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おもに読書感想文というより備忘録として。ジャンルは雑多:思想・哲学、言語・人類学、自然…

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おもに読書感想文というより備忘録として。ジャンルは雑多:思想・哲学、言語・人類学、自然科学・脳科学などに興味があります。自己啓発、Howto系はあまり読みません。東京生まれ、関西育ち。Amazonのアソシエイトとして適格販売により収入を得るプログラムに参加しています。

最近の記事

【棚田で米。 Second Season_day7】

[day6: 29th September 2024]  真夏の猛暑期をやや過ぎて、空気の乾き具合に少し秋を感じます。けれども最高気温は30℃で、数分作業をするとすぐに汗だくになります(汗かきな性分で)。  前回作業の時(9/1)より稲穂は実ったように感じます。本日は、いよいよ稲刈りの日です。田植え、除草、排水溝堀などを経て今年も豊穣を刈らせていただきます。  酷暑の中のつらい作業を明確に思い出せないほどに時の経つのは早いものです。そしてスムーズに経過してゆきます。  

    • 【棚田で米。 Second Season_day6】

      [day6: 1st September 2024] *[7/28: 穂肥散布・害獣ネット張り・草刈り]は欠場しました。  9月に入りましたが、まだまだ暑い。。。そもそも関西は残暑が長く、例えば東京と比べると秋を感じられるのは半月は遅いと思います。 【参考】昨年の作業:   棚田に登壇すると、昨年はお見掛けしなかった雑草(新種らしい)が結構繁茂しておりました。前半はこれらを引っこ抜いてゆきましたが、結構根が張っていて片手では抜けないほど。なかなかの労働でしたので、会長(

      • 『バッタを倒すぜ アフリカで』(前野ウルド浩太郎著、光文社新書)

        読了日: 2024/7/18  前著『バッタを倒しにアフリカへ』を未読・存じ上げないで購読いたしました。前著はもはや読まないとは思いますが(この本でも折に触れて書かれていますので)、これまで(前著の時点では)実らなかったフィールドワークと論文認定がここに結実しているようです。 (本によってなされたわけではなく、当然、結実が記載されていると言うことです)  アフリカでのバッタの異常発生により農作物の甚大な被害をニュースで数年に一回程度見聞きしますが、著者(研究者)は当該“サ

        • 『ソフィーの世界〜哲学者からの不思議な手紙』(ヨースタイン・ゴルデル著、須田朗監修、池田香代子訳、NHK出版)

          読了日: 2024/7/17  新装版(ソフトカバー、上下巻)が出ていましたが、ハードカバーのオリジナル版を購読しました。購入版は105刷であり驚きでした。これほど読まれているものを最近まで知りませんでした。  14歳の少女(ソフィー)のもとにメモや講義ノート、葉書が届くようになり、謎のおじさんにより哲学講義が時系列で繰り広げられてゆきます。 おじさん先生(アルベルト)とソフィーとの会話形式で読者に哲学講義を展開してくれます。  登場する哲学者(など)は、デモクリトス、ソ

        【棚田で米。 Second Season_day7】

        • 【棚田で米。 Second Season_day6】

        • 『バッタを倒すぜ アフリカで』(前野ウルド浩太郎著、光文社新書)

        • 『ソフィーの世界〜哲学者からの不思議な手紙』(ヨースタイン・ゴルデル著、須田朗監修、池田香代子訳、NHK出版)

          『エネルギーをめぐる旅ーー文明の歴史と私たちの未来』(古舘恒介著、英治出版)

          読了日: 2024/6/30  人類は食物連鎖(ヒエラルキー)の頂点あるわけではないと思います。なんでも食することがヒエラルキーの上位にあると定位するもっとな理由ではないと感じるためです。しかしながら、摂取カロリー、あるいは本書の主題であるエネルギーの消費においては圧倒的頂点にあると思います。  本書は、消費エネルギー(:一次エネルギー)の利用の歴史(第1部)、エネルギーの原理・仕組みと定量化の歩み(第2部)、材料の限界と環境問題、エネルギーから逃れられない人類(最低限の摂

