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2022年お気に入りの10曲。


ライブやフェスに足を運んだり、Apple Musicでプレイリストを作ったり、Instagramで好きな曲を勝手に紹介するなどしている、音楽好きの僕が、売り上げとか評価とか関係なく、今年聴きまくった個人的お気に入りの曲を10曲紹介しようと思います!

専門家でもないので、ただただ「ここがいい!」という熱量だけで語ります。
そしてもちろん僕の好みなので、ジャンルや系統に偏りがあります。
参考にならない人は「ふ~ん」ぐらいに思ってください。興味ある方は「そうなんや!聴いてみよう!」と思ってください。



●BADモード/宇多田ヒカル

今年1月配信のアルバム『BADモード』のリード曲。
めちゃくちゃオシャレでかっこいい。最初は踊れる感じの曲調から、ゆったりした中盤。水の音。ダンスミュージックなのに心地よさを感じるなど、飽きさせない展開がすごいです。途中のサックスがまた効いてますよね。

そんな最先端ダンスミュージックに乗せられた歌詞もたまりません。

メール無視してネトフリでも観て
パジャマのままで
ウーバーイーツでなんか頼んで
お風呂一緒に入ろうか

要するに、「いい時でも悪い時でも君のこと好きやで」って曲なんですけど、2番の冒頭で出てくる「ネトフリ」と「ウーバーイーツ」。
この今っぽい言葉選びが最高ですよね。24年前、「7回目のベルで"受話器"を取った」人ですよ?
音楽にしても、歌詞にしてもアップデートを試みている宇多田ヒカルって凄いですよね。
こんな大物アーティストが、どんなにカッコいい音を鳴らそうとも、しっかり時代の波を捉えようとしているスタンスを見て、根っこにあるJ-POP精神を感じました。

宇多田ヒカル自身、Netflix『First Love 初恋』のヒットなどもあり、2022年も大活躍の1年でしたね。


●熱海/kroi

東京を拠点に活動する5人組バンドkroi(クロイ)。
この人たちの曲を全般的に知っていたわけではないのですが、この曲がめちゃくちゃ良かったので紹介します。
ファンクやソウル的な音楽性と、美大のチャラい兄ちゃんというイメージの、いわゆる"今どきオシャレバンド"ですが、この『熱海』から日本語ロックの素晴らしさを改めて実感しました。

温泉街の情景とかを言葉にしてるのですが、はっきり言って聞き取れません。笑
日本語やのに英語に聞こえる。でもこれって、サザンオールスターズが取り組んできたものでもあると思うんです。日本語の語感とかを最大限にカッコよく、サウンドにハメようとする感じ。
ドライブに合う曲っていうこともあって、勝手にサザンイズムを感じました。

サンシャインたけなわ
ゆるり揺らぐこの水際
うっとりしちゃう
うっとりしちゃうよな

サビの一発目の言葉。「サンシャインたけなわ」。

サンシャインたけなわ!?笑
聞いたことない造語なのに心地よく聞こえるこの感じ。
井上陽水の『少年時代』に出てくる、「風あざみ」や「宵かがり」を思い出しました。あれも造語なんですって。

つまりこの曲は、最近のオシャレな若者が聴く曲のように見えて、実はかつてから存在している日本語ロックの王道さも持ち合わせているのです。


●meidaimae/chelmico

女性2人組ヒップホップユニット、chelmicoの一曲。
chelmicoの楽曲は可愛いものからカッコいいもの、にぎやか系などバラエティ豊か。その中でも僕が思うchelmicoの魅力って、「等身大の女の子感」だと思います。
ごく普通の乙女の恋心を、ラップに乗せて歌ってくれる時のパワーは唯一無二だと思います。
この『meidaimae』もとにかくかわいい。

