はとば

アラサー女です

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最近の記事

あれから何年?

夏も近づく八十八夜を過ぎたものの、未だに冬布団にくるまれては投げ出しを繰り返しているうちに、すっかり発熱してしまった。何にも疲れてないのに。こんなDJがセンスとノリでツマミを上げ下げさせてるとしか思えない気温では、体調を崩して当然だよねぇ、と自分に言い聞かせつつ。 さて、5月も半ば。あの頃の私は何してたかなぁとスマホなどの記録に尋ねてみる。 睡眠薬を飲み始めて6年程。それと、この日に死のうと定めていた日から1年ちょい。 未だに睡眠薬はガバガバ飲んでるし、未だに死にたいながら

    • IKEAのサメの話

      昨年の冬、私はかなり本気で死ぬ覚悟を決めていた。 だが結果、生きている。生きて夏を終えようとしている。 ここに至るまで、様々な心の変化があった。たまには料理に凝ってみようだとか、もう一度学生になってか資格を取ろうだとか、混沌とした部屋を片付けてみようだとか。 こうなったのは家族の尽力のお陰である。 家のことが何一つできない私に、嫌な顔一つせず、洗い物も洗濯もお風呂の用意も全てしてくれ、駄目な私を一切否定しなかった兄。 書類の手続きをしてくれて、相談にも乗ってくれて、気分転

      • 結びつく匂いの話

        昔友人が、「就職を機に越した先が程よい田舎で、雨が降ると独特の匂いがする。高校生の頃、当時の恋人と歩いた帰路と同じ匂いがして、終わった恋を思い出してしまう」と言っていた。 胸が締め付けられるような思いのする話なので、本人には申し訳ないが、美しい話だなぁと思った。 しばらく後、私も同じ思いをすることになる。転職後の会社で工場長なる人がいた。その人の煙草の銘柄が昔付き合っていた人に近いものだったのか、彼を思い起こさせる匂いをしていた。 それでもまあ、記憶というものは薄れていくも

        • 紫陽花がひとりでに咲き始めた話

          ご近所さんに北村さんという一家がいる。 と言っても、娘さんは家を出て久しく、お父様は何年か前に亡くなっており、お母様の一人暮らしである。 お母様は……もういくつくらいになるのだろうかも分からない。 とても懇意にしていた訳でもないが、軒先に信楽焼のたぬきと花を飾るのが好きな人だ、ということはよく知っている。 そしてそんな北村さんは、私の知らぬうちに認知症の気が出てきたらしい。らしいというのも、あくまで推測でしかない。 ごくたまに小さいバスが家の前に止まって、乗り込む姿を見か

        あれから何年?

          がん検診に引っかかった話

          昨年の秋、子宮頸がんの定期健診に引っかかった。 タイトルでビビらせておいたので、結論から言うと、大きい病院で精密検査を受けたところ、無事陰性だった。今日もどうってことない日常を続けている。 ただ、次はあなたや、あなたの大事な人の番かもしれない、なんて、月並みながらも覚えていてほしい。 夏も終わるころ、愚かな失恋を引っ提げていること以外、さしたる考えもなく検診を受けた。 一週間で結果出ますよ~、とのことで、通年はちゃんと一週間ほどで婦人科に足を運んでいたが、今年に限って行く

          がん検診に引っかかった話

          近況

          みなさんこんにちは。はとばこと、叙杏こと、私です。 最近、唯一の長所だった「人付き合いの良さ」が失われつつあります。 LINEの未読はとうとう12,000件を超え、連絡がつきづらく、連絡がついたところで遊ぶ予定を断ってしまいがちです。 何故かと言いますと、年々睡眠障害が悪化しておりまして。 5年程前から睡眠導入剤を服薬していましたが、薬との相性が悪いものがほとんどで、 就業中酷く眠く、まともに仕事にならない日が連日続きました。 朝まともに起きられず、午後から出勤する日が、

          女の子らしくなれない私の話

           京都には十三参りという風習がある。 簡単に言うと、春頃に、今年度13歳になる子どもたちが、嵐山の法輪寺にお参りする。 帰り道に振り返ってしまったら、授かった知恵を失ってしまう、というものだ。 京都人にとっては、人生に一度の一大イベントである。  その3日前、私はトイレで絶望した。幼い私は下着に赤々とついた血に、病気を確信した。  母は娘の初潮に「せめて振袖を用意してなくて良かった」「まだ黒いワンピースなのが幸い」「お赤飯炊いた方がいい?」等慌ててふためいた。 お参りどこ

          女の子らしくなれない私の話