い。でも細部に目をやらないばかりかそのMBAトーンはとある品質を落としていることに気づいた。
売れる文章という観点。

見てくださいこの素晴らしい業界の体験談
https://www.hanmoto.com/nisshi827
別にここに書いてあることが嘘とかどうとかそういうことではない。私の好きな文章である。みなさんこれに食いつくのです。私だって。ビジネススクールだとこういう話が好きなんです。

第1章 コンピュータの便利さを学習しなさい

いやいやその前にあなた指摘するものがあるのではないですか
私は次のような事象に見舞われた これと同じ体験をした人はいるはずなのだが なぜ指摘しない? ここから本題です。

第1節 ITの学習書のイマドキ

情報処理の世界では、情報処理技術者試験という資格がございまして
私もその学習をしております。参考書を買いました。電子書籍Kindleで読めるものを買ったのでございます。

そしてとても良いサービス連動をしている。
参考書の著者がYouTubeでこの本に対してさらに解説しているのだ。

これは便利だ
本を読めない時間も耳で聴くなどの学習ができる。こういうところまではよかった。最近の出版業界は著者と組んでよいビジネスをしているな。そう思った

YouTubeを聞いていると、ふと、わからないアルファベット3文字をお話しされた。動画の画像を見るとそれは文字として書かれているだけでそれが分かった前提で話が進む。私は、Kindleでこれを検索することにした。

第2節 検索機能が発動しない

あれ。検索機能がないのかな。そのメニューが出てこない。仕方ない。著作権の問題か何かだろうな。と、いろいろなことを勉強しすぎた私はセキュリティ的な事情や権利関係の問題と整理してなぜか納得に入る。

でもふと、気になったので、行動経済学の本を開きなおす。あれ、検索できるぞ。

第3節 巻末にちゃんとインデックスがある

でもまあ、そこは思い出す。巻末までその本を進めると、ちゃんとITのキーワードごとにインデックスがついている。
WBS→135ページというような。そういうやつだ。
さすが教科書というところだろうか。
でも、電子書籍は本と違って、めくりづらい。読む速度が一気に落ちる。
そうだ。電子書籍だからページ番号を入力すればそのページに一気に飛ぶ機能があるよな。
どれどれ135と入力する。

第4節 ページ番号指定で飛ばない

124ページに飛んだ。よしよし。
これでやっと用語の説明にたどり着けるはずだ。どこだろう。
ん?書いてない。あれ、ページ間違えたかな。
おい待てよ。なんで135ページじゃないんだ。
まさかの、印刷してあるページの番号と電子書籍上のページ番号が違っている。
結局そのページまで電子書籍でページをめくる。
もはや、インターネットでその単語を検索した方がまだよっぽど早かったのではないか。

第2章 画像が取り込んである書籍

「自炊本」というのを聞いたことあるだろうか。紙の書籍を全部裁断してスキャナで取り込んで自分の電子書籍リーダーに読み込ませる。これを俗に「自炊」という。15年くらい前にはやっただろうか。個人でやることだ。

そう、私の買ったこの情報処理の学習本を出している出版社は、出版している紙をそのままスキャンして取り込んでいるのだ。一方で、ちゃんと検索できる書籍は、文字の大きさも変えられるし、マーカーも引ける、気になったところをブックマークすることもできる。

第1節 ビジネス上の論点

馬鹿の一点張りの出版業界VS電子書籍業界に違う論点をぶち込んでやろう。私はそう思った。ああ大変だこっちの方が儲かる。こういう話はあなたの会社の馬鹿上司を産み出している。

第1項 簡単に儲けられる「マンガ」

電子書籍業界、どんどん、読めるマンガが増えていないだろうか。一度紙で出版されたものを裁断して取り込むだけでビジネスになる。IT業界の雄もこの事業に参戦している
この会社さんどういう事業をやっているかご存じですか
NTTソルマーレ株式会社
そうコミックシーモアである。ご存じでしょうか。
なんでこの事業に参加するか。「簡単にお金になるから」である。マンガはまさしくレイアウトを変えるべきものではない。画像のまま取り込んであることが重要である。

第2項 納期という宿命

より便利なものを出版しようとするとそれは時間がかかる。それと紙の出版事業は捨てられないということもあり、紙の出版と、電子書籍の出版がなされるのだ。つまり書籍が先でそこには図もありレイアウトもプロの方が仕事をしているわけだ。既得権益と言える。解説図が乗っているわけだからきれいなレイアウトをしてある。この仕事をしている方はこれで給料をもらっているのです。見開きで見やすくするように最大の工夫をしているのです。
出来上がった書籍はそのまま画像として取り込んでしまいましょうということになります。ここに余計な作業を挟むと原価が上がるのでそういう決断になることはビジネス上至極当然です。ましてや資格本なんだから他の出版社よりも早く出版しましょう!それで売れます!という締め切りに追われているわけだ。