飽きないでしょ?
私といれば
こんな見てるのに
居心地の良さに気づいてよもう
ハニーじゃなくて友達
私と君これでいいの?
最高のふたりになれるのに

絶対付き合ったら上手くいくはずやのに、全然振り向いてもらえない。
でもそれもこれも、自分が可愛くないし、あざとくもないから。なれるなら田中みな実になりたい。。みたいな内容なんですよね。
自分と同じ境遇の人はたまらないでしょうし、そうでなくとも応援したくなる女の子がそこにはいます。
tofubeatsが手掛けているトラックもめちゃくちゃポップで可愛い。世界観にマッチしています。

あと、由来は知らないんですがタイトルがいいですよね。
「明大前」って京王線と井の頭線が交わる駅なんですよね。なんか「いろんな人や思いが交錯するからなのかな~」とか勝手に考えたりしてしまいます。

ちなみに、今はなぜか消されたのですが、YouTubeにあったリリックビデオが最高でした。chelmicoの2人が明大前駅周辺をぶらぶらするんですよね。なんで消えたんやろ。残念。


●RECIPE feat.ハナレグミ/Michael Kaneko

湘南生まれ、カリフォルニア育ちのシンガーソングライター、Michael Kanekoが、様々なアーティストと作ったコラボアルバム『The Neighborfood』に収録されている一曲。

日々を豊かに過ごすためには、楽しく生きるためには、人それぞれ”レシピ”があって、そのレシピを完成させるために必要なたくさんの”お気に入り”。それらが次々羅列されていくのが、聴いていてとても楽しいです。
「VANS」「ソーダ水」「ジョン・メイヤー」「木で出来た棚」「甘いモヒート」「チーズバーガー」などなど。

ただただ難しい事を考えずに、ハナレグミの歌声にのせて、ゆらゆら聴いて欲しいです。
ドライブに最適な一曲です。


●ichiban/King & Prince

今年一番観たMVかもしれません。
言わずと知れたジャニーズ王道アイドルグループが世に放った、本格ヒップホップ。
楽曲のプロデュースがなんとあのKREVA氏。

時代のニーズとか 誰かの期待通りとか
実際もういいかな 一旦放置して
信じた通りのやり方で勝ち方で
抜け出せる混乱のがんじがらめ
まだ解決法のない絶望からも
引っ張り上げる この direction

韻の踏み方とか、めちゃくちゃKREVAなんですよね。
ジャニーズにこの感じか!とも思いますが、よくよく聴いてたら、カッコいい生き方を提示したり、ファンの人たちの手を取って「ついてこい」と鼓舞するなど、キャー!となれる部分がしっかりあります(なんか切ないけど)。

そして、ダンスの振り付けが、ダンサー界の大御所RIEHATA氏(僕はこの曲まで存じ上げませんでした)。
実はキンプリってこの曲以前にも、『Magic Touch』や『Namae Oshiete』など、ここ最近はダンスに特化した曲をリリースしていました。
しかも振り付けは、K-POPなどの業界で名の通った凄腕の方ばかり。キンプリの海外志向は随所にしっかりと表れていたのです。

なによりダンスがえげつない。
平野君と高橋君は小さいころから、本格的にヒップホップを学んでいたそうで、プロから見ても本当にお上手だそう。
振り付けも、聴いたファンが気軽にマネできるものではないなど、アイドルソングからの脱却が、徹底的に図られているように思います。

ラップもダンスもめちゃくちゃ高水準でカッコいい。玄人たち、音楽通をも唸らせる、最強の一曲です。


●トローチ/PUNPEE, BIM

同じレーベルに所属しているラッパーの、ダブル名義でのEP『焦年時代』に収録。
トラックも作れるPUNPEEがプロデュース。夏の曲なのに、爽やかな印象があり、そよ風が吹くような感じもします。
なんとなくPUNPEEの最近の傾向として、フック(サビ)がめちゃくちゃメロディアス。めっちゃ歌う。ほんで声が可愛い。その声色が曲全体に優しい印象をもたらすのだなと思います。

