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「防戦一方のボクシング」Jリーグ第16節 北海道コンサドーレ札幌×浦和レッズ マッチレポート

9/13 (日) 13:00キックオフ @札幌ドーム

皆さんご無沙汰しております。
諸事情で2試合おやすみしました。復帰戦で書くのが難しい試合となってしまいましたね。笑

浦和としては厳しい2試合が続いた直後で、次節の川崎戦に向けても勝ち点3をしっかり取りたい一戦。
札幌はなんと公式戦9試合勝ち無しという大不調。普通に考えれば、不調な相手でラッキーと考えたいものですが、こういう相手に限って勝ち点3を譲る印象が強いのが浦和。(まぁ浦和が調子いいってわけでもないですし。)

両チームが今後上向きになるきっかけにしたいという思いが強くぶつかった試合となりました。

先に言及しておきますが、観戦した人ならご存知わかるように、この試合はカオスと言っていいような試合展開であったため、戦術というより戦略という観点から見ていきたいと思います。

戦術と戦略(ほぼ自己解釈なので悪しからず)
戦術・・・作戦を実行する上での狙い。小さい局面。
戦略・・・戦いに勝利するための、大まかな作戦。大きな局面。

スタメン

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札幌: カウィン、 キム ミンテ、白井 康介、 高嶺 朋樹、アンデルソン ロペス、ドウグラス オリヴェイラ

浦和: 福島 春樹、 山中 亮輔、長澤 和輝、 マルティノス、 汰木 康也、柴戸 海、レオナルド

ハッキリ言って、札幌の配置と布陣は自信ないです。笑
バリバリ可変するミシャサッカーとマンツーマン傾向が強い非保持なので。結構メディアによってフォーメーション図も違ったりしてました。いや、違うだろ!って方いましたらご指摘お願い致します笑

この日が古巣と初対戦となった駒井。契約の問題やケガなどで長いこと対戦してなかったみたいです。

対する浦和は前節から中3日のため、基本的にはターンオーバー。今や浦和のエースストライカーであるレオナルドもこの日はベンチスタートでした。
また、足が攣っても走れる選手こと、橋岡はこの日はベンチ外。前節で疲労からか低調なパフォーマンスであったため、順当な判断だと思います。
橋岡のポジションは今年獅子奮迅の活躍を見せているトーマス・デン。浦和では初めての右SBであり、期待が高まりました。

また、全体的に次節を見越しているのかな、とも捉えられる起用が目立ちました。

戦評

基本的には大方の予想通りの展開であり、札幌がボールを握り、浦和が跳ね返すという時間が長く続きました。浦和が札幌を攻略するためのカギは、札幌のネガトラ→非保持の局面。ミシャサッカーは浦和サポならご存じの通り、敵陣に押し込んでのサッカー。
直近の札幌ではそのボール保持の時間を長くとるためにディフェンスラインはハイラインに設定し、即時奪回としてマンツーマンのような形を採用していたようです。

浦和としてはこのハイプレスマンツーを裏返す起点として健勇を起点にしていました。久しぶりにベンチ入りしたマルティノスもおそらく相手のハイラインを想定してのベンチ入りだと思います。

対して札幌は浦和の弱点を叩きまくろうという狙い。ずっと怪しさを隠しきれていない浦和のクロス対応をジェイという圧倒的な高さで殴るという狙いでした。対人能力が高いとされる槙野も数字で見ると182㎝。ジェイの190㎝と比べると見劣りしてしまいます。実際に、前半だけで7本のシュートを打たれ、そのうち2本を決められています。

互いに互いの弱点を突き合う、矛×盾と言うより、矛×矛のような試合でした。
ただ、どちらかと言うと札幌のほうが上手く試合を進めた印象でした。

交錯する両チームの思惑

前述の通り、ミシャは基本的に配置のズレなどを用いてボールを握り、浦和にジャブを打ち続けます。

前半で2失点するも、ジェイの2得点で同点とした札幌は今日こそは勝てると言わんばかりに攻勢を強めました。
後半に入り、さらなる失点を恐れた(であろう)札幌はキムミンテを投入。浦和の攻撃の起点となっていた杉本対して明確にマッチアップさせ、押し込む時間を増やします。

これに対し、浦和の大槻監督はジョーカーとも言えるルイ・ヴィトンことマルティノスを投入。同時にレオナルドも送り出し、賭けに出ました。マルティノスのプレーは浦和サポですらハラハラドキドキなので、札幌としては少し面食らう形になったかとは思います。(効果的かどうかは別として。笑)

CKから失点後は札幌が攻勢を少し緩めたこともあり、攻めて攻められてという時間が続きました。69分の岩武の安易なパスミスからのピンチは西川がビッグセーブで事なきを得ました。結果論となりますが、このビッグセーブはこの試合のターニングポイントになったと思います。岩武はああいうミスをしている状態ではスタメンは遠いのではないかと。セレッソ戦でも西川との連携ミスで失点しているわけで。

何がともあれ、ピンチを凌いだ先にはチャンスが待っているもの。DFラインの背後を狙ったレオナルドのシュートから生まれたCK。その流れから汰木のクロスを槙野が押し込み再び同点としました。これは謎に腕を振り上げ、ジャンプをしていたルイ・ヴィトン(マルティノス)のパルプンテパワーだと思います。

パルプンテとは、『ドラゴンクエスト』シリーズに登場する呪文(魔法)のひとつである。何が起こるか全く分からない呪文。作品によっては「失われた古代呪文」扱いされている事もあり、
現在となっては何が起こるかわからない古代の呪文のような扱いの事もある。

ミシャは焦って2枚の交代を行い、終盤にかけて浦和を押し込み続けましたが、我慢強く耐えた浦和が追加点を決め、再逆転とし、勝利を収めました。
これもルイ・ヴィトンのパルプンテパワーだと思います(2回目)。
と言いつつも、終盤の疲労等で空いた札幌の2列目と3列目のスペースで間受けをし、ターン→レオへスルーパスをしているのもマルティノスなんですよね。
こういった面で見ても、浦和時代から交代策があまりハマることのなかったミシャとこの試合では結果的に交代策がハマった大槻監督という対照的な結果にもなりました。

総評

試合的には収穫もあまり見られない試合でしたが、1番大きな価値がある勝ち点3を得ることができました。
セレッソ戦からの3連戦を1勝1分1敗と及第点とは言えるでしょうか。内容はさておき。

なんか記念すべき?小ネタも残しつつ。

どうも試合後コメントを読む限り、浦和のDFラインの並びはぶっつけ本番みたいですね。

今日のDF4人の並びは練習でもやったことのない並び。その中で粘り強く戦えていた。ただし、クロスからの失点が多いので、そこは改善していきたいと思っています。

今節1番の収穫は、デンが右SBでもしっかりやってくれるという点でしょうか。宇賀神が帰ってくれば、岩武が右をやることになりそうなので、無理する必要はないですが、ポジティブなオプションであると言えるでしょう。

ただ、あれだけ弱点として晒されているクロス対応からの失点が減らないのはやはり懸念点であると言えます。もちろんそこまでのプロセスも大事ですが、結局はその点に尽きると思います。
ここ6試合失点が続いているので、そろそろクリーンシートを見たいところです。

次節はついに川崎との1戦となります。圧倒的な攻撃力を前に浦和がどのように立ちはだかるのか。個人的にはここまで今シーズンのサプライズとなっている三笘薫と橋岡のマッチアップにも注目しています。

次節を経ると浦和は17節消化となり、シーズンの半分を終えることとなります。前半戦のまとめは追々するとして、前半戦のいい締めくくりになることに期待です!

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