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『バッタを倒すぜ アフリカで』(前野ウルド浩太郎著、光文社新書)

読了日: 2024/7/18

 前著『バッタを倒しにアフリカへ』を未読・存じ上げないで購読いたしました。前著はもはや読まないとは思いますが(この本でも折に触れて書かれていますので)、これまで(前著の時点では)実らなかったフィールドワークと論文認定がここに結実しているようです。
(本によってなされたわけではなく、当然、結実が記載されていると言うことです)

 アフリカでのバッタの異常発生により農作物の甚大な被害をニュースで数年に一回程度見聞きしますが、著者(研究者)は当該“サバクトビバッタ”の生態を研究し、貢献しようとするものです。
 著者は繰り返し「本書は学術書であるから」と記しますが、たしかに本編は読みごたえのある学術的内容ですが、いろいろ周辺事項、および面白おかしいコンテンツも1/3程度含まれております。おそらくこの辺りが”ウケる”要素であり、小生も楽しく読了いたしました。
 サバクトビバッタの繁殖活動(研究主題)自体も興味深いのですが、研究環境や、研究者のみなさま(あるいは研究者一般)が資金、場所、人脈などに関してどのようなご苦労があるのかが窺えて、こちらも大変興味深い内容でした。

 ところで本書は新書とは思えないほどのボリューム(605ページ)で、やや製本の限界を超えてしまっているように感じます。


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