(連載:就活サバイバルvol.10)「美女以外は、尽くすしかない」恋愛と就活は同じ攻略法だ!その訳は?
ついに本格化した就活。慶應3年の美希は、OB訪問に説明会に忙しい。漠然と大手企業に行きたいと考えており、手広くやっている。が、彼女はことごとくエントリーシートで落ちてしまう。悩む彼女は、内定を掴むことが出来るのか!?
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「“うちに来てくれるって思わせるか”、かあ」
勇人の言葉に、美希は目から鱗だった。
彼によれば、自分のような、大して秀でた点もない“普通の学生”は、企業にとって、いかにうちに来てくれるか、それをアピールすべきだというのだ。
さらに彼の辛口なアドバイスは続いた。
「絶世の美女でもない女ってさ、「尽くします」アピールするだろ。それと同じ原理だよ」
こんなに面と向かって、“あなたは普通”と言われたこともないため、美希は少しばかりムッとする。
絶世の美女は、何をしなくても男が寄ってたかってくる。
だが、普通の女が良い男を振り向かせようとするにはどうしたら良いか。
いかに自分が好きか、相手に尽くすかをアピールする必要があるというのだ。
「顔も普通な女が、高飛車に“私が選ぶ立場よ”なんて言ったところで、モテないで終わるだけだよ。
あの手この手で相手に尽くして、相手を陥落させないと。付き合っちゃえばこっちのもんなんだから。」
美希がムスッとした表情を見せると、「男も同じことだけど」と、勇人が笑った。
「イケメンで金持ちな男には、女が黙ってても寄ってくるだろ。
でもさ、普通な男は、女の人の気をひくために、プレゼント買ったり、レストラン予約したり、尽くすってわけ」
勇人が言いたい事はもう十分に理解した。
「でも…。相手に“うちに来てくれる”って思わせるって、どうやったらいいの?」
美希が首を傾げながら尋ねると、勇人が「相手に興味を持っているアピールをする。それだけ」と、キッパリ言った。
「例えば、相手企業の、経営理念も、社長の名前も、売り上げも、主力事業も知らなかったら、そりゃあ、“うちに興味ない”って判定されるよな。
美希、自分が受けてた会社のそれ、全部言える?」
そう言われた美希は、ギクッとした。OB訪問でも同じことを言われたからだ。
「だから、外部に出ている、ありとあらゆる会社の情報を調べること。まずそれが第一歩なんじゃない。」
「ああでも、もう大企業の採用は終わってるしなあ」
「え、地方の銀行とかってこれからでしょ?あとは、エリア総合とか。
美希、本当に東京に残って働きたいの?就職留年してまで東京にいたいの?」
そう言われた美希は、すぐに頷くことが出来なかった。
→続く。
●次回予告
悩む美希。自分は何をしたいのだろうか…?
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