見出し画像

ずっと「何者か」になりたくて

こんにちは、石川由弥子(ゆみこ)です。

みなさんは、小さい頃は何を見て育ってきましたか?何になりたかったですか?

私は、セーラームーンを観て育ち、セーラームーンになりたいと思っていました。普通の女の子が変身して世界を救うヒロインになる。煌びやかな衣装に身を包む彼女たちの姿が本当に憧れでした。

今思うと、あの頃から変身願望や「自分ではない何者か」になりたかったのだと思います。

今日は「何者かになりたかった」過去と今の話を、漫画やアニメを通じて紐解いてみようと思います。

小中学生の時に憧れていた「何者」

小学生の私は、私であることに何の疑問も持たず、いつかはセーラムーンのようにスポットライトが当たって「何者かに」なることを信じて疑いませんでした。

当時の私が読んでいた漫画は、『怪盗セイントテール』や『神風怪盗ジャンヌ』。普通の少女が世の中を騒がせる、怪盗として活躍する話です。

一方、男性漫画はというと、『地獄先生ぬ〜べ〜』や『シャーマンキング』を読んでいました。これも人ならざる力を持った主人公が活躍する話です。

女性漫画も男性漫画もどちらも、今の自分では到底持ち得ない力を持っている人に憧れていたことがとてもよくわかります。

当時のりぼんで言うと、『ご近所物語』や『グッとモーニングコール』、『ミントな僕ら』が連載していたのにも関わらず、私がときめいていたのは『神風怪盗ジャンヌ』だったのです。

「何者」にもなれなかった日々

義務教育を卒業し、高校進学・大学進学と人生を歩むにつれて、自分は何の特別でもない存在であったと気づきました。ジャンヌのように怪盗の力を持てるようになったわけでも、葉くんのように交霊できる力を持つわけでもない。努力をしても上には上がいて、特別な才能なんて何もない現実を受け入れるしかなかったのです。

いつしか「何者か」になりたかったことを忘れ、今ある自分を受け入れて生きることを選択しました。大きく望むこともなく、現実を見る。その頃の私は、現実的な漫画を読んでいたように思います。

『ハチミツとクローバー』や『少女ファイト』、『世界でいちばん大嫌い』は感性や才能などの差はあれど、近づきやすかった作品でした。

「きっと何者にもなれなかったお前たちに告げる!」

「何者」にもなれず、大学を卒業した私はとあるアニメに衝撃を受けます。それは『輪るピングドラム』(通称、ピンドラ)。

何を隠そうこのアニメ、監督をつとめたのは幼少期に見て育ったアニメ『セーラームーン』の監督・幾原邦彦監督だったのです。

oh デスティニー。見事な伏線回収です。

この作品のなかに、「きっと何者にもなれないお前たちに告げる。」と言うセリフがあります。
そうなのです、私は「何者」にもなれなかった。これは私に向けた作品だと感じました。この作品は「何者にもなれなかった私たちに向けた生存戦略」の話で、「何者」になれなかった私は、どうやって生きていくのか、とても考えさせられました。
ピンドラについては、本当に語り尽くせないほどの愛があるので、またどこかでご紹介したいと思います。今年はメモリアルイヤー、10周年です!

画像1

(自分なりの生存戦略を考える)

今でも「何者か」になりたい

変身願望があった私が現実を知り、何者にもなれない自分に気づきました。平々凡々な私は、それでも当時憧れた「何者か」になりたいと願っています。特別な力はなくていい、妖力だっていらない。それは誰かにとっての「何者」でもいいし、社会にとっての「何者」でもいいと思っています。これから私が成し遂げることが、自分なりの「何者」になれることを信じて、今日もがんばります。

それではまた〜


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?