#詩
詩:03 「何者にもなれないとしても」
読めない小説
見れない映画
聞けない音楽
なにもできずに終わる日々
ひとり過ごす部屋でなにを待ち続ける?
皆の言う誰かには含まれない自分
何者にもなれないと気付いたのはいつ頃か
なにかあったわけじゃない
なにもないただそれだけが怖い
そんなことを思いながら通り過ぎる日々に
今、なにを思う?
積まれた本がこっちをずっと睨んでいる
救いだったはずのあの曲を聴けなくなって
どれくらい経った?
詩:01 「transi」
目が覚めたらすぐに忘れてしまうような夢
味気のない食卓に見える悲しみの色
単なる優しさに目が眩む
なにも感じなくなった日常に
ただ独り立ちすくむどうやって戻ろうか
静かに終わりを告げる夜 雲雀が泣いていた
静かに沈んでいく街 空鳴りが聞こえる
穏やかな日 夢を見た 紅茶の香りと波の音
それだけでよかった
海の見える小さな家
この窓から見える真っ白な壁になにを飾る?
あたたかなスープに不揃