別にここの歌詞がいいとかは無いんですけど、今年の夏めっちゃ聴いたなという事で選びました。
同じEPに収録されている、ZEEBRAとの曲も遊び心満載でオススメです。


●真夏日/くるり


バンドとしての長いキャリアの中で、いろんなジャンルに挑戦してきたくるりですが、くるりの印象を一言で言うと「優しくて文学的」かなと思います。
そんな「ザ・くるり」を感じられる一曲がこの『真夏日』です。
シンプルなバンドサウンドは、『東京』や『ハイウェイ』に通ずる、まさに初期のくるり。
そんな暖かいメロディに乗せられる歌詞は、どこか切なくて儚い。

特別暑い夏 ぐっと大人になって
久しぶりの帰り道
いつもの交差点の少し先の本屋で
汗を拭いながら 思い出の青い本 少し思い出す

良い。。もう小説やん。
登場人物などは明確にされていないので、各々で想像して物語を作る感覚があります。
そして「急行」や「直通電車」など、鉄道オタク・岸田繁が放つ、”くるり節”も炸裂。
少しひねくれた言い方ですが、「くるりがくるりをやってくれている」。きっとファンはそう感じるであろう一曲です。
そしてなんと、約9分の壮大な楽曲。でも不思議と終わってほしくない、いつまでも聴いていたい曲なんですよね。


●RYKEY DADDY DIRTY/RYKEY DADDY DIRTY  

東京生まれのラッパー、RYKEY DADDY DIRTYの一曲。
RYKEY DADDY DIRTYが出したアルバム、『RYKEY DADDY DIRTY』に収録されている「RYKEY DADDY DIRTY」。
いや何回言わすねん。

この人、実際に傷害事件で逮捕されたりしているトラブルメーカーで、かつてタレントの紅蘭との間に一子をもうけるも破局。
自身曰く、その名の通り「ダメな父親」だそうです。

この人のリリックの何がすごいって、徹底した悪人アピール。笑
「刑務所」「マリファナ」「暴力団」など極悪ワードのオンパレード。
でもその中に感じる、「俺が一番カッコいいんだ」という強い気持ち。
それを言い切れるって実はすごい事だと思います。

俺は俺ぐらいイケてる男をまだ知らない
そして俺よりも寝ずにラップした男を見たことがない

こんなん言えます?笑
他にも寝ずにラップした男どっかにおるやろ。笑
でも彼はまっすぐ歌うんです。
今の日本男児が忘れかけている、絶対的な自信。冗談ではなく見習うべきところはあるのかなと思いました。
ビジュアルもいいし、熱狂的なファンが多いのも納得です。

極悪人アピールこそ、昔からあるヒップホップにおけるスタンダードだと思いますが、もう一つの魅力としては、トラックがかっこいいところです。
ほかの曲もですが、綺麗で心地よい音に、粗悪なリリックが乗っかるアンバランスさが、聴いていて中毒性がありとても良いです。
『ALL GODS BLESS ME』がめっちゃいいです。


●Véranda/Tele

谷口喜多朗のソロプロジェクト「Tele」。
あまり素性を明かしてないらしいんですが、この人自体のことは知りませんでした。見た目からしてたぶん若そう。
インスタの広告で流れてきて、耳心地がいいなと調べてから、めちゃくちゃ聴いてます。
曲調やコード進行はどこか懐かしいポップソング。優しい歌声はRADWIMPSの野田洋次郎を彷彿とさせます。

ただ最大の魅力は歌詞にあると思っています。
意味がどうとかより、まず思ったのが、「よくそんな言葉チョイスするな」ということ。

愛はここにあって、
まだ言えない理由も夢中も
全部笑って待ってる。
代替案持ってこないで、 不憫じゃないか。
いつか、 抱擁で縛り合い憎み合うなんて。
金糸雀色のカーテンについた、
真っ黒い点から目が離せないや!

