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いつもありがとうございます。

先日わたしの店舗の社員4名でセミナーに参加してきましたので、その話を紹介したいと思います。

セミナーの講師は株式会社サニーテーブルの代表取締役会長である高橋滋さん。

演題は「人が 人として 人に接する!」

約1時間30分ほどの講演となりました。

株式会社サニーテーブルの中心事業は飲食で、その中でもレストラン「カシータ」は創業者である高橋氏の哲学が忠実に再現された象徴的な店舗です。

高橋氏は若いころから世界中を旅し(彼流の表現でいうと「風に吹かれて」)、その過程でいくつもの企業との感動的な出会いを体験しています。

代表的なものを紹介すると、アマンリゾート、全日空、リッツカールトン大阪、MKタクシー、スターバックス、東京ドームのビールの売り子などなど。

これらの企業や人、サービスとの出会いを実体験を交えながら紹介してくださいました。

なかでも「アマン」は彼にとってのスペシャルで、レストランカシータはアマンでの体験と感動をもとに開業されたそうです。

高橋氏は今回の講演の主題として「システム」と「情熱」の両立を力説していました。

カシータはこの両輪を10年間ブラッシュアップし続けて彼の経営哲学の浸透と現在のサービスレベルの構築へと繋げていったそうです。

氏の熱弁する「システムと情熱」とは簡単にまとめると以下のような主張です。

レストランという業態でスタッフ個人の力や担当者の力量だけに頼っていては様々な個性を持つお客様に対してそれぞれの好みに合ったサービスを届けることができない。だから、組織でお客様に向き合うためのシステムを整えることが必要で、なおかつ、そのシステムの効果を最大限に活かして”人として”お客様に接していくためには「情熱」が不可欠である。

講演中には他にも様々な参考となるお話が披露されました。

・魔法のことば「名前を呼ぶこと」「いつも」
  例:「ありがとう」を「”いつも”ありがとう」に変える。

・できない理由を探すのではなく、頭を切り替えて、できる方法を考える。

・自分がされてうれしかったことを、自分のお客様に対して「友人家族にそうするように」提供する。

・商品が同じだったらお客様は接客が良いほうに行く。

・まずやってみる。あとのことはあとで考える。

それぞれ詳細まで紹介したいとこではありますが割愛させていただいて次のチャプターに進みます。

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講演が終わった後、店舗にもどり、参加したメンバーにQ&A方式で質問をしました。

Q1 高橋さんの話したエピソードの中で一番印象に残ったことは何ですか?

社員A

「今日のスペシャルは明日からのスタンダードに」「ルールよりもお客様優先」という言葉。丸ごとうちの業界に持ち込むことはできないが、工夫すれば近づけるはずだしそういう気持ちが大切だと思う。

社員B

横浜駅のカフェ閉店時にカシータのスタッフが応援に行ったエピソード。コーヒーにメッセージを添えるという点が自分の業務に重なる点があり親近感が持てた。気持ちを言葉に乗せることで相手の心を揺さぶることができるという好例だった。

社員C

何十人も予約客がいる中で、アマンリゾートでオーナーが初来訪であるはずの高橋氏の名前を迷うことなく呼びかけて出迎えたエピソード。予約情報を予め分析し状況と照らし合わせて顔も知らない相手の名前をヒットさせたと思うが、最高のおもてなしだと思った。

Q2 高橋さんが例に挙げた企業の中で印象に残っものを教えてください。

社員A

企業:全日空

理由:飛行中にトラブルが発生した場合、それがちょっとしたトラブルであっても即座に情報共有され、乗継便に搭乗したときに改めて謝罪対応を行えるようにするシステムが存在し、お客様の不快の解消に心血を注いでいる。

社員B

企業:リッツカールトン大阪

理由:通常サービスではないものであっても、お客様の要望を出来うる限りかなえようとするお客様優先の姿勢がある。例:深夜に無理を承知でフロントにきつねうどんがないかを尋ねたら、上司に了解を得ずに即座に対応してくれた。

社員C

企業:大阪のお好み焼き屋さん

理由:たとえ1000円の食事であっても、店の外に出てお客様の姿が見えなくなるまでお見送りし、ありがとうございましたと感謝の気持ちを伝えている。

Q3 やりたいと思ったこと、自分たちでもできると思ったことはありますか?

社員A

帰るお客様に傘をさしてあげる。タバコが切れたお客様に声掛けしておつかいする(くしゃくしゃのケースが台に置いてあったりしたら気づける)。「いつも」という言葉を使う。

社員B

お客様用のコーヒーのカップにメッセージ。気持ちをしっかり伝えようと思ったらシールより手書きが良いし、入替日だけとかじゃなく毎日やっていきたい。

もっとお客様のことを覚える。カウンターでお客差のカードにタバコの銘柄が出てくるので自分から声掛けができるように。

社員C

急な雨の時に傘をさしてお客様のお出迎えお見送りをする。警備員の方にも協力してもらう。

トラブルやクレーム対応のケースで、後日別の担当者が対応をきちんと引き継いで対応、声掛けできるシステムを作り、また対応時に担当者が自分の名前を伝える。


わたしが本当に確認したかったのはQ3です。

今回のセミナーには経営者をはじめ、店長やそれに準ずるポジションの方が多数参加しており、みなさん高橋氏の話に聞き入り、どの方も熱心にメモを取っていました。

わたしはこれまで多くの講演やセミナーに参加してきましたが、その中でも特に参加者が前のめりになっていた講演だったと思います。

専門家の話を聞いて感化を受け、モチベーションが上がってやる気になったのはほとんど全員でしょう。

しかし、そこに行動が伴わなかったら相手(お客様)には伝わりません。

お客様に伝わらなければ何も変わっていないことといっしょです。

数百名の参加者の中で、はたして何人が実際に行動に移すことができるのか?

わたしの推測では1割にも満たないと見積もっています。

それを尻目にわたしたちは講演後さっそく”やること”を決めました。

鉄は熱いうちに打て、というわけです。

十中八九、参加者の中でここまで話を進めたのはほんの一握り、もしかしたらわたしたちが最速だったのかもしれません。

とは言え、全て実行に移した、とはまだまだ言えない状態。

欲を言えば、行動を続けているうちにより発展したサービスなり考え方が生まれてくることを期待していたりもします。

スタッフみんなの力を集めて自店オリジナルのサービスを生み出すことがわたしの願いです。

その取り組みはまだ始まったばかりですので、今回のコラムはそのプロローグだと捉えてください。

続編をお楽しみに。

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