          『エネルギーをめぐる旅ーー文明の歴史と私たちの未来』(古舘恒介著、英治出版)

          『精神の考古学』(中沢新一著、新潮社)

          読了日: 2024/6/23  中沢新一の著書は初めて読みました。  洞窟壁画などに代表される旧石器時代の次の段階は新石器時代というより「象徴革命」(ジャック・コーヴァン)とあらわすことができるとのこと。なるほど農業革命や文字の発明(記号の援用)は人類の象徴的思想、あるいは精神的発展が大きくあったのではないかという指摘に冒頭からふむふむとなりました。  本編の「ゾクチェン」(チベットやネパールに秘密に理にかなり古くから伝わる精神の教え)を習得すべきヨーガや加行(苦しんでな

          『精神の考古学』(中沢新一著、新潮社)

          【棚田で米。 Second Season_day4, day5】

          [day4: 2nd June 2024]  前日(6/1)の井戸掘り作業に疲れ果て、終了時に「明日棚田作業ですね…」と独り言ちたところ、棚田フレンズより「え!?そうでしたっけ?」とのレスポンスを賜り、大勢で現場(棚田)に押しかけても他作業の方々の邪魔になるのではないかという大英断を下し、上記作業は不参加となりました(不参加としました)。(…よって作業報告はございません。あしからず。) ("井戸掘り"【日記】: https://note.com/yo_c1973111/n/

          【棚田で米。 Second Season_day4, day5】

          “井戸掘り”【日記】

          掘り日: 2024/6/1 はじめに(背景など)  棚田で知り合いになった方から、ご案内いただいて人生で初めて井戸を掘ってみることにしました(こととなりました)。 「井戸結い祭りin滋賀県大津市ブルーベリーフィールズ紀伊国屋」というイベント(ワークショップ)への参加です。  主催のあっきーさんは井戸掘り業以外に、かまどづくり、こども食堂、フリースクール、ラジオDJなど本当に多彩ではつらつとした方でした(https://www.facebook.com/akihiko.s

          “井戸掘り”【日記】

          『実存主義とは何か』(J-P・サルトル著、伊吹武彦、海老坂武、石崎晴己訳、人文書院)

          読了日: 2024/5/20  無神論者の著者は実存(人間)は“みずからつくるところのもの以外の何ものでもない”とし、生まれてから経験し考える時系列から「実存は本質に先立つ」と講演で表したのが本書の要諦のようです。  “みずから選ぶ”スタンスから他者との相互認識(相互主体性)や世界との関係性を思考する哲学のひとつようです。やや難解な用語は[アンガジェ:engage、アンガジュマン:engagement]と英訳すると理解が早まりそうです。  「実存主義」の位置づけをわかってま

          『実存主義とは何か』(J-P・サルトル著、伊吹武彦、海老坂武、石崎晴己訳、人文書院)

          【棚田で米。 Second Season_day3】

          [day3: 26th May 2024] 晴れ。日差しは強いですが、心地よい風が流れています。今日はいよいよ田植えです。おおくの人が(おそらく)時間通りに参集して説明などを聞いています。われわれ(今回参加は4名)は、昨年度の経験があるのでご説明を賜る必要もなく、やや重役出勤での登壇です(途中少し渋滞にはまったのが原因ですが)。 前回まではなかった境界ロープが区画ごとに貼られており、棚田の水面はきらきらと穏やかです。 苗を手植えする間隔を整えるための”棒”を頼りに、配られ

          【棚田で米。 Second Season_day3】

          【棚田で米。 Second Season_day1, day2】

           昨年ほぼ衝動的に参加した”棚田で米をつくってみる”では、米づくりの大変さを思う存分経験させていただき、猛暑、重労働、一人ぼっちのつらさなどから、もうやるべきではないとの結論に至りました(最終作業終了日にて)。  最後の交流会イベントにて、お知り合いになった方々から、それぞれの共同参加者(ご家族など)が”来年は参加しない”などの条件が重なり、「みんなで一区画を借りて、来年一緒にやりませんか?」とのお誘いを賜りました。 それであれば(合計5名)やってみようかな、との決心でSec