インタビューも読みましたが本人曰く、「基本何言ってるかわからない」とのこと。この曲もラブソングなのですが、細かい事情は見えてきません。
でも、言葉選びがすごいなと思いました。
普通サビに「代替案持ってこないで」とか選びます?
「真っ黒い点から目が離せないや」もいいですよね。そのまんまを歌いすぎている感じ。

ポップなメロディーに、決してポップではない言葉選び。
随所に感じる心地よい”変さ”に、少し小沢健二っぽさも感じました。
ありふれたポップソングに対して一石投じようという気持ちが見えますね。すんません、勝手なこと言うてます。



●Subtitle/Official髭男dism

言わずと知れた今年最大のヒットドラマ、『silent』の主題歌。個人的にハマっていた事もあり、この曲を選びました。
ドラマの内容ももちろん素晴らしかったですが、この曲がドラマに与えた影響は半端なかったと思います。

まずこの曲、イントロが無いんですよね。
作中、絶妙なタイミングで流れる、「凍りついた心には太陽を〜」の歌い出しで、
胸ぎゅーーーーん!!!!想ーーー!!!ってなってました。
優しくも力強い歌声に毎回メロメロでした。

そして、歌詞ももちろん最高。

正しさよりも優しさが欲しい そしてそれを受け取れるのは
イルミネーションみたいな 不特定多数じゃなくてただ1人
君であってほしい

僕はここが好きです。
パンチラインですよね。
正しさとかいらんねん。わかってるねん。そんなんちゃうねん。ですよね。。
劇中のシーンと重なる部分もたくさんあって、本当に今年を代表する良曲です。

そんな事を言いながらも、突然ですが僕、ヒゲダンの曲になんとなく感じていた印象があったんです。
本当にあくまで個人的な意見なのですが、それは、「歌詞が覚えにくい」ということ。
日本のJ-POP界の頂点に君臨する人たちの曲がそんなわけないと思うんですが、一応他にも聴いてみて、自分なりに原因を見つけました。

それは、

「サビでの繰り返しのフレーズがあまり無い」
「文字数詰め込みまくり」

この2つです。

日本を代表するバンドである、B'z、サザン、ミスチル、スピッツ、GLAYの人気曲のうち数曲のサビを聴き比べました。(暇すぎるやろ)
すると、大体、1番のサビと2番のサビの歌い出しのフレーズがほぼ同じでした。
例えば、『真夏の果実』で言えば「四六時中も好きと言って」みたいな感じで。
(サザンとスピッツは大体同じ。B'zとGLAYは半々くらい)
しかし、ミスチルだけは1番と2番のサビのフレーズが全然違うのです(売り上げランキング上位5曲全部違った)。
この特徴はヒゲダンも同じでした。
サビの歌い出しで繰り返しのフレーズを使わない。
ミスチルとよく比較される点はこの辺にもあるのでしょうか。

そして文字数詰め込みまくり問題。
『Subtitle』を聴いてもらったらわかるんですけど、音に対して文字数多すぎません?
ヒゲダンってカラオケだと高音で歌うの難しい事で有名ですが、歌詞自体もラップみたいなところが多々あって、舌噛みそうになりますよね。笑
(先述の5組はヒゲダンに比べると、音に対して文字数少なめ。スピッツとか聴いたらわかると思います。『silent』に何度も出てきた『魔法のコトバ』とか)

ボーカルの藤原聡さんが、ほぼ全曲の歌詞を書いてらっしゃいますが、言いたいことやメッセージを、歌に存分に詰め込んでるのだなと思います。
もっとキャッチーな言い回しとかでもいいはずなのに、歌詞にこだわりがあるんでしょうね。
すごい作詞家精神です。

「流行ってるだけやん」とか、「ミーハーやん」とかいう理由だけでヒゲダンを聴かない勢は、本当に人生半分損してるな〜と改めて思わせてくれる一曲でした。



ということで、僕が選んだ今年の10曲を紹介しました。
一応Apple Musicのプレイリスト作ったので、もし興味が沸いたら聴いてみてください!(キンプリはサブスク解禁してないので無かったです)

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