“井戸掘り”【日記】
掘り日: 2024/6/1
はじめに(背景など)
棚田で知り合いになった方から、ご案内いただいて人生で初めて井戸を掘ってみることにしました(こととなりました)。
「井戸結い祭りin滋賀県大津市ブルーベリーフィールズ紀伊国屋」というイベント(ワークショップ)への参加です。
主催のあっきーさんは井戸掘り業以外に、かまどづくり、こども食堂、フリースクール、ラジオDJなど本当に多彩ではつらつとした方でした(https://www.facebook.com/akihiko.suzuki.7528)。あまりにお忙しいためか、当日は少し遅刻されました。現場(ブルーベリーフィールズ紀伊国屋)は素晴らしい場所にあり、その反動かやや分かりにくい道のりでした。
ブルーベリーフィールズ紀伊国屋は全国高島屋にジャムを卸されているそうですが、のオーナーである”ベリーさん”(通称)は今日に至るまでに大変なご苦労を重ねてきたそうです。もともと棚田であった場所を当初は反対意見もあったそうですが、ブルーベリーの畑にかえて、琵琶湖を望む高台(いや山の中腹か?)の眼前には一面のブルーベリー畑でした。こんな景色は初めて見ました。
普段は沢の水を用いて育成されているそうですが、地中を流れてきエネルギーを蓄えた水を使いたいとのご意向から、今回の井戸掘りのご依頼となったようです。
どこに井戸を掘るのか、どのように井戸を掘るのか…
概ねこんな感じです;
<井戸をどこに掘るのか>
もと水田であったとのことから、地下には水脈があるだろうとのことです。
地形は周りよりやや低いところがねらい目、ただし沢の近くとなると地中で沢(より低地)にすでに水が流れてしまっているので、沢近くは避ける。
大きな木が鎮座している周りには水脈があることが多いらしいです。
棒や振り子などの動きをみて探すダウジング(Dowsing)みたいなもので探すのかと思ってましたが、理論的な考察でした。
<どのように井戸を掘るのか>
単管と呼ばれる金属製のパイプ(建設現場の足場組立に使うようなもの)を垂直に差し、重りを被せ、人力でガンガン叩いてゆきます。
最初は2mの単管を打ち込み地面近くまで打ち込んだらそれを抜き、つぎに3mの単管で同様に打ち込み・抜き、つぎに4mの単管…と順次長いパイプで堀進めてゆきます。
あっきーさんの経験では4m超~5mほどで水脈に巡り合うそうです。
ガンガン打ちつける重りは2種類ありました。3.6kg(ソロ用)と10kg(ペア用)。
実際に掘ってみた。
まずは、あっきーさんが目星をつけた場所に”ベリーさん”が酒と塩でお清めをおこない、”まっちゃん”(通称)がほら貝で”音開き”をおこないます(世界にはいろんな技をお持ちの方がいらっしゃるなと感心しました)。
そして、単管2mを最初はぐりぐり差込み3.6kg(ソロ用)で打ち込みます。コツは単管から抜けない程度に持ち上げ、真っ直ぐ下に力を入れて落とすような感じ。単管に当たる位置まで重りを持ち続けるのではなく、最後は(あたる瞬間は)単管にぶつけるような感じで打ち込んでゆきます。
ここでの作業理念 3箇条は「疲れる前にやめる」、「やめたいときはやめる」、「道具は大切に」とのことです。
普段力仕事をしない小生は、すぐ疲れるので優しい条項です。とは言えやり始めると周りの掛け声に煽られて、すぐにやめるというわけにはいかない…まぁそりゃそうでしょう。井戸を掘るとはそんな生易しいことではないと思います。
いよいよ井戸を掘りあてるか。
場所を変え変え、とどの詰まり5か所に挑みましたが、水脈には当たりませんでした。水が湧き出るところを見たかったのですが、残念。
”ベリーさん”のご意向もあるので、後日あっきーさん(またはその他メンバー含め)が機械を用いて再チャレンジされるそうです。「機械あるんかいぃ」となりそうですが、ひとの力で井戸を掘りあてようという試みに意義があるように感じました。また、あっきーさんのイベントでは”結い”を大切にされていて、ヒトの集いと自然との繋がりの生成を基底にされているお考えも実感できたような気がします。
生命の源である水を探し当てるという意義と、その活動をとおして五感で感じる色々なことはヒトの原初に触れんとするような事象を感じました。
くどいですが、湧水をみたかった。。。疲れを相殺したかった。。。
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