          【棚田で米。 Second Season_day1, day2】

          『一四一七年、その一冊がすべてを変えた』(スティーヴン・グリーンブラット著、河野純治訳、柏書房)

          読了日: 2024/5/15  ルクレティウスは、ギリシャ エピクロスの思想などに影響を受けて「物の本質について」を執筆しました。当時の著書は現代のようなページをめくる製本されたスタイルではなく、パピルスの巻物であったようです。当時の初期ローマ帝国は征服したギリシャ領土からの数多の知識と文化を享受(ギリシャ自体も近隣からの知識・文化を大いに吸収していた)し、次なる文化を醸成するに十全な環境にあったようです。  そして、ルクレティウスは(当然ながら)当時では科学的検証ができは

          『一四一七年、その一冊がすべてを変えた』(スティーヴン・グリーンブラット著、河野純治訳、柏書房)

          『センス・オブ・ワンダー』(レイチェル・カーソン著、上遠恵子訳、新潮社)

          読了日: 2024/5/14  『沈黙の春』(新潮文庫)は未読ですが、環境問題、在来種・外来種、食糧問題などを扱う本ではたまに見かけます。内容はおおむね想像できそうなのですが、いずれ読むことにしよう(優先順位は低め…)。 最近、森田真生のエッセー付きのものが発売されましたが、オリジナル(に近い)本書を選びました。  同著者の絶筆となったのが本書『センス・オブ・ワンダー』とのことです(「訳者あとがき」参照)。幼少期の甥(ロジャー)とのメイン州の別荘周辺の自然散策を綴ったもの

          『センス・オブ・ワンダー』(レイチェル・カーソン著、上遠恵子訳、新潮社)

          『はじめての人類学』(奥野克巳著、講談社現代新書)

          読了日: 2024/4/30  著者の本は初めて読みました。入門書としてちょうど良い程度であると感じました。  人類学に興味を持ったのはティム・インゴルド(第5章)でした。それは著者指摘「お前たちに俺たちの世界が分かるはずがない」「(p.167)のように距離のある科学/人文分野が混じり合う考察をインゴルドにて初めて経験したことに依ります。  「科学に解決できない問題など何もない」(p.166)との指摘も、ブライアン・グリーンが心や意識もいずれ科学によって解明されるだろうとす

          『はじめての人類学』(奥野克巳著、講談社現代新書)

          『カーストとは何か インド「不可触民」の実像』(鈴木真弥著、中央公論新社)

          読了日: 2024/4/24  カースト制度のバラモン、クシャトリヤ、ヴァイシャ、シュードラは習った記憶がありますが、本書主題の不可触民(ダリト、あるいはoutcasteなど)は知りませんでした。習ったが忘れたのだろうか?  最下層位を設定するような賎民思想は日本にもあり、同様な区分と思います。マハトマ・ガンディー(本書ではガーンディ表記)はヒンドゥー教の体制を保持したまま、つまりカースト制度を保持したままダリトへの保障を実現しようとし、アベンドーダリト自身に権利をあたえ、

          『カーストとは何か インド「不可触民」の実像』(鈴木真弥著、中央公論新社)

          『規則より思いやりが大事な場所で』(カルロ・ロヴェッリ著、冨永星訳、NHK出版)

          読書日: 2024/4/16  青、赤そして緑。著者執筆の3冊目でした。  専門の物理学テーマをわかりやすく読ませるシリーズとは異なり、彼の日常の思考や行動を垣間見るような綴りです。新聞雑誌記事などからの志向の派生、そして科学する人間の正義感や倫理観の大切さを感じられるようです。科学と思想・哲学の間…人類学のような捉え方が好ましく思えました。  科学分野の(自分にとっての)新しい知見、情報に触れることができる喜びもありますが、それよりも思想、哲学的な分野での知らないことに

          『規則より思いやりが大事な場所で』(カルロ・ロヴェッリ著、冨永星訳、NHK出版)