くもりときどきハレのち、天晴
また奇妙なタイトルをつけてしまった。読まれるnoteを書くためには、伝えたいことを簡潔にまとめたり、興味を惹くようなキャッチーなタイトルが求められているはずなのに、語感やリズムで決めてしまう。まだ書く内容も見えてきていないのに、である。広告人としてあるまじき行為だが、慢性的な厨二病の疑いがあるため、半ば諦めている。
無理やりタイトルに戻す。今回は「天気」の話だ。ここからは広告人としてふさわしい行為をしたいので、このnoteの目的でもある広告やコミュニケーション事例を見ていきたい。ちなみに、『君の名は。』よりも『天気の子』の方が好きな派ですが、『君の名は。』よりも『君の名は希望』の方が好きな派でもある。
乃木坂46を代表する楽曲。摩周湖よりも透明度の高い美しい曲調。これだけでもベストシングルと言えてしまうのだが、極めつけは、王道アイドルソングのカップリング曲『13日の金曜日』である。本当にかわいい。
すみません、天気の話でした。天気にまつわる天晴な事例をまとめます。
無印良品
気温とコーディネートって密接にリンクしているのは分かっているんですが、割とテキトーに選んでしまって失敗した経験は誰しもがあると思います。日々気温が変化する春とか、たまにガクブルする夜に遭遇します。
無印良品は、毎日の気温に合ったコーディネートを楽しめるように、気温でソートできる機能が…!「16℃↑」「20℃↑」など、無印良品らしいシンプルなアイコン表記も素敵です。
同じような事例に、オランダのファッションブランドの展開もあります。今の天気に最適なコーディネートを表示してくれる、デジタルサイネージ。DDOOH(Dynamic Digital Out Of Home)の分かりやすい事例です。
DDOOHとは、天候や気温、時間などの外部情報と連動してリアルタイムに放映素材を出し分けることができるデジタルサイネージ
Weather-Reactive Outdoor(マクドナルド)
同じくDDOOHの事例。天気や気温、時間がサイネージやビジョンに表示されていたら、ついつい見ちゃうものですが、この例はマクドナルドの商品で「天気」や「気温」を表現してしまった、藤川球児も驚くドストレートな屋外広告。純粋に”便利”なので、ブランドに対して好意的な感情が湧きます。
ポテトとケチャップで気温になってたり、ハンバーガーが太陽になっていたり、すごくかわいい。週間天気なんて、ひと目では分からないものの、「ソフトクリームは何の表記だ?」と考えるのも楽しい。(ナゲットとソフトクリームは本当に何なのだ)
Yahoo! 天気の優しいUX
これはとあるクライアントから教えてもらった事例なんですが、Yahoo! 天気のアプリから雨雲レーダーをスクリーンショットすると、このような案内が出てきます。
すごくないですか?ユーザーの行動を先回りして、シェアするための画像を提案してくれるアプリ。母の味噌汁のような優しいUX。しかも、画像の下帯にはさりげなく、Yahoo! 天気のアイコンが添えられている。シェアされた側も、Yahoo! 天気の情報と分かる訳だ。何とも不快感を感じない広告。
クリエイティブで「神は細部に宿る」と言うことがありますが、"つくる"で終わらずに、見た人のアクション等、先回りした設計を意識することも重要だと感じさせられた事例でした。
『天気の子』放送告知
©2019『天気の子』製作委員会
『天気の子』が地上波初放送される際の告知で、都営バスの窓に結露防止スプレーで加工して掲出した事例。結露を活用するとか、寒さにも発想にも震える。手書き文字風にすることで、まるで誰かが落書きしたようなトーンになっているのも天晴。とても好き。
雨のち、ハレ。
『平成29年7月九州北部豪雨』の影響により一部区間が不通となっていた、福岡と大分をつなぐJR久大本線の全線復旧の告知。2012年にも豪雨で被災した地域であったため、『同じような災害が2度と起きないでほしい』という願いを込めて空に飛ばす「風船」が企画のモチーフになっている。タイトルはここからパクりました。
さいごに
天気予報では、雨のことを「悪い天気」と言わないそうです。農家の方をはじめ、雨を待っている人もいるからだそう。そういえば、『カルテット』ですずめちゃんもこんなことを言ってました。
曇ってたら どうして天気悪いって 言うんですかね。
良いも悪いも 曇りは曇りですよね。
私は曇った空の方が 好きです。
とは言え、新型コロナウイルスの影響で「鉛色の空」のような、どんよりした年だった2020年。3回目の緊急事態宣言を迎えましたが、収束して、みんなの気持ちがハレることを祈るばかりです。私も天晴な事例を作れるように、奔走します。
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