第3項 出版の世界の流儀に従う著者

行動経済学の本は、とても読みやすいし機能もよかったわけだがちゃんと出版社と著者が連携して、電子書籍としてよい本を出していると考えられる。出版社に文字中心で読ませる本を依頼されたのか、あるいは、論文が先で文字だけでほとんど作ってしまっただけなのか。
著者がそういう検索とかそういうことまで意識しているとは考えづらい。
逆に検索ができない著者も編集者と大変な作業をした結果。紙の書籍を見てああよい本ができたなと出版社の仕事に感服しているだろう。
その先にさらに労力を割くとかではなく、推敲終わりました出しましょう!ということになる。書店に並べるプロでもある出版社がプロとしての意見をもって進行するわけだから著者はそれに従うだろう。

第4項 売上と経費の世界

これが皆さんが大好きな売上と原価を気にする世界である。センセーショナルな業界記事で書かれている世界だ。売上が最大になり、経費が安くなる。それでよい!と、皆さん上司に何度も言われてませんか。でもそれが現実だとも言えます。社会人としては一定程度理解できますよね。

第2節 IT技術としての論点

とりあえず売上を挙げる最短手順が見つかってしまっているお金に目がくらんだ方たち。もう少し勉強しなさい。ましてやITの本を出している著者さん。こういう指摘はできなかったのかということを記載します。

第1項 コンピュータが人間より優れていること

情報処理の教科書の一番目か二番目くらいに来る話題があります。それは、コンピューターが人間より優れているのはどういう点でしょうか、という話題。答えは、計算速度が速いこと、そして間違いがないことです。もう一つ強いところは絶対忘れないということです。
フォンノイマン型と呼ばれる今のコンピューターは補助記憶装置(ハードディスク)に大量のデータを記憶することができます。
計算が速い、間違いがない、忘れないデータ、これらがフルパワーで組み合わさったコンピュータの便利な機能というのは、「検索」です。
このコンピュータの基本機能を書籍というものをすべてデータにしたのに使わないというのはどういうことでしょうか。

第2項 腐ったインターネット

昔は、インターネット上の情報はプロの書き手に記載された洗練された情報が多かった。検索するとその業界のバイブルのようなサイトにもたくさん出会うことができた。
今はどうだろう、玉石混交というより石だらけのトンデモ情報があふれている。どれが本当かしっかり見極めないと、ならない。本当かどうかちゃんと確かめましょうと言われて久しい。
そういう様々な情報が飛び交うインターネットがある状況で、なかなか欲しい分野の情報が探しきれない時代に、専門的にまとめられた情報にお金を出して手に入れたものが電子書籍だ。
辞書として使えるようなこともあるものだ。資格の本なんてまさしくそうだ。

第3節 教育上の論点

今はコロナという時代を迎えている。こんなバカな電子書籍を見たときに思い出すことがある。在宅で学校に通うことになった学生さんたちだ。

第1項 あなたは使ったことがありますか

あなたが親だったら、教師だったら、電子書籍もよく使いなさいと渡すだろう。そんな時にこの本である。受験勉強に使えますか。これ。マーカーも引けないって。紙の書籍よりも学習効率高いですよという未来は手元にあるはずなのに、なんでこんなに不便な書籍を出版した。
待てよ。その前にあなたは電子書籍で勉強をするということを子供に紹介する前に使ったことはありますか。教育者がその道具を正しくレビューしているのだろうか。品質って必要ではないでしょうか。

第2項 教育の質

教育の効率が悪い教科書がある。このような教科書、学問書、参考書どれくらい世の中にあるのだろう。
日本の学問レベルをちゃんと底上げする機会がかなり日本の中で失われているのではないか。

第3項 今時動画の方が

人間が記憶に焼き付けやすいのは視覚と音声と両方飛び込んでくるものが効率が良い。それは否定しない。ただ視覚は、文字か画像かというときに問題が一つある。YouTube全盛で、学校でもかつては教育用の映像をビデオで流すということをしている。あれ便利だよねと頼りすぎていないだろうか。
紙の学習は本当に効率が悪いだろうか。
私はそれを否定する。
一度覚えたことだったら紙をさっと読み返せば忘れたちょっとしたところを確認できるのは紙ではないだろうか。文字ではないだろうか。
マニュアルってなんで便利なんでしょうか。会社の手順書ってどうでしょうか。一番初めは動画でもよいかもしれません。
でもマニュアルって人間が忘れたところだけとかをぱっと取り出すのに使いますよね。
書籍になったものは学習するペースは人によってですから短時間で学習を終えられる人もいますよね。
動画は早送りできるからそんなことないですよと反論したくなるあなた。その前に文字の書籍のもっと効率的な見直ししてもよいのではないでしょうか。

第4項 マークできない電子書籍

これはKindleの問題かもしれないが、考えて欲しい。検索できない書籍はマーカーも引けない、ブックマークもできない。書籍をなんで買わされているのか。書き込めるから。
これ見直せませんか?できるでしょう。

私の述べたい論点は大体以上だ。もう十分長い文章です。ここで読み終えていただいて大丈夫です。

第3章 無能な上司 vs 国益

無能な上司というのがいる。最近その条件として「売上」だけで評価する上司という問題点に気が付いた。
どういうことか。
指導できる、あるいは、途中の作業のお願いができるという視点である。
例えば、営業という仕事の評価は売上額だ。これほとんどの方が同意できるのではないか。これは私も同意する。

