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「夏目漱石の手紙」と「もろきゅう」

「屁ヲカマスベシ」
恋に敗れ失意の底にあった門下生(松根東洋城)に、夏目漱石がおくった手紙の一節です。

ここだけ聞くとかなりの奇人に映るかもしれないですが、全文を通して読むとこれは違ったことになります。

心中さえしかねない落ち込み様の門下生に通りいっぺんの優しい言葉など焼け石に水。ふざけ気味の言葉の方がよっぽど元気が出るというものであろうという心遣いが感じられる手紙でありました。

要約すると、

「お先真っ暗なときこそ肩の力を抜き、
楽観的にならねばやってられんよ。
何も命まで取られることではないではないか。
屁ヲカマスベシ。」

人間の大きさを感じますね。

僕には、なんだか昨今の世知辛すぎて毛が抜けそうな世の中に必要な姿勢であるような気がしてなりません。

ブッチャーのように眉間にシワを寄せて取り組んでも、機関車トーマスのように脳天より煙がのぼるほど悩んでも、良い結果が出るとは限らない。

肩の力を抜き、大きく息を吸って、
おそいかかる不安に、屁ヲカマスベシ。


さて、与太話もほどほどに料理の話をしましょう。

みなさんご存知「もろきゅう」。
付ける味噌を「青とうがらし味噌」にするとこれが、なんとも酒のアテに最高なのです。

甘めのこってりした味噌にピリリと効いた辛味。
ぽりぽりと小気味良い食感に、おはしと杯がとまりません。(むろん白米も抜群です。)

ひんやり軽めのお酒が良いですね。
華美でなく、ゴツくもない素朴なお酒。

宮城の「綿屋」なんてどうでしょうか。

(写真:住吉酒販公式オンラインストア)

するりと喉を落ち、優しい余韻が広がる銘酒です。
お見かけになりましたら、是非お試しいただきたい一本です。

それでは、良い酒、良い食で、良い週末をお過ごし下さい。僕もきっとお酒を飲みます。

また明日、お目にかかります。
(おそらく二日酔いで)

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