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観察note Vol.01 マイナスをプラスに変えるリアル書店とレコード屋のコラボ

紀伊國屋書店 新宿本店の8階にディスクユニオン(3月9日から)が移転オープンしてるということで足を運んでみた。

道すがら、国内最大規模の紀伊國屋書店 新宿本店がワンフロアを手放すということはよほど本が売れず、テナント業にシフトせざるを得ないのかなと考えていた。しかし、実際に店舗を訪れてみると本を売るためのシナジーを生む有効な取り組みなんだと考えを改める事となる。

まずお客の入りが想像を上回っていた。

その背景には、レコード熱の高まりの中、実際に手にとってパッケージや状態を確認しながら購入できる場所は限られているということ。
新宿在住の身としてはまだまだレコードと書かれた看板を見ることもあるけど、冷静に考えればレコード店の多くは閉店してしまった事実があり、近所に買いに行くようなものではもはやない。ということもあってか新宿での買い物を「楽しそう」にしている方をたくさん見かけた。

一枚数千円から数万円、中には数十万円のものもラックには並んでいたが、それらを抱えてレジに持っていく人たちが数人とは言わず、二桁に近い人が滞在中にいたように思われる。
まさにジャケ買いが行わていたのではないだろうか。

そして、ここは8階だ。

レコードを購入している人は、何をしながらその音楽を楽しむのか。そう、読書もその一つになるのではないか。
音楽・読書というのは非常に購入属性が近いように思われる。
それもレコードをかける人であれば、紙の本をセットで選びそうなものである。

つまり家電量販店の上のフロアに子供のおもちゃを置くことで、その下のフロアもつい見てしまう考え方と一緒なんだろうなと。

案の定、レコードを買った人はついでのようにエレベータで一目散に帰るのではなく、階段を使って下においていく人も見受けられた。

「フロアを減らす」という「マイナス」と、「購入場所が限られている」という「マイナス」を持つレコード(CD)の組み合わせは、便利になりすぎた時代だからこそ有効な取り組みとして機能しているのだと思う。

ちなみに紀伊国屋書店の一階にはコーヒー豆から葉巻・シガー店もある。
そのうち、紀伊国屋ホールを使った鑑賞会あたりが企画されて、まさにレコード好きの聖地になるのかもしれない。
※余談だけど、筆者はさらに中古カメラ屋や歴史のある喫茶店やBarがあったりする新宿が大好きである。

ちなみにレコード人気はここ何年か右肩上がりで、市場規模も2億まで落ちたものが10数億までになっているデータもでているみたいだけど、結局は一部の人のみの盛り上がりで収束していくと考えている。それでも今日のお店の中を見ていると流行りで終わることはなく、アンティークのような、一定のニッチマーケットしてはおそらく数十年単位では存在し続けるんだろうなと思う。

それはスマホでレコードの音域以上まで再生できたとしても、体験を含めたモノとして聞くスタイルやインテリアとしてのレコードを好む人は残ると考えるからだ。

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