第1節 月の売上目標という言い方

月の売上目標は100万円だと言われたとしよう。その次から次のような話の流れはないだろうか。チェックしてみて欲しい。

  1. それでは各自自由に売ってこいと言われた

  2. 月末が来た

  3. 80万円しか達成できませんでした

  4. 馬鹿者!と叱られた

どうだろう。納得感あるだろうか。追加条件を記載してみよう。

  1. 上司は月に2000万円売り上げている

  2. 同僚は月に400万円売り上げている

  3. 自分は月に80万円売り上げている

この状態である。納得感あるだろうか。さらに追加条件を記載してみよう。

  1. 上司は、これまでの取引先から追加オーダーでお仕事をいただいている

  2. 同僚は、新規の取引先からオーダーでお仕事をいただいている

  3. 自分は、新規の取引先から少しオーダーでお仕事をいただいている

売上目標!と声高に掲げるのはよい。この上司の上の社長も売上目標を課しているのだろう。そして評価である。上司はどうやって高給をもらっているのだろうか。なぜ自分は評価が下がって給与を下げられるのだろうか。

第2節 売上だけが評価指標

上記の話はよくある話だが問題点がある。それを列挙する。

  1. どうすれば売り上げが上がるのか指導していない

  2. 既存の売上のあるお客様をなぜ、部下に紹介しないのか

  3. 個人評価である必要があるのか上司の仕事を部下に手伝わせて部門評価でもよいのではないか

  4. 難易度の高い新規の営業をなぜ部下にやらせているのか

  5. その人にあった仕事をなぜ紹介しないのか

年間売り上げ目標何100億円と掲げるだけのリーダーはリーダーではない。例えば、掃除が得意な方がいて、あなたの会社が掃除するとお客様が喜ぶという、ビジネスドメインを設定したとする。
どうやったら売り上げが上がるのだろう?ではない。
例えば、ホームページから集客ができる状態であって、掃除の依頼がひっ切りになしに来る街に会社をオープンさせた。営業は不要で従業員はひたすら依頼の掃除を黙々とこなす。
その人の得意なことがあったりあるいは会社として教育として手をかけて人を育てて、特定の一つに仕事を絞ってあげる。他の余計なことはしなくてよいと仕事に集中させてあげる。

第3節 ビジネスドメイン

売上上げるためには何からなにまで全部できるようになりなさい。方法は何でもよい。という指導はあり得ないのである。
それは、指導していない。
これはやるべきではない。あなたはこちらが得意だからここを担当してください。あなたのこのスキルはもっとこう工夫した方がよいとその人のスキルの状態を見極めてアドバイスする。
内容のあるアドバイスをしていって、部下がより簡単に売り上げを挙げられるように指導したり、場所を変えてあげたりするのが上司の役割だ。
環境を整備する。そういう状態にしてあげる、仕事に参加させる、面倒を見る。
簡易な仕事を見つけてそれをビジネスモデルにしてそこに注力させる。こういうビジネス設計をビジネスドメインを設定するという。
会社のビジョンとか言っているうちは違うのだ。
仕事の頑張りどころを一文にまとめているのがビジネスドメインで社員はそこを頑張ることで売上が上がるというようなことであるのが理想だ。

第4節 国益

売上をあげる至上命題にかられた方は、バカであればあるほどプロセスを無視しがちだ。そういう上司のもとでは成長できないとして、もう少し踏み込んだ議論がある。ビジネスドメインとして何をしたら儲かるということは出版事業では、出版済みの紙の書籍を裁断して画像をインターネットで販売しなさいということなのだが。
これ単純作業で難易度が低いからよいとは思う。でも、売上を評価指標にするのではなくて、顧客満足度だとしたらどうだろう。
先の検索できない学習書は、ちゃんと検索できる状態になっていて、ページ数も印刷状態とジャンプする先がちゃんとそろっているわけだ。
売上目標しか必要ないという上司が無能なのはこのあたりである。
我々は教育の品質に貢献するんだ。日本の若者にITで便利だと思ってもらえる電子書籍を作る。ITを勉強したくなるし、便利なITを電子書籍で体験してもらってより多くのITの感動体験を広げようという活動にできるのではないだろうか。
するとどうだろうか。紙の勉強よりも勉強効率が良いという電子書籍ができたとする。それは昔の日本よりもより高度な文化を手に入れた日本になるのではないだろうか。それって国全体でGDPが上がるのではないだろうか。

終わりに

amazonのストーリーを逆に読む。出版業界大変だねということじゃなくて、ITを完全に理解してから事業に取り組んでみてはどうでしょうか。
なんで、こんなにITに向いている出版業界から次世代教育の品質の良いものが出てこないのでしょうか。
あなたの業界、IT化、DX化しなきゃ取り残される大変だ、ではなくて、ITをどっぷり研究してみる。売上どれだけやるぞだけではなくて、思いっきりこだわってやってみる。
そういう便利な世界、未来につながる広い視野を持って取り組んでみてはいかがでしょうか。


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